NYマーケットダイジェスト・16日 ダウ最高値・金利低下・ドル伸び悩み
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.35円(前営業日比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.59円(△0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0899ドル(△0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:40954.48ドル(△742.76ドル)
ナスダック総合株価指数:18509.34(△36.77)
10年物米国債利回り:4.16%(▲0.07%)
WTI原油先物8月限:1バレル=80.76ドル(▲1.15ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2467.8ドル(△38.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月米小売売上高
(前月比) 0.0% 0.3%・改
(自動車を除く前月比)0.4% 0.1%・改
6月米輸入物価指数
(前月比) 0.0% ▲0.2%・改
7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
42 43
5月米企業在庫
(前月比) 0.5% 0.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下すると円買い・ドル売りが先行し、21時30分前に158.26円付近まで下げたものの、米商務省が発表した6月米小売売上高が予想を上回ったことが分かると一転買い戻しが優勢に。22時前に一時158.86円と日通し高値を付けた。
ただ、米10年債利回りが再び低下傾向を強めると徐々に上値が重くなった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測が相場の重しとなったほか、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強い」との声が聞かれ、5時前には158.32円付近まで下押しした。
・ユーロドルは小反発。米長期金利の低下とともにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0905ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0922ドルが目先レジスタンスとして働くと失速。予想を上回る米小売指標も相場の重しとなり、22時30分前には1.0872ドルと日通し安値を更新した。もっとも、米長期金利が再び低下すると1.0903ドル付近まで持ち直している。
18日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に投資家の様子見姿勢が強く、方向感が出にくい面もあったようだ。なお、市場では「まとまった規模のオプションが1.0900ドルに観測されており、小幅なレンジに収れんしやすい」との指摘もあった。
・ユーロ円は続伸。ただ、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。6月米小売売上高が予想を上回ると、米消費は底堅いとの見方から買いが先行。FRBが9月にも利下げに動くとの観測も引き続き相場の支援材料となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。6月米小売売上高が予想を上回ると売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。FRBが9月にも利下げに動くとの観測が相場を下支えした。
・原油先物相場は3日続落。昨日発表された中国の弱い4-6月期国内総生産(GDP)の結果を受けた原油安の流れが続いた。米小売売上高が強い結果になると、僅かに原油先物が買われる場面もあったが影響は限定的だった。
・
16日の主な要人発言(時間は日本時間)
16日06:04 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「金利の決定を行う前に、より多くの情報が必要」
「インフレ率を2%にするという持続可能なペースに近づいているという自信が高まっている」
「米国経済は減速している」
「インフレは低下しているが、まだそこ(政策変更)までには至っていない」
「目標達成の日は近づいている」
16日11:19 林官房長官
「為替の過度な変動は望ましくない、しっかり注視し万全の対応行う」
「為替介入について具体的に申し上げるのは控える」
17日03:47 クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「状況が好転すれば、今年後半に緩和するのが適切」
「インフレ上昇リスクと雇用下降リスクはより均衡している」
「労働市場が冷え込みすぎれば、早めに金利を引き下げるのが適切」
「金利をもう少し据え置くのが適切かもしれない」
「インフレ率は今年初めにいくつかの波があったにもかかわらず、引き続き低下傾向にある」
「労働市場の継続的な再調整は、インフレが2%の目標に向かって動き続けることを示唆している」
