米5年債入札、最高落札利回り4.121% 米財務省
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.121%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
米5年債入札、最高落札利回り4.121% 米財務省
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.121%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
欧州マーケットダイジェスト・24日 株安・金利上昇・円高
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.82円(24日15時時点比▲0.81円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.84円(▲0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0846ドル(▲0.0006ドル)
FTSE100種総合株価指数:8153.69(前営業日比▲13.68)
ドイツ株式指数(DAX):18387.46(▲170.24)
10年物英国債利回り:4.156%(△0.032%)
10年物独国債利回り:2.444%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲18.4 ▲21.6・改
7月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
44.1 45.4
7月仏サービス部門PMI速報値
50.7 49.6
7月独製造業PMI速報値
42.6 43.5
7月独サービス部門PMI速報値
52.0 53.1
7月ユーロ圏製造業PMI速報値
45.6 45.8
7月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.9 52.8
7月英製造業PMI速報値
51.8 50.9
7月英サービス部門PMI速報値
52.4 52.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。「日銀は来週の金融政策決定会合で利上げを検討」「今後数年間で債券購入を半減する計画」との一部報道が伝わると、日銀の政策正常化への思惑が高まり円買い・ドル売りが先行。世界的な株価の下落を背景にリスク・オフの円買いも入り、24時前に一時153.11円と5月6日以来の安値を付けた。
なお、前週から今週にかけては河野太郎デジタル相や自民党の茂木敏充幹事長が日銀に利上げを求める内容の発言をしており、市場では日銀が追加利上げを実施するとの見方が強まっている。
・ユーロドルは持ち直した。7月の仏・独製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回るとユーロ売り・ドル買いが先行。日本時間夕刻に一時1.0826ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、23時30分前には一時1.0867ドルと日通し高値を付けた。対円中心にドル売りが優勢になると、ユーロに対してもドル安が進んだ。
・ユーロ円はさえない展開。30-31日に日銀金融政策決定会合を控える中、日銀の政策正常化への思惑が高まると円買い・ユーロ売りが優勢となった。ダウ平均が一時400ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比890円安の3万8230円まで下げると、リスク・オフの円買いも活発化し一時166.14円と5月8日以来の安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。アジア株相場や時間外の米株価指数先物の下落を受けて、英株にも売りが波及した。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。アジア株相場や時間外の米株価指数先物の下落を受けて、欧州株全般に売りが波及した。2024年4-6月期が最終赤字となったドイツ銀行が8%を超す急落となった。ダイムラー・トラック・ホールディング(3.21%安)やシーメンス・エナジー(2.13%安)などの下げも目立った。
・欧州債券相場は下落。
NYマーケットダイジェスト・24日 株大幅安・金利上昇・円高
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.89円(前営業日比▲1.70円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.81円(▲2.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0840ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:39853.87ドル(▲504.22ドル)
ナスダック総合株価指数:17342.41(▲654.94)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.03%)
WTI原油先物9月限:1バレル=77.59ドル(△0.63ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2415.7ドル(△8.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲2.2% 3.9%
6月米卸売在庫
(前月比) 0.2% 0.6%
7月米製造業PMI速報値
49.5 51.6
7月米サービス部門PMI速報値
56.0 55.3
7月米総?⑰MI速報値
55.0 54.8
6月米新築住宅販売件数
(前月比) ▲0.6% ▲14.9%・改
