魔法使い「現実は無常だ」
魔法使い(落ちこぼれ初心者高齢魔術師に冒険者としての需要などあるはずもなく)
魔法使い(酒場を出て当てもなく町外れを歩いている)
魔法使い(悪の魔術師ワードナが王の護符を奪い、魔法で城下町の近くに地下迷宮を作り最深部に篭って幾年月)
魔法使い(ワードナから護符を奪還した者に褒賞を与える、という御触れに惹かれて田舎から出てきたものの)
魔法使い(元々出遅れていた上に訓練場では落第生、同期は早々と褒賞を得て王の親衛隊となり活躍)
魔法使い(迷宮の魔物が絶えないおかげで、訓練場を追い出されることなく数年かけて魔術師にはなる事が出来たが)
魔法使い「ん?なんだあれは?サムライ?行き倒れか!?」
女侍「」
魔法使い「おい!しっかりしろ!」
女侍「…う、ううぅ」
魔法使い「どうしたんだ!何かあったのか!」
女侍「ううぅ…腹…へった」ググゥ
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:49:04.64 ID:r0IShPtD― 酒場
女侍「申し訳ない。んぐ。この恩、必ず返そう」モグモグ
魔法使い「いえ、そんな、恩だなんて」
女侍「一宿一飯の恩義を忘れるなど、んぐ。拙者には出来ません!」モグモグ
魔法使い「はは、そんな大層な……ん?一宿?」
女侍「拙者、仕官を志してこちらへ来たのですが、お見受けしたところ魔法使い殿も冒険者ではありませんか?」モグモグ
魔法使い「はい、まだ駆け出しですが」
女侍「やはり、冒険者でしたか。んぐ。では是非、拙者を供に加えてくだされ。こう見えて剣の腕には自信があります」
魔法使い「それは大変嬉しい申し出ですが、今ではどの冒険者も仕官を目指すより迷宮の財宝目当てばかりで」
魔法使い「もう仕官を目指す人なんて居ないんですよ」
女騎士「ほう、面白そうな話をしているな」
魔法使い「え?」クルッ
女侍「?」モグモグ
魔法使い(ヒィィッ 誰だこのロードは!なんて眼だ!豚にも劣ると見下す冷たい眼!悪魔も射殺しそうな眼光!)ガクガク
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:50:10.21 ID:r0IShPtD女騎士「相席すまないな。私は女騎士という」
女騎士「実は私も仕官をしようと、こちらへ来たのだが。誰も話しを聞いてくれなくてな」
魔法使い「そ、そうでしたか」
女騎士「声をかける度に金を渡されたのだが、これはこちらの作法なのか?」
魔法使い「」
魔法使い「い、いえっ!そうではありません!ひとつの敬意の表れであります!」
女騎士「そうなのか。まあいい。それで、仕官のことだが」
魔法使い「はっ!先程申し上げたとおり、腕試しと財宝目当てばかりであります!」
女騎士「そうか、それは残念なことだ」
女侍「ここで袖触り合うも多少の縁。女騎士殿も我々と供に迷宮に挑んではいかがか?」
魔法使い「!?」
女騎士「それはありがたい申し出だが、魔法使い殿もよろしいのか?」
魔法使い「ハイ!よろこんで!」
くノ一「それ、あたしも混ぜてくれない?」
魔法使い(今度はニンジャが現れた。…俺、死ぬのかな)
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:51:08.09 ID:r0IShPtDくノ一「あたし、くノ一って言うの。よろしくね」
魔法使い「あの、くノ一さんはなぜ私たちに声をかけたのですか?」
くノ一「あたしは金稼ぎに来たんだけどさ、他のパーティは男臭いのばっかりじゃない」
くノ一「あんた、鈍臭そうだし、ひ弱そうだし、お人よしでいい人そうだし、何より女が多いパーティだしね」
魔法使い「…お、思うところはありますが、私の一存ではなんとも」
女侍「魔法使い殿が良いと言うなら、拙者は構わないぞ」
女騎士「私もだ。魔法使い殿に従おう」
魔法使い(サムライ、ロード、ニンジャが揃うなら多少の無理も利くかもしれない)
魔法使い(何より、この機会を逃したらワードナの迷宮に挑むなんてことは二度と出来ないかもしれない)
魔法使い「わかりました。くノ一さん、よろしくお願いします」
くノ一「ありがと。よろしくね」