※時間は日本時間
17日のイベントスケジュール(時間は日本時間)
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.5%/前年比3.4%)
○15:00 ◎ 6月英CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.9%)
○15:00 ◎ 6月英CPIコア指数(予想:前年比3.5%)
○15:00 ◇ 6月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○18:00 ☆ 6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.5%)
○18:00 ☆ 6月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.9%)
○20:00 ◇ 5月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比0.7%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 5月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 6月米住宅着工件数(予想:130.0万件、前月比1.8%)
◎ 建設許可件数(予想:140.0万件、前月比0.1%)
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:15 ◎ 6月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:78.4%)
○22:35 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○18日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○18日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○インド(イスラム教新年)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
東京為替見通し=トランプトレードのドル買いと円買い介入の可能性に引き続き要警戒か
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、6月米小売売上高が予想を上回ったことで158.86円まで上昇したものの、米10年債利回りの低下で158.32円付近まで反落した。
ユーロドルは予想を上回る米小売売上高で1.0905ドルから1.0872ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプトレードによるドル買いに対して本邦通貨当局による円買い介入の可能性に引き続き警戒する展開が予想される。
トランプ前大統領銃撃事件を受けて、トランプ氏が11月の大統領選に勝利する可能性が高まったことで、減税や関税引き上げという公約が実施された場合、インフレ圧力が高まるとの見通しからトランプトレード(ドル買い・米国債売り)への警戒感が高まりつつある。
しかし、トランプ前米大統領は先ほど「トランプノミクスは低金利と関税」と述べており、米10年債利回りは4.15%台まで低下しており、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感などから、過去26日間の中心値である一目均衡表・基準線158.84円が上値を抑える展開となっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)となっており、11月と12月FOMCでも追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標4.50-75%と想定されている。
今月末に退任する神田財務官は、先週、日米金利差が縮小傾向にある中で過去1カ月間の急激な円安の進行は投機的と指摘し、輸入物価上昇により国民生活が脅かされるなら「由々しきこと」と懸念を示して、先週11日と12日に円買い介入を実施している。
ドル売り・円買い介入が実施された水準は、4月29日の第1弾が159円台、第2弾が157円台、5月2日の早朝の第3弾が157円台、7月11日の第4弾が161円台、7月12日の第5弾が159円前後だと推測される。さらに、東京市場が休場の15日にドル円が157.19円まで急落した局面でも円買い介入の可能性が噂されており、今夕公表される日銀当座預金見通しで確認することになる。
神田財務官が円買い介入に乗り出した防衛ゾーンは157円~161円にあることから、本日の158円台での円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
・4月23日時点のIMM通貨先物の投機部門の円の売り持ちポジション:179919枚
・4月29日(介入推定6兆円規模)高値160.17円~安値154.54円
※円買い介入水準は159円前後と157円前後
・5月2日未明(介入推定3.7兆円規模)高値157.99円~安値153.04円
※円買い介入水準は157円前後
・7月9日時点のIMM通貨先物の投機部門の円の売り持ちポジション:182033枚