(件数) 61.7万件 62.1万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。「日銀は来週の金融政策決定会合で利上げを検討」「今後数年間で債券購入を半減する計画」との一部報道や、自民党の茂木敏充幹事長が「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」と述べたと伝わると、日銀の政策正常化への思惑が高まり円買い・ドル売りが優勢となった。世界的な株価の下落を背景にリスク・オフの円買いも入り、24時前に一時153.11円と5月6日以来の安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋った。米長期金利の上昇に伴うドル買いが入ったため、4時過ぎには154.10円付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは小幅続落。対円中心にドル売りが優勢になると、ユーロに対してもドル安が進み、23時30分前に一時1.0867ドルと日通し高値を付けた。ただ、米長期金利の上昇に伴うドル買いが入ると1.0836ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は4日続落。30-31日の日銀金融政策決定会合を前に、日銀の政策正常化への思惑が高まると全般円買いが進んだ。ダウ平均が一時550ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1030円安の3万8090円まで下げると、リスク・オフの円買いも活発化し一時166.14円と5月8日以来の安値を更新した。
・カナダドル円は一時110.95円と4月12日以来の安値を付けた。カナダ銀行(BOC)が市場予想通り政策金利を据え置いた際の声明で「BOCが重視するコア指数は数カ月間3%を下回っており、CPIを構成する複数の品目における物価上昇の度合いは過去の平均水準に近づいている」と指摘し、マックレムBOC総裁が「インフレが予想通りに緩和すれば、追加利下げが可能」と発言するとカナダドル売りが優勢となった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。テスラやアルファベットなどの決算内容が嫌気されて大型ハイテク株が急落すると、他の銘柄にも売りが波及し、株相場全体を押し下げた。市場では「これまで相場をけん引してきたハイテク銘柄の決算が市場の期待に届かず、投資家心理の悪化につながった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落。下落率は2022年10月以来の大きさ。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。株価の下落を受けて買いが先行したものの、25日の4-6月期米国内総生産(GDP)速報値や26日の6月米個人消費支出(PCE)デフレーターなど重要指標の発表を前にポジション調整目的の売りが出ると失速した。
・原油先物相場は1週間ぶりに反発。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦に関する思惑から下落が続いていたものの、その流れが一服。原油在庫の取り崩し継続が確認されたこともきっかけとなり、一時78ドル台を回復した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(7/19時点)で原油在庫は前週比-374.1万バレル(前週 -487.0万バレル)となった。
・金先物相場は続伸。ここ1週間ほど対主要通貨で上昇傾向にあったドルを買う動きが一服。ドル軟化は、ドル建て金相場の換算値を押し上げる方向に寄与した。米金利の低下が先行したことも金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味向上につながったものの、金利水準が持ち直すと金相場は上昇幅を縮小した。
24日の主な要人発言(時間は日本時間)
24日19:48 ショルツ独首相
「カマラ・ハリス氏が米大統領選に勝利する可能性が非常に高い」
「私は再び首相選に出馬する予定」
24日21:36 茂木自民党幹事長
「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」
24日22:45 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「世界経済は2026年まで年率約3%で拡大し続けると予想」
「インフレ率はほとんどの先進国で依然として中銀の目標を上回っているものの、徐々に緩和すると予測」
「米国では、予想されていた経済減速が現実のものとなり、消費の伸びは鈍化している」
「米国のインフレ率は再び下降傾向に戻ったようだ」
「世界的な金融状況は緩和しており、利回りは低下、株価は上昇し、企業債務の発行は堅調」
「カナダドルは比較的安定しており、原油価格は4月の金融政策報告書(MPR)で想定された水準付近にある」
「カナダは、今年上期に経済成長が1.5%程度まで上昇する見込み」
「労働市場には緩みの兆候がある」
「失業率は6.4%に上昇し、雇用は労働力人口の成長率を下回り続け、求職者は職を見つけるのに長い時間を要している」
「賃金の伸びは鈍化の兆候が見られるが、依然として高い水準にある」
「コアインフレ指標は、2024年後半に約2.5%に減速し、2025年にかけて徐々に緩和すると見込む」
「ガソリン価格に対する基準年の影響が主な理由で、今年後半にCPIインフレがコアインフレを下回ると予想」
「これらの影響が薄れると、CPIインフレは再び上昇し、来年には2%の目標付近に落ち着く可能性がある」
「幅広い価格圧力が緩和し続け、インフレが2%に近づくと予想されるため、理事会は政策金利をさらに0.25%引き下げることを決定」
「継続的な過剰供給により、インフレ圧力が低下している」
「理事会は、インフレに対するこれらの相反する力を慎重に評価」
「金融政策の決定は入手される情報と、それらがインフレ見通しに与える影響に関する評価に基づいて行われる」
「物価安定を回復するという確固たる決意を維持」
※時間は日本時間
25日のイベントスケジュール(時間は日本時間)
<国内>
○08:50 ◇ 6月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.6%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ◇ 7月月例経済報告
<海外>
○15:45 ◇ 7月仏企業景況感指数(予想:99)
○17:00 ◎ 7月独Ifo企業景況感指数(予想:88.9)
○18:30 ◇ 6月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%/前年比4.8%)
○20:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:30 ☆ 4-6月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率2.0%)
