株価指数先物 【週間展望】 ―日米金融政策と米ハイテク決算に注目
今週の日経225先物は、日米金融政策の行方と米主要ハイテク企業の決算内容を見極める展開になりそうだ。足もとの日経225先物は1200円安となった7月12日以降、株安に歯止めがかからず、25日には1390円安と大きく売られた。支持線として期待された75日移動平均線を割り込み、週末には一時3万7330円と5月末以来の水準まで下落した。ボリンジャーバンドの-2σを下回る水準まで調整し、売られ過ぎ感が台頭する一方で、-3σと200日線が位置する3万6000円処が意識されやすい。
26日の米国市場では、主要な株価指数が上昇した。米当局がインフレ指標として注目する6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.2%上昇と小幅な伸びで、予想に一致した。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を据え置くとの見方が大勢だか、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。
26日取引終了後の日経225先物ナイトセッションは、日中比510円高の3万8200円で終え、-2σを上回っている。週足の-1σを上回ってきており、3万8000円処での底堅さを見極める流れとなり、レンジとしては週足の-2σが位置する3万7000円から75日線、13週線水準の3万9000円によるレンジが意識されやすい。26日の米国市場が上昇したことで、まずは3万9000円辺りの戻りを試す展開になりそうだ。
先週は政治家による円安是正発言が相次ぐなか、日銀金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの観測が高まり、一時1ドル=152円台と円高が進行した。日米金利差の縮小に伴う持ち高調整が勢いを増し、下へのバイアスが強まる形となった。日銀会合では足もとの株安を受けて政策金利を据え置くと考えられる。日米ともに政策金利は据え置くとみられ、リバランスの動きが期待されやすい。
ただし、急ピッチの下落によって、センチメントは悪化している。これまで相場を牽引していたハイテク株の底入れを見極める必要もあり、積極的なリバウンド狙いのロングは手控えられよう。そのため、3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいほか、同水準を捉えられないと自律反発の域は脱せないだろう。
日米金融イベント前には買い戻しが入りやすいことに加え、月末のリバランス期待もあり、押し目狙いのロング対応としつつも、3万9000円に接近する局面ではニュートラルになりそうだ。また、週足では先週の下げによって4月半ばの急落局面以降、支持線として機能していた-1σを割り込んだ。ナイトセッションで同水準を回復しているものの、3万8000円を下回ってくると、持ち高調整が強まる可能性も意識しておきたい。
今週は米国で、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、インテル<INTC>、ラムリサーチ<LRCX>、クアルコム<QCOM>などハイテク企業の決算発表が予定されている。日米金融イベント待ちで積極的に動きにくいところだが、米ハイテク企業の決算が評価されるようだと、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株を見直す動きが強まる可能性もある。その場合はややロングが強まることになろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に低下した。11日の14.47倍を直近高値に、ハイテク株の売りに対してバリュー株買いのローテーションが強まるなか、18日に14.00倍を下回った。その後は日米金利差縮小に伴う持ち高調整が強まり、TOPIX型のインデックス売りも断続的に入ったため、足もとでは13.90倍~14.00倍辺りでの推移となった。今週も同水準での推移が続くとみられるが、米ハイテク企業の決算次第ではトレンドが出てくる展開も意識しておきたい。
26日のVIX指数は16.39(前日は18.46)に低下した。米大型テック株の決算が嫌気されるなか、足もとで上へのトレンドを強めており、25日には一時19.36まで上昇する場面もみられた。FOMCを受けて低下をみせてくる可能性はあるが、方向性としては4月19日に付けた高値21.36辺りが意識されやすい。20.00を上回ってくる局面があるようだと、慎重姿勢に向かいやすいだろう。
7月第3週(7月16日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの売り越しであり、売り越し額は8110億円(7月第2週は9786億円の買い越し)だった。なお、現物は2459億円の売り越し(同1288億円の買い越し)と4週ぶりの売り越しであり、先物は5650億円の売り越し(同8497億円の買い越し)と4週ぶりに売り越した。個人は現物と先物の合算で3864億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で410億円の買い越しとなり、9週ぶりの買い越しだった。