・7月11日(介入推定3.5兆円規模)高値161.76円~安値157.44円
※円買い介入水準は161円台半ば
・7月12日(介入推定2.1兆円規模)高値159.45円~安値157.38円
※円買い介入水準は158円台前後
株価指数先物【寄り前】 週足の+2σ水準を巡る攻防に
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 41500 +260 (+0.63%)
TOPIX先物 2924.0 +19.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 41545 +305
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。6月の米小売売上高は前月比横ばいとなり、予想(0.3%減程度)を上回った。5月分も速報値から上方修正されており、米消費の底堅さが意識される形となった。早期利下げ期待も根強く、景気敏感株などに買いが広がった。また、決算発表が本格化するなか、1株利益が予想を上回ったユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が6.5%高となったほか、キャタピラー<CAT>やボーイング<BA>などが買われ、NYダウを押し上げた。
そのなかでエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の一角が下落。また、中小型株で構成されるラッセル2000指数は3%を超える上昇となり、大型株から小型株への資金シフトが継続している。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、銀行、運輸が上昇した一方で、半導体・同製造装置、メディア、ソフトウエア・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比305円高の4万1545円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円安の4万1230円で始まり、直後に付けた4万1140円を安値に切り返し、米国市場の取引開始後は4万1290円~4万1440円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れると4万1560円まで買われ、4万1500円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。ただし、米国市場では主要な株価指数が上昇したものの、エヌビディアなど半導体株の一角は弱い値動きだったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への波及効果は期待しづらい。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(4万1180円)辺りが支持線として意識される形でのリバウンドとなったが、週足の+2σ(4万1520円)水準では強弱感が対立しやすく、買い一巡後は膠着感が強まる可能性がある。NYダウが連日で史上最高値を更新するなか、米国への資金シフトも意識されるため、東京市場では利益確定の売りが入りやすくなる展開も想定しておきたいところだ。
まずは、週足の+2σを明確に上放れてくるかを見極めたい。オプション権利行使価格の4万1250円から4万1500円のレンジを想定しつつ、週足の+2σを上回って推移するようだと、4万1500円から4万2000円のレンジに移行する展開もありそうだ。
16日のVIX指数は13.19(前日は13.12)に上昇した。一時13.47まで上昇しており、13.74辺りで推移する75日移動平均線が意識されてきた。依然としてボトム圏での推移ではあるが、米半導体株の一角に利益確定の売りがみられるほか、大型株から小型株への資金シフトが続くなか、いったんは75日線のほか、200日線(14.13)辺りを捉えてくる可能性はあるだろう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍(前日は14.21倍)に低下した。一時14.16倍まで下げており、25日、75日、200日線が集中する水準まで調整した。NTショートを巻き戻すタイミングになりそうだが、米半導体株の一角が弱い値動きをみせるなかで14.15倍辺りを明確に下回ってくると、NTショートに振れやすくなりそうだ。
中国のリフレーションを期待するにはまだ早い=SMBC日興
SMBC日興証券では中国に関するリポートの中で、比較的健全に見える失業率や所得データは家計の不安を完全には反映しておらず、第2四半期の小売環境は前四半期よりも悪化したように見えるとコメント。広範にわたる経済の再加速が実現しなければ、中国では数億人の中間所得層への移動が想定以上に時間がかかり、意欲的な消費が抑制される可能性があると指摘している。SMBC日興では、小売売上高の増加ペースはコロナ禍の半分にとどまるとみており、投資家がリフレーションに期待するのは時期尚早と考えている。
日銀、国債買い入れオペを通知 3本とも通知額は据え置き
日銀が国債買い入れオペを通知し、通知額は3本とも据え置かれた。
株価指数先物【昼】 米半導体株の弱い流れを引き継ぐ