◎ 4-6月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率2.0%)
◎ 4-6月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率2.7%)
○21:30 ◎ 6月米耐久財受注額(予想:前月比0.3%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.8万件/186.0万人)
○24:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○26日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ブラジル・リオデジャネイロ、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
東京為替見通し=ドル円、日銀金融政策正常化への警戒感から弱含みか
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「日銀は来週の金融政策決定会合で利上げを検討」「今後数年間で債券購入を半減する計画」との一部報道や自民党の茂木幹事長が「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」と述べたことで153.11円まで下落した。ユーロ円も日銀の政策正常化への思惑が高まり、ダウ平均やナイト・セッションの日経平均先物の下落を受けて166.14円まで下落した。ユーロドルは1.0867ドルから1.0836ドル付近まで弱含みに推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、30-31日の日銀金融政策決定会合への警戒感から円売り持ちポジションの手仕舞いが続いていることで軟調な展開が予想される。
来週の日銀金融政策決定会合では、次期自民党総裁候補と見なされている河野デジタル相や茂木幹事長による利上げ要請発言や「日銀は来週の金融政策決定会合で利上げを検討。今後数年間で債券購入を半減する計画」という観測報道などから、利上げの可能性が高まりつつある。
ドル円の公表されている売買動向は以下の通りに円買いが約6.1兆円程度多くなっており、現状のドル円の161円台から153円台までの下落基調を裏付けている。
・4-7月の本邦通貨当局のドル売り・円買い介入:約15.4兆円
・1-6月の投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度):約6.1兆円
・1-6月の貿易赤字:約3.2兆円
公表されている円売り持ちポジションは以下の通りとなっており、日銀が利上げを決定した場合、円売り持ちポジションの手仕舞いとなり円買い圧力が高まることになる。
・7月16日時点のIMM投機筋の円の売り持ちポジション:151072枚(約1.9兆円)
・4月時点の円キャリートレード残高:約10.8兆円
9月に予定されている自民党総裁選に向けて、「総理になってほしい人」ランキングによると、1位石破元自民党幹事長、2位・・・4位、5位河野デジタル相、6位茂木自民党幹事長、7位岸田首相・・・となっていた。
5月7日、岸田首相は、植田日銀総裁を官邸に呼び、円安について「日銀の政策運営上、十分注視をしていくことを確認」し、10日には経済財政諮問会議で「最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携していく」と語っていた。
ドル円は16日に153円台に下げた後、7月3日に1986年12月以来の高値である161.95円まで上昇していった。
7月17日、河野デジタル相は、円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために政策金利を引き上げるよう日本銀行に求めた。ドル円は155.38円まで下落したが、「日銀に対して利上げを直接求めているわけではない。金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけだ」との釈明を受けて157円台に戻した。
7月22日、茂木幹事長は、日銀について「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語り、過度な円安の是正へ分かりやすい情報発信を求めた。ドル円は、茂木幹事長が「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」と述べ、河野デジタル相のように釈明しなかったことで153円台まで下落している。
30-31日の日銀金融政策決定会合では、国債買い入れの減額計画(現在6兆円:6月約5.6兆円)は、「相応の規模」(植田日銀総裁)ならば3兆円程度、そうでなければ4~5兆円程度と想定される。そして、追加利上げ(現在0.0-10%)は+0.15%(0.15-25%)と想定される。
河野デジタ
相や茂木幹事長は、おそらく、国債買い入れの減額計画3兆円程度と、円安阻止のための+0.15%程度の利上げを要請していると思われる。
2013年のアベノミクスによるアコードで、「日銀は政府の子会社」(安倍元首相)の様相を呈してきたが、植田日銀総裁は、次期自民党総裁候補達による利上げ要請を受け入れるのだろうか。
株価指数先物【寄り前】 6月安値とのボトム形成を意識
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38170 -950 (-2.42%)
TOPIX先物 2748.0 -45.0 (-1.61%)
シカゴ日経平均先物 38115 -1005
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日の取引終了後に決算を発表したテスラ<TSLA>やアルファベット<GOOG>が大幅安となり、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株のほか、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株に売りが広がった。