魔法使い(この後パーティ補強の為、他の冒険者に声をかけたが、ことごとく断られた)
魔法使い(彼らにしてみれば旨味は無い。俺のレベルが低いせいで迷宮の浅いところしか回れないからだ)
魔法使い(多少乗り気でも、彼女らを見て皆逃げ出した。彼女達が醜い訳じゃない、むしろ逆だ)
魔法使い(だが恐ろしいのだ。隙を見せた瞬間、命を根こそぎ刈り取られそうで)
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:52:13.32 ID:r0IShPtD― 迷宮
魔法使い(結局、宿代も俺が出す羽目になった。俺は馬小屋に泊まった)
魔法使い(ボルタック商店で準備を整え、迷宮に来た訳だが)
くノ一「あんた達、何で魔法使えないのよ!」
くノ一「回復手段がポーションだけなんて、何の冗談よ!」
くノ一「せっかく稼げると思ったのに!こんな出だしで死ぬなんて嫌よ!」
魔法使い「そう言うくノ一さんだって、何でニンジャじゃないんですか!」
魔法使い「そんな格好してたら、誰だって勘違いするじゃないですか!」
女侍(戦士Lv1)「拙者の格好は変であったのか?」
女騎士(戦士Lv1)「先祖代々伝わる鎧なのだが…」
くノ一(盗賊Lv1)「…もう、いいわよ。悪かったわね」
魔法使い(魔術師Lv1)「…そうですね、一度立て直す為に戻りましょう」
――――――
―――
―
魔法使い(それからは、なんとかやっていけている)
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:53:12.50 ID:r0IShPtDくノ一「これで止めよ!」ザシュ
コボルドの群れを倒した
魔法使いはハリトを唱えた
くノ一「…」
女侍「…」
女騎士「…」
魔法使い「…すまない」
・
・
・
魔法使い(前衛にこれ以上のダメージは危険だ。今のうちにポーションで回復させないと…っ)コケッ オオット
魔法使い(しまった!前列に出てしまった!)
コボルドの攻撃 魔法使いにダメージ
女侍「!?」
女騎士「!?」
くノ一「!?」
・
・
・
くノ一「罠解除して、お宝拝見!」パカッ
おっと! 石弓の矢
魔法使い「ぐはっ」
ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!
魔法使いは 元気になりました
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:54:12.48 ID:r0IShPtDマーフィーズゴースト「君ぃ、かわぁいいねぇ~。おれっちマーフィー、よろしくねぇ!」
女侍「…」イラッ
マーフィーズゴースト「うひ~!」
マーフィーズゴーストが襲いかかってきた
マーフィーズゴースト「そこの君ぃ!おれっちと遊んでかな~い?」
女騎士「…」ギロッ
マーフィーズゴースト「ヒィィッ」
マーフィーズゴーストが襲いかかってきた
マーフィーズゴースト「おれっちマーフィー!あ、貧n―」
くノ一「…」ヒュン
マーフィーズゴースト「グヘッ」
マーフィーズゴーストが襲いかかってきた
マーフィーズゴースト「おれ…」
魔法使い「…」
マーフィーズゴースト「…チィッ」
マーフィーズゴーストが襲いかかってきた
マーフィーズゴーストを倒した
マーフィーズゴーストを倒した
マーフィーズゴーストを倒した
マーフィーズゴーストを―
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:55:07.34 ID:r0IShPtD魔法使い「そろそろ引き上げよう」
女侍「そうだな」
女騎士「あ、うさぎだ」
魔法使い「!?」
くノ一「丁度いいわね。あれ、晩御飯にしよ」
魔法使い「やめろー!」ダッ
ボーパルバニーが襲いかかってきた
ボーパルバニーは魔法使いの首をはねた
ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!
魔法使いは 元気になりました
・
・
・
Pit!
ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!