日経225先物は11時30分時点、前日比70円高の4万1310円(+0.16%)前後で推移。寄り付きは4万1590円と、シカゴ日経平均先物の清算値(4万1545円)を上回り、買いが先行して始まった。ただし、寄り付きを高値に軟化し、中盤にかけて4万1300円辺りまで上げ幅を縮めた。売り一巡後に4万1470円まで買われる場面もみられたが、終盤にかけて利益確定に伴うロング解消の動きのなか、4万1290円~4万1360円辺りでの推移となった。
日経225先物は買い先行で始まったが、週足のボリンジャーバンドの+2σ(4万1460円)水準をキープできず、持ち高調整の動きに向かわせたようだ。米半導体株の弱い流れを引き継ぐ形となり、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]の下げが日経平均株価の重荷となった。相対的にTOPIX優位の展開となったほか、東証グロース250指数の上昇率は2%を超えており、大型株から中小型株への資金シフトが意識された。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。一時14.13倍まで下げる場面もみられており、25日、75日、200日移動平均線が集中している水準を割り込んできている。ローテーションが本格化するとの見方から、NTショートに振れやすい需給状況に向かいそうである。
【よろずのつぶやき by Wada】自由変動為替レート
昨日のドル円は、東京市場が休場となった週明けのNY市場を最後に、極めて理解困難な不可解な環境でのkanderventionが終わったこともあってか、説明のつかない値動きは皆無。6月米小売売上高が予想を上回る強い数字となると買いで反応。一時158.86円まで値を上げる場面もみられましたが、一目基準線が位置する158.83円付近が戻りの目処として意識されたほか、4.2138%まで上昇した米10年債利回りが4.1537%まで低下するにつれて引けにかけては158.32円まで下押ししてNY市場を終えることになりました。アジア時間に入ってからは、本邦実需の買いが断続的に観測されると158.61円まで買戻されたものの、その後は戻り売りに押されているといったところです。
ところで、昨日は、18時に公表された日銀当座預金残高予想の数字を受けて、12日にも約2兆円の介入が実施されていたことが判明したわけですが、11日の3兆円とあわせて約5兆円の介入がNY市場で行われたことになりました。市場では、「3営業日が1回の介入」との認識であるほか、神田財務官のNHKでの密着取材の特番も無事放送されたこともあってか、もはや不可解な値動きは起きないだろうとの判断があったからこそ、昨日のドル円は、通常通りの、自由変動為替相場制度(free floating exchange rate system)の下での動きに終始しました。
介入でよく話題となるのは、「1回の介入は3営業日内で、6カ月以内で3回まで」とのIMFが定める定義ですが、実は、これは決まり事というわけではなく、IMFが為替レートが自由変動(free float)であることの条件となっているんですね。
もう少し詳しく述べると、「変動為替レートは、自由変動レートと変動レートに分類され、自由変動レートとは、極めて例外的にそして無秩序な市場環境をならすために行われた介入が3営業日を1回とし、6カ月以内にせいぜい3回までにとどまっており、当局がその情報や実施日などを提供してきている場合」としています。「IMFが要求した情報が得られない場合は、自由変動レートではなく、変動レートに分類される」とのこと。日本円が自由変動為替レートであり続ける最低条件でもあります。
いずれにしても、来月からのドル円は、市場の需給関係やファンダメンタルズに沿った秩序立った自由変動為替レートとしての値動きとなっていきそうです。
ロンドン為替見通し=ユーロドル、明日のECB理事会控えて1.0900ドルのオプションが値動き抑制か
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、本日の大口のNYカットオプション1.0900ドル付近での値動きに終始する展開が予想される。
明日のECB理事会では、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が前年比+2.5%、コア指数が同比+2.9%だったことで、政策金利の据え置きが見込まれている。
本日は、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の改定値が発表されるものの、通常、速報値とほぼ同じであることで、据え置き見通しには変更はないと思われる。
ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きには不透明感が高まっていることや欧州委員会が、フランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。
フランス国民議会(下院)総選挙でマクロン大統領率いる中道与党連合が敗北したことを受け、アタル首相率いる内閣が昨日総辞職した。アタル氏は新内閣が発足するまで暫定内閣を率い、26日に開幕するパリ五輪の円滑な運営などに当たる、と報じられている。