経済スケジュールでは、30日に6月完全失業率、米国5月S&Pケースシラー住宅価格、米国7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国6月JOLTS求人件数、31日に6月鉱工業生産、日銀金融政策決定会合(終了後に政策金利を発表)、植田日銀総裁記者会見、中国7月製造業PMI、米国7月ADP雇用統計、FOMC(終了後に政策金利を発表)、8月1日に中国7月財新製造業PMI、イングランド銀行(BOE)政策金利、米国7月ISM製造業景気指数、2日に米国7月雇用統計、米国6月製造業新規受注などが予定されている。
29日のイベントスケジュール(時間は日本時間)
<国内>
特になし
<海外>
○17:30 ◇ 6月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30 ◇ 6月英マネーサプライM4
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
東京為替見通し=ドル円、30-31日の日・米金融政策決定会合控え動きづらい展開か
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.26%台まで上昇したこともあり154.74円まで上昇した後、予想通りの6月米PCEデフレーターを受けて10年債利回りが4.18%台まで低下したことで153.15円まで反落した。ユーロ円は168.01円から166.36円まで下落したが、その後は167円台を回復した。ユーロドルは日本時間夕刻の安値1.0842ドルから1.0868ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、30-31日の日・米金融政策決定会合を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円は、日銀金融政策決定会合での追加利上げへの警戒感から、円売り持ちポジションの手仕舞いが進んでおり、7月3日の1986年12月以来の高値161.95円から昨日は151.94円まで10.01円の下落幅を記録した。
ドル円の151円台での支持線は、2023年11月13日の高値151.91円、今年5月2日未明の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の後に付けた5月3日の安値151.86円、そして200日MAが位置する151.59円付近となる。
日銀金融政策決定会合で、国債買い入れの減額計画が3兆円程度となり、0.15%程度の追加利上げが決定された場合、ドル円は150円割れが想定される。
逆に、追加利上げが見送られた場合、国債買い入れの減額計画の幅(3兆円~5兆円)次第だが155円方向への上昇が見込まれるものの、8月1日午前3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて、上値は限定的だと思われる。
利上げが見送られるという見通しの背景には、実質賃金の伸びが5月まで26カ月連続で前年比マイナスとなっていること、1-3月期実質国内総生産(GDP)がマイナス圏に沈んでおり、デフレギャップが解消されていないこと、などが挙げられる。
しかし、政治的圧力が、日銀の利上げへの警戒感を高めている。
7月17日、河野デジタル相は、円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために「日銀は政策金利を引き上げる必要がある」と発言した。ドル円は155.38円まで下落したが、「日銀に対して利上げを直接求めているわけではない。金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけだ」との釈明を受けて157円台に戻した。
7月19日、岸田首相は「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする。日銀とも経済の大局観を共有しつつ、緊密に連携していく」と述べ、金融政策正常化を要請した、
7月22日、茂木自民党幹事長は、日銀について「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語り、過度な円安の是正へ分かりやすい情報発信を求め、さらに「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」と述べたことで、円高要因になった。
株価指数先物【寄り前】 買い一巡後は3万8000円辺りでの底固め
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38200 +510 (+1.35%)
TOPIX先物 2731.5 +31.0 (+1.14%)
シカゴ日経平均先物 38235 +545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米当局者がインフレ指標として注目する6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.2%上昇と小幅な伸びとなり、予想に一致した。前年同月比では2.6%上昇と前月と同じで、およそ3年ぶりの低い水準が続いている。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くとの予想が大勢だか、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。