また、7月のサービス業購買担当者指数(PMI)は2022年3月以来の高水準となったが、製造業PMIが好不況の境目である50を下回ったことで、米国景気の減速懸念が高まったことも売りを誘った。S&P500業種別指数は電気通信サービス、公益事業、家庭用品・パーソナル用品が上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアの下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1005円安の3万8115円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比70円安の3万9050円で始まり、直後に付けた3万9110円を高値にショート優勢となり、ほどなくして3万9000円を割り込んだ。米国市場の取引開始直後に3万8800円を割り込むと下へのバイアスが強まり、一時3万8090円まで売られ、3万8170円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。米国ではハイテク株主導の下落となるなか、半導体SOX指数の下落率は5%を超えた。レンジを大きく切り下げたことで、ヘッジ対応のショートの強まりが警戒される。日経225先物は支持線として意識されていた75日移動平均線(3万9070円)を下回って始まり、その後の大幅な下げによってボリンジャーバンドの-2σ(3万7920円)が射程に入ってきた。6月半ばに付けた直近安値(3万7920円)とのダブルボトム形成が意識されてきそうだ。
週足では13週、26週線が位置する3万9000円近辺を割り込み、-1σ(3万8110円)水準まで下げてきた。週足は4月半ばの下落局面で-1σが支持線として機能していたこともあり、調整一巡感が意識されやすいところであろう。オーバーシュート気味の下落で3万8000円を割り込んでくる局面はありそうだが、ショートカバーも入りやすいとみておきたい。
ただし、決算発表が本格化するなかで、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られそうだ。日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えていることも手掛けづらくさせよう。26日には米金融政策当局者が注視する米個人消費支出(PCE)コア価格指数の発表が予定されており、7月の利下げ観測が強まる可能性がある。円相場が1ドル=153円台と円高が進んでいることも重荷となり、売り一巡後は短期的なリバウンド狙いのロングにとどまりそうだ。
3万8000円での攻防が意識されるなか、オプション権利行使価格の3万7875円から3万8375円辺りのレンジを想定する。3万8000円での底堅さがみられる局面では、3万8000円から3万8500円のレンジになろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.00倍に上昇した。朝方は13.92倍まで低下する場面もみられたが、円高進行が重荷となるなか、TOPIX型のインデックス売りの影響が大きかったようだ。本日は値がさハイテク株の下落の影響からNT倍率の低下が見込まれ
るが、全面安商状のなか、直近の保ち合いレンジ内での推移が続きそうだ。
なお、24日のVIX指数は18.04(前日は14.72)に上昇した。足もとで荒い値動きを続け、200日線が支持線として機能する形で上へのトレンドを強めてきた。方向性としては4月19日に付けた21.36が射程に入ってきており、慎重姿勢が強まりやすいだろう。
【よろずのつぶやき by Wada】天神底
昨日の海外市場では、日経平均先物が1000円を超える急落となったほか、米株も大幅な下落。米系HF勢による円キャリーの巻き戻しの動きが引き続き観測されました。ただ、一昨日と違ってNY時間午後に入ってからは、米長期金利が一転して大幅な上昇となったこともあり安値からは1円の買い戻しとなって引けました。
アジア時間に入ってからは、米系の動向を見極める状況が続いていますが、仲値にかけて上昇したドル円は、再び一部米系から処分出来ていなかったフローが持ち込まれると昨日安値の153.11円を下抜けて152.65円まで売り込まれることになりました。その後は152.98円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、市場は「かなり流動性にかける動き」となっている模様ですが、「値動き的にはミニセリングクライマックス的な動きにもなっている」との声も聞かれています。目先は、2023年11月13日の高値151.91円や5月3日の安値151.86円、200日MAが位置する151.55円付近が「チャート上でのかなり重要な節目」との認識が強いなか、日経平均と連動した神経質な動きが続いています。
今夜は大阪では天神祭の盛大な花火が打ち上げられることになっていますが、38000円を割込んで急落となっている株価や、円キャリーポジションの調整の動きが、株式市場で伝わる「天神底」となるのかどうか。マーケットのリズムの変化や、相場の分水嶺を見極めることになりそうです。
株価指数先物【昼】 -2σまでの急落でいったんは売り一巡感
日経225先物は11時30分時点、前日比1000円安の3万8120円(-2.55%)前後で推移。寄り付きは3万8260円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8115円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万8100円を割り込んだが、売り一巡後に3万8300円まで下げ渋る動きもみられた。ただし、為替市場では円相場が1ドル=152円80銭台と円高が進むなか、ロング解消の動きとヘッジ対応のショートの動きが強まり、終盤にかけて一時3万7950円と節目の3万8000円を割り込んだ。
米国のハイテク株主導の下落に加えて、円高が重荷となった。日米金利差縮小から持ち高調整の売りが優勢となり、急ピッチの下落によってヘッジ対応のショートも強まったとみられる。明確な底入れは見極めにくいが、ボリンジャーバンドの-2σ水準まで一気に下げてきたことから、いったんは売り一巡感が意識されやすく、3万8000円水準での底固めの動きになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落の影響から、朝方は13.91倍に低下して始まった。ただし、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ニデック <6594.T> [東証P]など、値がさ株の一角が売り一巡後に下げ渋る動きをみせていることもあり、その後は直近の保ち合いレンジ内での推移を継続している。
【相場の細道】ハリス第47代米大統領?