ポンドドルは、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)の利下げ開始時期を見極める意味で、6月英消費者物価指数(CPI)に注目しておきたい。6月英CPIは前月比+0.1%/前年比+1.9%と予想されており、5月の前月比+0.3%/前年比+2.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。予想通りに英中銀目標の2.0%を下回った場合、8月1日のMPCでの利下げ開始の可能性が高まることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:173.45円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3045ドル(2023/7/19高値)
・ポンド円:205.99円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0862ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:171.48円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2875ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:203.52円(日足一目均衡表・基準線)
東京マーケットダイジェスト・17日 円高・株まちまち
(17日15時時点)
ドル円:1ドル=157.89円(前営業日NY終値比▲0.46円)
ユーロ円:1ユーロ=172.16円(▲0.43円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0904ドル(△0.0005ドル)
日経平均株価:41097.69円(前営業日比▲177.39円)
東証株価指数(TOPIX):2915.21(△10.71)
債券先物9月物:143.22円(▲0.16円)
新発10年物国債利回り:1.030%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.14900%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均株価や米10年債利回りの上昇などを手掛かりにした買いが先行し、一時158.61円まで値を上げた。ただ、その後は日経平均がマイナス圏まで反落したほか、米金利の上昇一服、本邦長期金利の上昇などを受けて上値を切り下げる展開となり、157.71円まで失速した。
・ユーロ円も上値が重い。10時過ぎに172.83円まで上昇するも、一巡後はドル円と同様に株安などが重しとなって171.98円まで反落した。
・ユーロドルは小高い。1.0900ドルを挟んだ狭いレンジ内推移ながら、底堅く推移した。
・日経平均株価は反落。前日の米国株式相場が堅調推移となったことを受けて小高く始まったものの、買い一巡後は伸び悩んだ。「米国が対中半導体規制でさらなる厳しいルールを検討していることを同盟国に警告」との報道が伝わると、半導体関連株が軒並み安となり、指数の重しに。一時220円超安まで下押す場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買い先行となり、一時は143円57銭まで値を上げた。もっとも、その後は伸び悩む展開となり、取引時間の終盤には下げに転じた。河野デジタル相が日銀に利上げを要求したなどの報道も伝わっている。
株価指数先物【引け後】 海外勢の持ち高調整が加速する可能性
大阪9月限
日経225先物 41080 -160 (-0.38%)
TOPIX先物 2916.0 +11.0 (+0.37%)
日経225先物(9月限)は前日比160円安の4万1080円で取引を終了した。寄り付きは4万1590円と、シカゴ日経平均先物の清算値(4万1545円)を上回り、買いが先行。寄り付きを高値に軟化し、前場中盤に4万1300円処まで上げ幅を縮めた。売り一巡後は4万1470円まで買われる場面もあったが、前場終盤にかけてロング解消の動きとなり、4万1290円~4万1420円辺りで推移。後場の取引開始直後には一気に4万1100円水準にレンジを切り下げ、その後は4万1060円~4万1220円処で推移し、安値圏で取引を終えた。
日経225先物は買い先行で始まったが、週足のボリンジャーバンドの+2σ(4万1460円)水準をキープできず、持ち高調整の動きが優勢となった。米半導体株の弱い流れを引き継ぎ、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]が下げ、日経平均株価の重荷となった。特にバイデン米政権の対中半導体規制強化に関する報道が伝わると東エレクは一段安となり、1社で日経平均株価を約263円押し下げる形となった。
東証プライムの7割超の銘柄は上昇しており、半導体株の一角が急落した影響が全体に広がらなかったことは安心感につながる。ただし、対中規制強化の影響が警戒され、グローベックスの主要な株価指数がマイナス圏で推移するなか、相対的にナスダック100先物の弱さが目立っている。