決算が評価された3M<MMM>が22%超上昇したほか、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>などが買われ、NYダウを押し上げた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、保険、資本財、不動産、素材が上昇した一方で、電気通信サービス、自動車・同部品の2セクターが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比545円高の3万8235円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比120円高の3万7810円で始まり、直後に付けた3万7780円を安値にリバウンド基調を強め、ほどなくして3万8000円を回復した。米国市場の取引開始後は3万7930円~3万8200円辺りで推移し、中盤にかけて3万8260円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万8040円まで軟化したものの、終盤にロング優勢となり、3万8200円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い優勢で始まりそうだ。米国ではPCEの結果を受けて利下げ観測が高まり、景気敏感株のほか足もとで調整が目立っていたハイテク株の買い戻しがみられた。エヌビディア<NVDA>も小幅ながら4日ぶりに反発しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりうそうだ。
また、日経225先物は26日の日中取引で3万7600円まで売られ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7670円)を下回った。売られ過ぎが意識されてくるなか、ナイトセッションでは+2σを上回って推移し、週足では-1σ(3万8030円)を回復した。4月半ばの急落以降、週足の-1σが支持線として意識されていたこともあり、3万8000円辺りでの底固めの動きになりそうだ。
足もとでの大幅な下落によってセンチメントは悪化しいる。日米金融政策の行方を見極めたいほか、本格化する決算発表のなかでは、積極的にポジションを積み増す動きは限られるとみられる。買い一巡後は戻り待ち狙いのショートも意識されやすく、3万8000円をボトムとした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
オプション権利行使価格の3万8250円を中心とした上下の権利行使価格、3万8000円から3万8500円辺りのレンジを想定する。3万8500円を捉えてくる局面ではショートカバー狙いの動きもありそうだが、-1σが位置する3万8830円辺りで強弱感が対立しやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に低下した。足もとでは13.90倍~14.00倍辺りで推移しているが、今週も同水準での保ち合いになりそうだ。本日は米ハイテク株が買われた流れを受けてNT倍率は上昇する可能性はあるものの、明確なトレンドは期待しづらいだろう。
26日のVIX指数は16.39(前日は18.46)に低下した。足もとで上へのトレンドを強めており、25日には一時19.36まで上昇す
る場面もみられたが、この日はPCEの結果を受けて低下した形である。ただし、方向性としては4月19日に付けた高値21.36辺りが意識されやすく、20.00を上回ってくる局面があるようだと、やや慎重姿勢に傾く可能性がありそうだ。
株価指数先物【昼】 -1σ接近でショートの動きや円高が重荷に
日経225先物は11時30分時点、前日比700円高の3万8390円(+1.85%)前後で推移。寄り付きは3万8350円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8235円)を上回り、ギャップアップから始まった。現物の寄り付き時に3万8220円まで上げ幅を縮めたが、その後はロング優勢の動きが強まり、中盤にかけて3万8710円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し、終盤にかけては寄り付き水準まで上げ幅を縮めている。
米国では6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数の結果を受けて、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。景気敏感株のほか、足もとで調整をみせていたハイテク株が買われた流れを引き継ぐ形から、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を牽引した。日経225先物は中盤にかけて上げ幅を広げたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8880円)に接近してきたことで、戻り待ち狙いのショートも入りやすいところであろう。また、為替市場では円相場が1ドル=153円前半と、再び円高に振れてきたことから、ロング解消の動きも入ったと考えられる。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍に上昇した。13.98倍で始まり、一時14.03倍を付けたが、その後は先週末の終値水準での推移となった。引き続き直近の保ち合いレンジ内での推移であり、スプレッド狙いの動きはみられていない。