「女性では初の副大統領になるが、最後ではない」(ハリス第49代米副大統領)
米メディアの調査によると、バイデン米大統領対トランプ前大統領ならば、43.5%対46.0%だったが、ハリス米副大統領対トランプ前大統領ならば、44%対42%となり、ハリス第47代米大統領誕生の可能性が高まりつつある。
1.バイデン第46代米大統領(1942年11月20日生まれ:81歳)
2021年1月20日、米大統領選挙で史上最高の得票数(約8100万票)で史上最高齢(78歳)のバイデン第46代米大統領が就任した。
米国の大統領の9%が在任中に殺害され、18%が任期途中で死亡しており、20年毎に選出される米大統領が在職中に死亡するという「テカムセの呪い(Tecumseh’s Curse)」もあり、2020年に選出されたバイデン米大統領にとっては、不吉なデータとなっていた。
そして、2024年7月21日、バイデン第46代米大統領は、大統領選挙からの撤退を表明し、後任に、ハリス第49代米副大統領を指名した。
2.ハリス第47代米大統領候補(1964年10月20日生まれ:59歳)
女性初で黒人初の米副大統領に就任したハリス第49代米副大統領は、西部カリフォルニア州オークランド出身で、名門スタンフォード大の経済学教授でジャマイカ系の父親と乳がん研究者のインド系の母親の元に生まれた移民2世である。
2019年6月のフロリダ州マイアミで開かれた民主党予備選に向けたテレビ討論会で、ハリス候補はバイデン候補が上院議員として「差別撤廃に向けたバス通学」に反対したことに対して、「カリフォルニアのある少女は、公立学校の統合のために第二クラスに入れられ、毎日学校にバスで送迎された。その少女は私だ」と批判した。
1994年、30歳のハリス氏は、父親よりも年上でカリフォルニア州議会の議長を務めていた30歳年上のウィリー・ブラウン氏と不倫関係となった。
1996年、黒人初のサンフランシスコ市長となったブラウン氏の支持により、2004年サンフランシスコ検事総長から2010年カリフォルニア州司法長官と上り詰め、ブラウン氏の支持者に対する疑惑をもみ消した、と暴露本に書かれ、2016年にはカリフォルニア州上院議員となった。
2014年にハリウッドの弁護士ダグラス・エムホフ氏と結婚、夫と前妻の間の子供2人の母親でもある。エムホフ氏は、米国初の「セカンド・ジェントルマン(副大統領配偶者の男性)」となり、公務を果たしている。
2021年6月7日、ハリス米副大統領は、グアテマラの首都グアテマラシティで、ジャマティ大統領と不法移民問題について協議した後の記者会見で、米国境に殺到する不法移民に向けて、「米国とメキシコの国境まで、危険な旅をしようと考えているこの地域の人々に、私ははっきりと言いたい。来ないで。来てはいけない。我々の国境に来れば、追い返されるだろう」と呼びかけた。
米共和党の副大統領候補バンス上院議員は、かつてハリス副大統領に対して、実の子どもがいないという理由で「国の未来と利害関係がない」と発言していた。
7月月例経済報告、景気判断を5カ月連続で据え置き
政府は25日、7月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」と5カ月連続で据え置いた。個別項目では、公共投資の判断が引き上げられた一方、輸出の判断は引き下げられた。
ロンドン為替見通し=リスクセンチメントを見極め、円キャリーの解消続くか
本日のロンドン為替市場では、相場全般のリスクセンチメントを見極めながらの取引となりそうだ。NY株式市場は大きく売られて終え、日本株も大幅安となり、それらの影響を欧州市場がどの程度まで受けるかが注目となる。また、日銀の金融正常化への思惑から円キャリートレード(低金利の円を売って外貨で運用)の解消が今週は大きく進んでいる。日銀会合の関連報道を気にかけながら、同様の動きが続くのか円相場を注視する必要もあるだろう。
経済指標は欧州前半に7月独Ifo企業景況感指数が発表予定。同指数でユーロが大きく動意付くことは少なくなったものの、レンジを広げる可能性はある。市場予想は88.9と前回を僅かに上回るとされているが、前2回連続で予想比下振れしているため楽観視はできない。昨日発表された7月独製造業PMI速報値が改善見通しに反して悪化したことも、本日のIfoがさえない見込みを高めているか。
欧州昼頃にはナーゲル独連銀総裁が講演予定。欧州中央銀行(ECB)内からは先日、9月理事会での金利引き下げに向けた地ならしとも見られる発言が伝わった。ユーロ圏のインフレ率が2%台で推移しているため、タカ派として知られるナーゲル氏も追加利下げについて強く否定はできないか。独連銀総裁がどの程度まで緩和に慎重なのかを確かめたい。
