ロンドン為替見通し=ユーロドル、明日のECB理事会控えて1.0900ドルのオプションが値動き抑制か
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、本日の大口のNYカットオプション1.0900ドル付近での値動きに終始する展開が予想される。
明日のECB理事会では、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が前年比+2.5%、コア指数が同比+2.9%だったことで、政策金利の据え置きが見込まれている。
本日は、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の改定値が発表されるものの、通常、速報値とほぼ同じであることで、据え置き見通しには変更はないと思われる。
ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きには不透明感が高まっていることや欧州委員会が、フランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。
フランス国民議会(下院)総選挙でマクロン大統領率いる中道与党連合が敗北したことを受け、アタル首相率いる内閣が昨日総辞職した。アタル氏は新内閣が発足するまで暫定内閣を率い、26日に開幕するパリ五輪の円滑な運営などに当たる、と報じられている。
ポンドドルは、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)の利下げ開始時期を見極める意味で、6月英消費者物価指数(CPI)に注目しておきたい。6月英CPIは前月比+0.1%/前年比+1.9%と予想されており、5月の前月比+0.3%/前年比+2.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。予想通りに英中銀目標の2.0%を下回った場合、8月1日のMPCでの利下げ開始の可能性が高まることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:173.45円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3045ドル(2023/7/19高値)
・ポンド円:205.99円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0862ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:171.48円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2875ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:203.52円(日足一目均衡表・基準線)