【相場の細道】因縁の二人:イエレン米財務長官とトランプ前米大統領
1.(2017年)トランプ第45代米大統領とイエレン第15代FRB議長
1946年6月14日、トランプ第45代米大統領は、米国ニューヨーク州クイーンズ地区で誕生した。13歳の時、素行不良でニューヨーク・ミリタリー・アカデミー(陸軍幼年学校)に転校させられ、ペンシルバニア大学で経営学士号を取得し、父親が経営していた不動産会社エリザベス・トランプ・アンド・サンに入社した。
2017年、第45代米国大統領に就任した。
1946年8月13日、イエレン第15代FRB議長は、米国ニューヨーク州ブルックリン地区で誕生した。ブルックリンのフォート・ハミルトン高校を首席で卒業し、ブラウン大学経済学部を卒業、ハーバード大学経済学部の助教授となった。ノーベル経済学賞者のトービン・エール大学教授の秘蔵っ子として、中央銀行は失業率の低下に貢献できる、という信念を引き継いだ。
2004年にサンフランシスコ連銀総裁、2014年、初の女性議長として第15代FRB議長に就任した。
2017年1月、1946年にニューヨーク州の隣接した地域で誕生した二人は、70歳でホワイトハウスで相見えることになる。
3月、イエレンFRB議長は、トランプ米大統領の要請を無視して追加利上げを継続した。
2. (2024年)トランプ前大統領とイエレン米財務長官
4月23日、トランプ前大統領は、「ドル高は大惨事(disaster)」と批判した。そして、円安・ドル高の進行により米企業がビジネスを失い、外国での工場建設を余儀なくされると指摘し、こうした為替相場はバイデン大統領が事態を放置している証拠であり、日本や中国などの国々は今や米国をばらばらにする、と批判した。
7月16日、トランプ氏は、「ドル高は大問題(big currency problem)」と述べた。
足元の外国為替相場に関し「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」と指摘して、米国の輸出企業にとって「すさまじい負担だ」との懸念を示した。その上で、米国製自動車の輸入が進まず、対米貿易黒字を抱える日本に対し「不作法だ」と不満を漏らした。
7月25日、イエレン米財務長官はトランプ前大統領の強いドル批判について問われ、主要7カ国(G7)中央銀行・財務相会合のコミットメントを引き合いに「為替レートは市場で決定されるべき」だとの見解を示した。
「米国では数年前から、金融引き締め政策が敷かれており、金利が他国より高い水準にある。そのために資金が流入し、ドルが強くなる。強い経済とインフレ抑制政策のためにこうした状況は当然予想されるものだ。システムはこのように機能するべきものだ」と述べた。
米国も一員であるG7は市場で決定される為替レートにコミットしており、介入は不自然なボラティリティーが起きた例外的な状況においてのみ、パートナー国との協議の上で、まれに行われるべきだ、と指摘した。
イエレン米財務長官は、仇敵のトランプ前大統領と本邦通貨当局を批判している。
ロンドン為替見通し=スポ末に絡んだフローで上下させられる展開か
本日のロンドン為替市場では、重要な経済指標や要人講演も予定されておらず、スポット応答日が月末ということに絡んだ実需フローで上下させられることになりそうだ。今週は31日の日米・金融政策公表が最も重要視されており、特に「日銀の金融正常化」に関連した報道には気を付けておきたい。なお、週明け日本株は買いが一気に強まったものの、欧州株は先週末に既に上昇していたため、株高に伴うリスク選好の動きはそれほど期待できないか。
ロンドン時間の月末フローで目立つことが多い通貨ペアの1つは、ユーロポンドだろう。このところの値動きを振り返ると、今月半ばに約2年ぶりの安値圏となる0.8380ポンド台まで下落した後は下げ渋り、先週末にかけて0.84ポンド半ばまで反発した。今週は8月1日(木)に英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を発表することもあり、いつも以上に値幅を伴った動きとなるかもしれない。
英MPCについては、一部通信社による直近のエコノミスト調査では0.25%の利下げ予想が優勢。ただし短期金融市場での引き下げ織り込み度は6割にも達していない。6月英消費者物価指数(CPI)でサービス価格指数が高止まりしていたことが、依然としてインフレ警戒感に繋がっているというのが据え置き主張の見方だ。いずれにせよ、MPCメンバーによる投票は僅差になる可能性は高い。
欧州の地政学リスクの高まりも念頭に入れてはおきたい。ロシアのプーチン大統領は同国海軍記念日にあたる昨日、「米国が長距離ミサイル配備をドイツで実行した場合、ロシアも欧米諸国が射程圏内に入るミサイルを配備する」と警告した。プーチン大統領の発言は、露海軍だけでなく中国やアルジェリア、またインド海軍兵士も参加した式典の演説で出されたものであり、本気度を示しているとも言える。