円キャリーの解消については、どの程度まで進んだかを測ることはできないものの、円高が進めば円買い戻しが進むというパターンがもう暫く続くのではないか。ただし、いくら日銀が追加利上げに踏み切ったとしても、「結局それだけの上げ幅?」となる可能性には注意したい。国債購入の減額についても、今後数年間でと期間に幅を取り、減額規模も市場参加者を驚かせる額にならないはずだ。そう考えると、円高のオーバーシュート域をそろそろ探るタイミングに来ているのかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.0903ドル
・ユーロ円、日足一目均衡表・雲の下限166.92円を超えたら90日移動平均線168.42円
想定レンジ下限
・ユーロドル、90日移動平均線1.0787ドル
・ユーロ円、5月3日安値164.02円
東京マーケットダイジェスト・25日 円高・株大幅安
(25日15時時点)
ドル円:1ドル=152.73円(前営業日NY終値比▲1.16円)
ユーロ円:1ユーロ=165.63円(▲1.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0844ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:37869.51円(前営業日比▲1285.34円)
東証株価指数(TOPIX):2709.86(▲83.26)
債券先物9月物:142.74円(▲0.06円)
新発10年物国債利回り:1.065%(▲0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.14900%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標) <発表値> <前回発表値>
6月企業向けサービス価格指数
前年同月比 3.0% 2.7%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7304億円の処分超 2060億円の処分超・改
対内株式
490億円の処分超 2278億円の所得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。朝方には一時153.97円まで上昇したものの、154円台回復とはならず、一巡後は一転して売りが優勢となった。海外勢を中心に円キャリートレードの解消とみられる動きが活発化。円全面高の展開となり、ドル円は一時152.23円と5月3日以来の安値まで売り込まれた。急ピッチで下げた反動から一巡後は152.90円台まで下げ渋る場面も見られた。
・ユーロ円も売り優勢。来週の日銀金融政策決定会合への警戒感から円が独歩高となった流れに沿った。ユーロ円は165.05円、ポンド円は196.27円、豪ドル円は99.71円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となったため、1.0840ドルを挟んだ狭いレンジ取引となった。
・日経平均株価は7日続落。昨日の米ハイテク株の急落を受けて世界的にリスクオフムードが高まったほか、外国為替市場での円高で輸出関連株を中心にまとまった売りが持ち込まれた。下げ幅は一時1300円超と今年最大の下げ幅となった。
・債券先物相場は7日続落。日銀の早期利上げ観測から売りが先行すると一時142.42円まで下落した。ただ、超長期債に買いが入るとつれ高となり下げ幅を縮めた。
FRBの利下げで米国株に何が起きるか?~大和
大和証券では、FRBが9月のFOMCで利下げに転じる可能性が高まっていることを受けて、利下げ後にどういった反応が見られるかについて考察している。1980年以降に1%以上の利下げが行われた局面(1984年、1989年、2001年、2007年、2019年)における検証では、金利低下の恩恵を受ける公益、景気減速下で選好される生活必需品やヘルスケアのパフォーマンスが良好であったとのこと。大和では、メーンシナリオとしているソフトランディングのケースでは、大型ハイテク株や資本財などにも投資妙味があると考えている。
中国人民銀、25日もMLFで資金供給 金利は0.2%低下
中国人民銀行(中央銀行)は25日に公開市場操作(オペ)を行い、金利入札方式で中期貸出制度(MLF)を通じて2000億元を供給した。償還期間は1年。落札金利は2.3%で、今月15日のMLF金利(2.5%)に比べ0.2ポイント低下した。月末の銀行システムの流動性を潤沢な水準に保つことを理由に挙げた。
これまでの慣例では、人民銀が毎月15日のオペでMLFを通じた資金供給を実施する。MLF金利は人民銀が毎月20日に公表する最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の算出基準とされている。一方、7月15日のMLF金利が前月比据え置きとなったものの、7月のLPRは1年物、5年物ともに前月から0.1%引き下げられた。
『中国証券報』によると、専門家は、人民銀が7月15日に加えて25日にもMLFを通じた資金供給を実施したことについて、経済の回復を支えるために潤沢な流動性を確保するとともに、金利入札方式によってMLF金利が市場金利をより反映できるようになったと指摘。MLF金利の「政策金利」としての色合いを薄める狙いがあるとの見方を示した。