魔法使いは 元気になりました
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:56:06.44 ID:r0IShPtDくノ一「あんたは何でわざわざドアをノックして入るのよ!奇襲されたらどうすんのよ!」
魔法使い「そりゃドアに『許可無く入るな』と書いてあったから、許可をもらおうと―」
くノ一「あんた馬鹿!?」
女侍「ノックしては駄目だったのか?」
女騎士「許可は必要だろう?」
くノ一「はあ…。もう、いいわよ。あたしが馬鹿だった…お人よしばっかりなんだから」
キャータスケテー
女侍「先に行く!」ダッ
女騎士「遅れるなよ!」ダッ
くノ一「待ちなさいよ!」ダッ
魔法使い「待ってくれ」ノソノソ
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:57:09.08 ID:r0IShPtD女僧侶「あ、あの。た、助けていただいて、あ、ありがとうございました。わ、私、プリ…女僧侶と申します」ガタガタ
女侍「無事で何より」
女騎士「よかったな」
くノ一「あんた、こんなところに一人でどうしたのよ。仲間は?」
女僧侶「そ、その、襲われて、逃げる途中、はぐれてしまって」
魔法使い「災難だったな」
女僧侶「ヒィィ!?」
くノ一「あんた、相変わらず遅いわね」
魔法使い「すまないと思ってるよ」
魔法使い「女僧侶さんか仲間の誰かがカンディを唱えられるなら、すぐにでも合流できるんだが」
女僧侶「すすすすみません。わわわ私も、ななな仲間も、おおお覚えていなくて」ガタガタ
くノ一「魔法使いが驚かせるから、大変なことになってるじゃない!」
魔法使い「すまない」
女侍「一度もどるか?」
魔法使い「それがいいだろう」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:58:16.27 ID:r0IShPtD― 酒場
魔法使い「いつもすまないな、司教」
司教「いいってことよ。訓練場の落第仲間じゃないか。それに、おかげで今日も飯が食える」
魔法使い「はは。それじゃあ、またな」
くノ一「あんたにも友達居たのね」グビ
魔法使い「酷いこと言うな。俺にだって友人くらい居るぞ」
魔法使い「あいつのおかげで鑑定代が安くついてるんだ。悪く言うなよ」
くノ一「わかってるわよ。で、それ何だったの?」
魔法使い「確かに『ブルーリボン』だった。迷宮地下4階のプライベートエレベーターが使えるようになる」
女僧侶「!?」
女騎士「これでワードナに、また一歩近付いたな」
くノ一「あんた、まだ仕官する気なの?」
女騎士「するかどうかは分からんが、仕官を諦めたことなど無いぞ?」
くノ一「あっそ。ま、あたしは稼げるならいいけどね。それで、これからどうするのよ、魔法使い」グビ
魔法使い「それなんだが―」
女僧侶「あ、あの!わ私も連れて行ってください!」
魔法使い「それは構わないが、仲間を待っていなくてもいいのか?」
女僧侶「最深部に行くはずなので…そこまで行けば会えると思うんです」
女侍「まだ、名誉を求める者も居るのだな」モグモグ
魔法使い「乗りかかった船だ。明日の朝まで戻らないなら、一緒に行こうか。入違いにならないよう、酒場の主人に言伝を頼もう」
女僧侶「あ、ありがとうございます!」
魔法使い「ただ、俺たちも深部は未経験だ。危ないと思ったら、すぐ戻るからな」
女僧侶「はい!」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:59:10.19 ID:r0IShPtD― 迷宮
魔法使い「ドワーフおじさん、居るか?」コンコンコンコン
女僧侶「ここは?」
くノ一「もぐりの商店よ。品揃え悪いけど安いのよ」
ドワーフ「もぐりで悪かったな」ガチャ
魔法使い「毒消し薬と回復薬、買いに来たよ」
ドワーフ「はいよ。お?珍しいな、そっちは新入りか」
女僧侶「は、はい。よろしくお願いします!」
魔法使い「彼女が仲間と合流できるまでの護衛だよ」
ドワーフ「そうかい。まあ、お嬢ちゃんも大船に乗った気でいな。こいつら強いからよ」
くノ一「おだてても何もないわよ」
ドワーフ「はいはい、つれないねえ」
魔法使い「それじゃあ、また来るよ」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:00:06.94 ID:r0IShPtD魔法使い「さて、深部まで降りてきたが」
女僧侶「皆さん、お強いのですね…」
女侍「そんなことはないぞ」
女騎士「女僧侶殿の補助魔法のおかげだ」
くノ一「そうよ!女僧侶ちゃん!このままうちのパーティに来ない?」
魔法使い「女僧侶さんが困ってるだろ。まあ僧侶職が足りないのは認めるし、これだけ安定感が増すと、な」
女僧侶「ここが最深部への入口です。…と、仲間が言っておりました」