また、実現の可能性は低いとされているが、エルドアン・トルコ大統領が28日に発したイスラエルへの介入警告もやや気になるところ。同大統領は2020年に国家分裂状態のリビアに軍事介入したことを例に出し、「イスラエルにも同じことをするだろう」と述べた。自身の支持層でもあるイスラム保守派に寄り添う姿勢を見せるための発言ではあるが、地域情勢の更なる不安定化に繋がってしまうかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロポンド、1日高値0.8499ポンド
・ユーロ円、26日高値168.01円
想定レンジ下限
・ユーロポンド、17日安値0.8383ポンド
・ユーロ円、ピボット・サポート2の165.45円
東京マーケットダイジェスト・29日 円下値堅い・株高
(29日15時時点)
ドル円:1ドル=153.62円(前営業日NY終値比▲0.14円)
ユーロ円:1ユーロ=166.80円(▲0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0860ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:38468.63円(前営業日比△801.22円)
東証株価指数(TOPIX):2759.67(△60.13)
債券先物9月物:143.10円(△0.28円)
新発10年物国債利回り:1.025%(▲0.030%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.15600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均先物が上昇して始まったことを背景に早朝から買いが強まり、一時154.35円まで値を上げた。ただ、時間外の米10年債利回りが低下したうえ、本邦輸出企業から東京仲値前にまとまった売りが持ち込まれると失速。先週末安値の153.15円を下抜けて153.02円まで売り込まれた。ただ、153円台をキープすると153円台半ばまで下げ渋るなど、一段安の展開にもならなかった。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円につれる動きとなり、株高を好感して167.52円まで買いが先行するものの、その後は166.33円まで一転下落した。
・ユーロドルはもみ合い。米長期金利の低下を支えに先週末高値の1.0868ドルを上抜けて1.0870ドルまで上げたが、上値は限られた。東京市場では値幅が19pips程度と狭かった。
・日経平均株価は9営業日ぶりに反発。先週末の米国株が堅調に推移した流れを引き継いで週明けから買いが先行。先週末まで8日続落し、3600円ほど下落していた反動もあり、自律反発的な買いも見られた。
・債券先物相場は続伸。先週末に米インフレの鈍化基調を確認し、週明けも低下幅を広げた米長期金利の動きに追随した。一時143.22円まで上値を伸ばす場面があった。
日経平均は7月が今年の高値になった可能性=みずほ
みずほ証券のテクニカルリポートでは、日経平均が先週、7月11日に形成した史上最高値42224.02円(終値ベース)からの下落率が10%を超えたことを指摘している。過去のケースからは、10%超下落した場合には高値を更新するのに相当の時間がかかっているとのこと。みずほでは、7月11日が今年の高値になった可能性が高いとコメント。この先も値幅を伴い上下することが予想されるとしており、9月、10月は史上最高値から15%から20%超下落する可能性が高いと考えている。
原油在庫は当面低位水準へ=SMBC日興
SMBC日興証券では、2023年春以降、OPECプラスによる減産を背景に、世界全体の原油供給が伸び悩んでいると指摘。2024年には経済減速で需要の伸びが鈍化するものの、米国による増産ペース鈍化やOPECプラスによる減産継続で世界全体の供給が抑えられ、原油在庫が27億バレルまで縮小する見通しとのこと。2025年には、サウジアラビアなどの自主減産縮小によって世界全体の供給が増加するものの、非OECD諸国を中心に需要も増加する見通し。SMBC日興では、原油在庫はコロナ禍前の29億バレルには届かず、27億バレル前後でこう着すると予想している。
中国1-6月の工業企業利益は3.5%増=国家統計局
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2024年1-6月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比3.5%増の3兆5110億3000万元だった。増加率は1-5月の3.4%から0.1ポイント拡大した。
業種別では、非鉄金属精錬・圧延加工が78.2%増、電力・熱供給が27.2%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が24.0%増、紡織が19.3%増、農産物加工が19.2%、増自動車製造が10.7%増、石油・天然ガス採掘が7.5%増、汎用設備製造が3.6%増、化学原料・化学製品製造が2.3%増となった。一方、専用設備製造が4.2%減、電気機械・器材製造が8.0%減、石炭採掘・選炭が24.8%減、非金属鉱物製品製造が49.9%減、石油・石炭・その他の燃料加工と鉄金属精錬・圧延加工が赤字転落。
6月単月の税引き前利益は前年同月比3.6%増だった。
株価指数先物【引け後】 3万8000円から3万9000円のレンジを想定