トランプ氏再選シナリオへの備えが必要=SMBC日興
SMBC日興証券ではマンスリーストラテジーリポートの中で、半導体関連株を取り巻く環境に不透明感が高まっていると指摘している。バイデン政権が日本とオランダに半導体製造装置の対中規制の強化を求めたと伝わったことやトランプ氏の台湾をめぐる発言などから、半導体関連株が大幅下落を余儀なくされた。半導体関連株は、半導体関連株を除く 「電気機器」や「機械」対比で割高感のある状況が継続していることから、引き続き警戒が必要とSMBC日興では考えている。また、11月の大統領選では政権交代の可能性が高まる中、トランプ氏が掲げる貿易政策は世界の貿易量を減らす方向に作用する可能性が高いと指摘。製造業が先行き不透明感などから設備投資などを先送りすることになれば、日本株の上昇を阻む可能性もあるとコメントしている。
日銀、追加利上げの時期模索で7月論も浮上 日経新聞
日本経済新聞が報じたところによると、日銀が追加利上げの時期を模索しているという。一部の政策委員は、日銀が7月30、31日に開く金融政策決定会合での追加利上げを支持するとみられる。一方、物価上昇を加味した実質賃金は前年比を下回った状態が続くなか、賃金や消費の動きをもう少し見極めるべきだとの意見も根強いとのこと。
株価指数先物【引け後】 4月安値の3万6700円が意識されてくる
2024/07/25 18:08
大阪9月限
日経225先物 37730 -1390 (-3.55%)
TOPIX先物 2702.5 -90.5 (-3.24%)
日経225先物(9月限)は前日比1390円安の3万7730円で取引を終了。寄り付きは3万8260円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8115円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。売り一巡後に3万8300円まで下げ渋る動きもみられたが、自律反発狙いのロングは限られ、前場中盤に節目の3万8000円を割り込んだ。
前場終盤に下げ渋りもみせたが、ランチタイムで3万7860円を付けるなど、じりじりと下値を切り下げる展開だった。後場中盤辺りまでは3万8000円処での底堅さが意識されたものの、終盤にかけてロング解消の動きが強まり、一時3万7700円まで下落幅を広げた。
ハイテク株主導での米国市場の下落に加え、円高が重荷となった。来週開催される日銀の金融政策決定会合で利上げに踏み切る可能性があるとの一部報道が伝わり、日米金利差縮小の思惑から持ち高調整の売りが優勢となった。円相場が1ドル=152円台と2カ月ぶりの円高水準で推移していることも、ヘッジ対応のショートを強めたとみられる。
主要企業の決算発表が本格化するなかでは、積極的にポジションを傾けてくる動きが限られる一方、海外ファンドとみられる持ち高調整に伴う断続的なインデックス売りに押された格好だろう。日経225先物は節目の3万8000円を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ水準まで下げてきた。値幅としては売り一巡が意識されてくるものの、来週の日米金融会合を通過するまでは押し目狙いのポジションを積み上げる動きは限られよう。
そのため、様子見姿勢の中で下へのバイアスが強まりやすく、ヘッジ対応のショートに向かわせそうだ。ボリンジャーバンドのバンドは拡大しているが、-2σを明確に下回ってくると、4月安値の3万6700円のほか、-3σと200日移動平均線が位置する3万6500円辺りが射程に入ってこよう。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下落した影響により、朝方は13.91倍に低下して始まった。ただし、円高が進むなかで輸出関連株なども売られ、その後は直近の保ち合いレンジ内での推移を継続している。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が5万1468枚、ソシエテジェネラル証券が2万8741枚、サスケハナ・ホンコンが1万0881枚、JPモルガン証券が4481枚、SBI証券が3956枚、バークレイズ証券が3236枚、野村証券が3030枚、みずほ証券が2637枚、楽天証券が2588枚、モルガンMUFG証券が2061枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万8801枚、ソシエテジェネラル証券が3万2198枚、JPモルガン証券が8523枚、サスケハナ・ホンコンが7040枚、モルガンMUFG証券が5668枚、バークレイズ証券が5168枚、ゴールドマン証券が3772枚、BNPパリバ証券が3477枚、ビーオブエー証券が3302枚、みずほ証券が2029枚だった。