魔法使い「このシュートか」
女侍「ならば参ろう」ヒョイ
女騎士「続くぞ」ヒョイ
くノ一「待ちなさいよ!」ヒョイ
魔法使い「俺たちも続こう」
女僧侶「はい」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:01:07.14 ID:r0IShPtD”大魔術師ワードナの領地へようこそ”
”Contra-dextra avenue”
”PS - Trebor sux”
女騎士「トレボー王も余程嫌われていると見える」
女侍「反右側の道?」
くノ一「あんたたち、これ読めるの!?」
魔法使い「慎重に進もう。途中でキャンプしているかもしれない」
”*大魔術師ワードナの事務所*”
”営業時間9:00AM~3:00PM 在室”
くノ一「なによこれ」
魔法使い「まあ入ってみようか」コンコンコンコン
くノ一「あんた、またノックして!」
『開いておりますよ。どうぞ、お入り下さい』
くノ一「!?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:02:12.04 ID:r0IShPtDバンパイアロード「ようこそ、お越し下さいました。わたくし、ワードナ卿の執事バンパイアロードと申します」
バンパイアロード「おや、そちらはプリーステスではありませんか」
女僧侶「バンパイアロード様!ただ今戻りました!野生のドラゴンフライに襲われたところを、こちらの方たちに助けていただいて…」
バンパイアロード「そうでしたか。奥で仲間が心配しておりますよ。顔を見せてあげなさい」
女僧侶「はい!皆様、本当にありがとうございました!このご恩は忘れません」
くノ一「」
女侍「仲間も無事であったか。よかった」
女騎士「これからは気をつけるんだぞ」
魔法使い「一件落着だな。それじゃあ戻るか」
くノ一「ちょ、ちょっと待ってよ。これどういうことよ」
バンパイアロード「そうでございます。このまま御礼もせずに帰したとあっては、主の名誉にかかわります」
バンパイアロード「道中、大変だったでしょう。まずは軽食などご用意致しましょう」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:03:05.03 ID:r0IShPtDワードナ「配下の者が世話になった。礼を言う」
魔法使い「こちらこそ、無料で鑑定してもらった上にポーションまで頂いて」
ワードナ「なんの。それくらいでは礼にもならん。バンパイアロード、例の物を」
バンパイアロード「こちらに」
ワードナ「カシナートの剣と護符じゃ。この護符を渡せば、トレボーから褒賞も貰えるじゃろ」
くノ一「何この、かき混ぜ棒」
ワードナ「ほっほっほっ。その棒がカシナートの剣じゃよ。そちらのお二人が使うとよかろう」
魔法使い「よろしいのですか?護符まで」
ワードナ「よいのだ。その護符はわしが作ったものじゃ。在庫はまだまだある」
ワードナ「それに、オリジナルはトレボーがずっと昔から持っておる」
女騎士「では、あの御触れは」
ワードナ「この迷宮は奴が作ったものよ。精鋭の兵を得る為の試練場としてな」
ワードナ「今ではボルタック商店とカント寺院からの献金目当てだがの」
ワードナ「まあ、わしも配下の兵の試練場にしておるし、お互い様なのじゃがな」
女侍「そうであったか」
ワードナ「ほっほっほっ。ここまで話したのは、久方ぶりじゃ。このことは、何とぞ内密にな」
くノ一「誰にも言えないわよ。こんなこと」
ワードナ「おぬし達を見てるとリルガミンの姉弟を思い出すのお」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:04:10.31 ID:r0IShPtDバンパイアロード「女僧侶の我侭で、あの娘を供に加えてくださり、ありがとうございます」
バンパイアロード「是非また、お越し下さい」
魔法使い「そんなことはありません。こちらこそ、お世話になりました。それでは、また」
ワードナ「しばらく世話になるぞ」
女僧侶「よろしくお願いします!」
くノ一「なんで、こうなるのよ」
女騎士「まあ、よいではないか」
女侍「目的地も同じであるしな」
くノ一「…そうね。ワードナを護衛しながら町に戻るだけよね…はあ」
魔法使い「気を引き締めて行こう」
くノ一「そういや、あんた。マラーだかマロールだかでちょちょいと帰れないの?」
魔法使い「うぐっ…すまない…まだ、覚えていないんだ」
くノ一「あんた、ほんとに出来が悪いのね。知ってたけど。まあいいわ。ワードナはどうなのよ」
ワードナ「ほっほっほっ。せっかくのピクニックに、そんな魔法を使ったらつまらんじゃろ」
くノ一「はあ。はいはい、そうですね」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:05:04.06 ID:r0IShPtD― 町外れ