また、日経225先物はナイトセッションで売りが先行しており、4万1000円を割り込んでいるほか、為替市場ではトランプ前大統領によるドル高是正発言が伝わったことで、ドル・円が1ドル=156円台と円高に振れており、海外勢によるポジション圧縮の動きが警戒されてきそうだ。日中取引ではボリンジャーバンドの+1σ水準で踏ん張りをみせていたが、ナイトセッションで明確に割り込んでいる。週足の+2σを巡る攻防から下へのバイアスが強まる形となり、目先的には週足の+1σが位置する4万0170円辺りが意識されそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.08倍に低下した。前場の時点で一時14.13倍まで下げており、25日、75日、200日移動平均線が集中する水準を割り込んでいた。東エレクが後場一段安となった影響が大きく、一時14.07倍まで下げた。ローテーションが本格化するとの見方からNTショートに振れやすい需給状況となりそうだが、海外勢の持ち高調整が加速するようだと、TOPIX型にも影響を与えることになるだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万1049枚、ソシエテジェネラル証券が1万6819枚、サスケハナ・ホンコンが6314枚、JPモルガン証券が2935枚、バークレイズ証券が2307枚、楽天証券が2031枚、SBI証券が1538枚、ゴールドマン証券が1269枚、松井証券が1127枚、モルガンMUFG証券が1093枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2813枚、ソシエテジェネラル証券が1万8879枚、バークレイズ証券が4037枚、サスケハナ・ホンコンが3700枚、JPモルガン証券が3226枚、モルガンMUFG証券が2962枚、ゴールドマン証券が2772枚、BNPパリバ証券が2225枚、シティグループ証券が1963枚、ビーオブエー証券が1357枚だった。
NY為替見通し=リスク回避の動きの落ち着きどころを探る展開か
本日のニューヨーク為替市場では、東京昼過ぎから強まったリスク回避の動きがどの程度で落ち着くかを探る展開か。欧州勢の本格参入後から強まった円買いで、執筆時点ではドル円は約1カ月ぶりの156円前半まで、ユーロ円も170円後半まで円高が進行した。
円買い進行のきっかけは、一部通信社が「米国が対中半導体規制でさらなる厳しいルールを検討していることを同盟国に警告」と報じたこと。日本の半導体企業も規制の対象に含まれていたため日経平均は下落に転じ、現物引け後も日経先物は下げ足を速めた。
報道された記事では対中・規制強化は「検討」としているものの、バイデン現政権が中国関連で手綱を緩めることはなさそうだ。というのも、11月大統領選で優勢な共和党候補のトランプ前大統領が、対中強硬姿勢を選挙公約の目玉の1つとしているからだ。銃撃事件の後にトランプ氏の強さが目立っているだけに、バイデン大統領としても弱腰なスタンスは取れないだろう。
しかしながら、中国を締め付ける=米企業に利益という訳ではない。これまでの対中規制では米半導体企業の売上減に繋がっているとされ、今後は更なるダメージへの懸念も高まるだろう。時間外のナスダック100先物の反応は、1%超安と売り優勢となっている。
なお、本日の米経済指標は6月の住宅着工件数や鉱工業生産指数などが予定されているが、通常は相場へのインパクトは弱いデータ。それよりも、バーキン米リッチモンド連銀総裁やウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演、米20年債入札結果を受けた米長期金利の動向には注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円、日本時間15時過ぎの戻り高値158.09円
想定レンジ下限
・ドル円、6月7日安値155.12円
NY株見通しー小型株を中心に引き続き堅調か
今晩は引き続き堅調か。
昨日は利下げ期待が高まる中、6月小売売上高が予想を上回る強い結果となったことで米国経済のソフトランディング期待が高まり、小型株や景気敏感株が軒並み上昇した。好決算を発表したユナイテッドヘルスやバンク・オブ・アメリカが大幅高となったことも追い風となった。
小型株指数のラッセル2000が3.50%高と大幅に5日続伸したほか、ダウ平均も742.76ドル高(+1.85%)と大幅に5日続伸し、3日連続で取引時間中の史上最高値を更新。終値でも前日に続いて最高値を更新した。S&P500もS&P500も0.64%高と3日続伸し、取引時間中と終値の最高値を更新したが、ナスダック総合は0.20%高と比較的小幅な上昇にとどまった。
今晩の取引では利下げ期待やソフトランディング期待を背景に、小型株を中心に引き続き堅調な展開か。昨日はエヌビディア、アルファベット、メタ・プラットフォームズなどが1%超下落したものの、S&P500は446銘柄が上昇し、下落は56銘柄にとどまった。物色の流れが一握りのハイテク・ジャイアントからその他の銘柄に拡大しており、物色対象の広がりが引き続き相場の追い風となることが期待される。
今晩の米経済指標・イベントは6月住宅着工件数、6月鉱工業生産、米20年債入札、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。このほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演も予定されている。
企業決算は寄り前に シンクロニー・ファイナンシャル、ラス・ベガス・サンズ、ジョンソン&ジョンソン、プロロジス、USバンコープ、引け後にユナイテッド・エアラインズ、クラウン・キャッスルなどが発表予定。
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