NY為替見通し=株安で与党要人の修正発言には警戒、米経済指標にも注目
今週に入りドル円は、週初の高値157.61円を頭に5円60銭を超えるドル安・円高が進んでいる。この流れはバイデン現大統領が大統領選挙から撤退したことによるトランプトレードの解消と、与党要人の日銀への利上げ圧力発言などが重なったことが主な要因になっている。
市場は、下落過程でも「絶好の買い場」との論調を繰り返していた識者たちも多くいたことで、ドルロングで捕まっている市場参加者も多くいることが予想され、すぐに円安の流れに戻るのは難しいだろう。ただし、市場流動性が悪化していることもあり、調整のドルの買い戻しが数円程度入っても不思議ではない。
警戒しなくてはならないのは、日経平均が大幅続落になったことで、与党関係者の利上げ発言の修正などが出た場合か。本日を含め日経平均は7営業日続落している。本日は1285円安で引け4月26日以来3万8000円を下回った。トランプトレードの解消という国外からの株安要因もあるが、本邦の利上げ圧力による金利上昇、円高などが株安を導いた一因であるのも明らかで、与党政治家が不用意で無責任な発言を繰り返してきたことの修正発言には気を付けたい。
また、23日に日銀が6月の全国消費者物価指数(CPI)を基に算出して発表した基調的なインフレ率では、刈込平均値は2カ月連続して2%を上回ったものの、加重平均値は1.4%、最頻値は1.6%と決してインフレが高進している状況ではない。また、実質賃金のマイナスが過去最長となっているなど、諸手を挙げて日銀が利上げを推し進めるような状況では決してない。日銀が政治的圧力に屈せず、来週の日銀政策決定会合でも利上げに消極的なスタンスになる可能性も拭いされないことも念頭に置いておく必要がありそうだ。
一方で、ドル円をさらに下押しする可能性があるのは、米国の経済指標の結果が弱くなった場合だ。本日は4-6月期米国内総生産(GDP)や同期の個人消費(PCE)速報値等が発表される。1-3月期GDPは、市場予想を下回ったことで初動はドル売りとなったが、同時に発表されたコアPCEが強かったことでドル買いに転じた。本日もGDPよりもコアPCEへの反応が敏感になると思われる。昨日ダドリー前米NY連銀総裁は「今すぐにでも利下げをするべき」とのコラムを掲載するなど、市場が利下げを促す相場になっていることで、コアPCEが弱い結果になった場合の反応(米金利低下・ドル売り)の方が大きくなりそうだ。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の据え置き確率は93%台となり、先週とほぼ変わりはない。しかし、9月は25ベーシスポイント(bps)の利下げは9割弱まで低下した半面、50bpsの利下げは10%超まで上昇している。
・想定レンジ上限
ドル円は、これまでの本日高値153.97円から昨日NY時間の戻り高値154.10円が抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円は、5月3日安値151.86円。その下は、200日移動平均線151.54円。
NY株見通し-一旦反発か 決算発表はユニオン・パシフィック、ハネウェルなど
今晩は一旦反発か。昨日は決算が嫌気されたテスラ、アルファベットが大幅安となり、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトなどにも売りが波及し、ハイテク株を中心に大幅安となった。ダウ平均が504.22ドル安(-1.25%)の39853.87ドルと10営業日ぶりに40000ドルの大台を割り込み、S&P500とナスダック総合もそれぞれ2.31%安、3.64%安で終了。主要3指数がそろって大幅に2日続落した。S&P500は2022年12月以来の大幅安となり、ナスダック総合も2022年10月以来の大幅安を記録した。
今晩は一旦反発か。昨日はハイテク株を中心に大幅安となったが、テスラやアルファベットの決算発表をきっかけに割高感が強い銘柄にスピード調整が強まったとの見方もあり、昨日の大幅安を受けて押し目買いの動きも期待できそうだ。7月第2週からスタートした第2四半期決算発表は、これまでにS&P500採用の25%の銘柄が発表を終え、そのうち約8割で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。今晩もユニオン・パシフィック、ハネウェル、サウスウェスト航空、アメリカン航空などS&P500採用の43銘柄が発表予定で、引き続き決算やガイダンスに注目する展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは4-6月期GDP速報値、新規失業保険申請件数、7月耐久財受注など。企業決算は寄り前にユニオン・パシフィック、ハネウェル・インターナショナル、レイセオン・テクノロジーズ、サウスウェスト航空、アメリカン航空、引け後にデジタル・リアルティ、ベーカー・ヒューズなどが発表予定。