くノ一「事務所からエレベーターまでが一番大変だったわね」
魔法使い「ん?あれは他の冒険者のパーティ」
冒険者A「おい、あれワードナじゃねえか?」
冒険者B「げ、マジだぜ」
冒険者C「ボクたちに出会ったのが運のつきだね」
冒険者D「また、あの世に送ってやる」
冒険者E「マルゴットとアルのためにもう一度!」
女侍「!」
女騎士「親衛隊だ!」
くノ一「勘弁してよ!」
魔法使い「(あいつが居ない!なら、大丈夫だ)お二人は後ろに!」
女僧侶「補助魔法かけます!」
ワードナ「ほっほっほっ」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:06:04.10 ID:r0IShPtDくノ一「親衛隊って言うから、どんなもんかと思えば」
女僧侶「あわわ。皆さん強すぎですぅ」
ワードナ「おお、こやつらが持っておったか。早速、被らねば」カポ
女侍「ぶふっ。し、失礼いたした」
女騎士「くくっ。し、し失礼」
魔法使い「なんでハゲのカツラ被ってるんですか」
ワードナ「ほっほっほっ。一流のマジックアイテムじゃぞ」
くノ一「もう、バカやってないで行くわよ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:07:26.50 ID:r0IShPtD― カント寺院
ワードナ「ここまでの護衛、感謝する」
魔法使い「いえ」
「へえ、ワードナじゃない。あなた、まだ生きてたのね」
女侍「!」
女騎士「!」
くノ一「!」
女僧侶「!?」
魔法使い「ホークウィンド…」
ホークウィンド「あら、魔法使いちゃんも一緒なのね。ねえ魔法使いちゃん、いい加減わたしのところに来ない?」
ホークウィンド「昔は素直になれなくて、ディンクちゃんなんて言っちゃったけど。やっぱり、わたし、あなたが―」
魔法使い「すまない。俺はお前のことを好きにはなれない」
魔法使い「もし、ここでワードナ卿と戦うというのなら俺は」
ホークウィンド「もう、いいわよ。振られちゃったのね、わたし。これ以上、あなたに嫌われたくないわ」
ホークウィンド「ここは引くわね。さようなら」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:09:03.61 ID:r0IShPtD女僧侶「行ってしまいましたね。あの方、なんだったのですか?」
魔法使い「親衛隊最強のニンジャ、ホークウィンドだ」
女侍「かなりの手錬れであったな」
女僧侶「…あの方、男ですよね?」
魔法使い「…そうだ」
女騎士「只者ではないな」
女僧侶「魔法使いさんも」
魔法使い「別に種族や元男という理由で差別や区別をする気は全くないが、俺が恋愛感情をもつのは女性だけだ」
魔法使い「あいつは俺の好みではないし、友人以上になれるとは全く思わん」
くノ一「あんたも大概ね」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:10:13.72 ID:r0IShPtDワードナ「では改めて。ここまでの護衛、感謝する」
ワードナ「それから、女僧侶。息災でな」
女僧侶「はい!ありがとうございます!」
ワードナ「よい、よい。たまには帰ってきて存分に話を聞かせておくれ」
ワードナ「それでは皆も息災でな。失礼する」
魔法使い「はい。お達者で」
くノ一「それじゃ、褒賞貰いに行きましょうか」
魔法使い「いいのかな?」
くノ一「いいの、いいの。貰えるなら貰っときましょ」
女騎士「それもそうだな」
女侍「うむ」
女僧侶「あ、あの。私も一緒に行っても…」
くノ一「なに気にしてるのよ。行くわよ」
魔法使い「そうだな」
女僧侶「はい!」
――――――
―――
―
「何か忘れていないだろうか…」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:11:13.70 ID:r0IShPtD・
・
・
「称号は貰えたな」
「その代わり財産没収って、どういうことよ!」
「路銀は残ったではないか」
「狂王も嘘吐き爺も、最初から最後までグルじゃない!」
「強欲な辺境伯には困ったものだな」
「あの爺、今度会ったらただじゃおかないんだから!」
「あわわ」
「王都が見えてきたぞ」
「今度はまともなんでしょうね?」
「だといいな」
「マルグダ女王陛下…」
END
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:13:46.49 ID:r0IShPtDくぅ~疲
冒険することなく消えていった「あ」達に感謝
変な汗かいた
ウィザードリィやって寝る
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