ロンドン為替見通し=リスクセンチメントを見極め、円キャリーの解消続くか
本日のロンドン為替市場では、相場全般のリスクセンチメントを見極めながらの取引となりそうだ。NY株式市場は大きく売られて終え、日本株も大幅安となり、それらの影響を欧州市場がどの程度まで受けるかが注目となる。また、日銀の金融正常化への思惑から円キャリートレード(低金利の円を売って外貨で運用)の解消が今週は大きく進んでいる。日銀会合の関連報道を気にかけながら、同様の動きが続くのか円相場を注視する必要もあるだろう。
経済指標は欧州前半に7月独Ifo企業景況感指数が発表予定。同指数でユーロが大きく動意付くことは少なくなったものの、レンジを広げる可能性はある。市場予想は88.9と前回を僅かに上回るとされているが、前2回連続で予想比下振れしているため楽観視はできない。昨日発表された7月独製造業PMI速報値が改善見通しに反して悪化したことも、本日のIfoがさえない見込みを高めているか。
欧州昼頃にはナーゲル独連銀総裁が講演予定。欧州中央銀行(ECB)内からは先日、9月理事会での金利引き下げに向けた地ならしとも見られる発言が伝わった。ユーロ圏のインフレ率が2%台で推移しているため、タカ派として知られるナーゲル氏も追加利下げについて強く否定はできないか。独連銀総裁がどの程度まで緩和に慎重なのかを確かめたい。
円キャリーの解消については、どの程度まで進んだかを測ることはできないものの、円高が進めば円買い戻しが進むというパターンがもう暫く続くのではないか。ただし、いくら日銀が追加利上げに踏み切ったとしても、「結局それだけの上げ幅?」となる可能性には注意したい。国債購入の減額についても、今後数年間でと期間に幅を取り、減額規模も市場参加者を驚かせる額にならないはずだ。そう考えると、円高のオーバーシュート域をそろそろ探るタイミングに来ているのかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.0903ドル
・ユーロ円、日足一目均衡表・雲の下限166.92円を超えたら90日移動平均線168.42円
想定レンジ下限
・ユーロドル、90日移動平均線1.0787ドル
・ユーロ円、5月3日安値164.02円