大阪9月限
日経225先物 38450 +760 (+2.01%)
TOPIX先物 2752.5 +52.0 (+1.92%)
日経225先物(9月限)は前日比760円高の3万8450円で取引を終了。寄り付きは3万8350円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8235円)を上回り、ギャップアップから始まった。現物の寄り付き時に付けた3万8220円を日中安値に、その後はロングが強まり、前場中盤にかけて3万8710円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、前場終盤にかけては3万8350円と寄り付き水準まで上げ幅を縮めたものの、ランチタイムで再びリバウンド基調となり、後場は3万8550円~3万8650円辺りの高値圏での保ち合いが続いた。ただし、終盤に3万8670円まで買われたが前場の高値は超えられず、引けにかけてはロング解消の動きが優勢となり、3万8450円まで上げ幅を縮めた。
米国では6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数の結果を受けて、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。景気敏感株のほか、足もとで調整をみせていたハイテク株が買われた流れを引き継ぐ形で、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を牽引した。日経225先物は前場中盤にかけての上昇でボリンジャーバンドの-1σ(3万8850円)に接近してきたことで、戻り待ち狙いのショートも入りやすいところであろう。また、為替市場では円相場が1ドル=153円前半と、再び円高に振れてきたことから、日銀の金融政策決定会合を控えて、利上げに対する警戒からロング解消の動きも入ったと考えられる。
-2σを支持線としたリバウンドで-1σに接近する形となったが、上げ幅は一時1000円を超えており、自律反発の域は脱していないものの、理想的なリバウンドとなった。もっとも、東証プライムの売買高は16億1100万株ほどにとどまっており、商いを伴ったリバウンドをみせてくるまでは、反動安を警戒するスタンスになりそうである。また、米国ではハイテク株の底入れからの反転を見極めることになるが、足もとで調整が続いていた分、予想を上回る内容となれば、見直しによる強い反応が期待されるだろう。
まずは、日米の金融会合の結果待ちとなるなか、リバランスが強まるかが注目されるところであろう。また、ハイテク株については、今週は大型テック株の決算を控えていることから、決算を受けた株価反応に影響される展開になりそうである。日経225先物はオプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万9000円のレンジを想定。引き続き3万8000円水準での底固めを意識しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍(前日は13.95倍)に上昇した。一時14.03倍を付けたが、その後は先週末の終値水準での推移となった。引き続き直近の保ち合いレンジ内での推移であり、スプレッド狙いの動きはみられていない。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5730枚、ソシエテジェネラル証券が1万8733枚、サスケハナ・ホンコンが8330枚、SBI証券が3638枚、バークレイズ証券が3158枚、JPモルガン証券が2859枚、楽天証券が2215枚、野村証券が2198枚、モルガンMUFG証券が2076枚、ゴールドマン証券が1909枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7516枚、ソシエテジェネラル証券が2万1974枚、サスケハナ・ホンコンが7086枚、バークレイズ証券が5875枚、JPモルガン証券が5424枚、ゴールドマン証券が4648枚、モルガンMUFG証券が3789枚、ビーオブエー証券が3181枚、シテ
ィグループ証券が1838枚、BNPパリバ証券が1066枚だった。
NY為替見通し=ドル円、ボラティリティは高いまま
週明けのドル円は東京早朝に一時154.35円まで上昇するも円買い圧力は根強く、先週末の安値を下回る153.02円まで弱含み、その後の戻りは153円後半で抑えられている。
本日のNYタイムでは主な経済指標や、要人発言など注目イベントは予定されていない。ドル円は米長期金利や米株の動向を眺めながら動きとなりそうだが、今週に日米金融政策イベントを控え神経質な動きが続く可能性がある。ドル円は7月3日に約37年半ぶりの高値となる161.95円から先週は一時152円割れと10円ぐらい下落した。値幅の調整も大きく感じるが、これまで円売りが一方通行で積み上がってきたことを考えると過大とも言えないだろう。
先週のドル円の動きからは、今週の日銀金融政策決定会合での追加利上げへの期待が高まり過ぎたという感じもあるが、7月のドル円の下落はこれまでドル円の上昇局面で何度も見られた短期的な調整とは違うとの声も出ており、ドル円が一段と下方向へ値動きを強める警戒感が残されている。先週のドル円の値動きが大きかったこともあり、徐々に日米金融政策イベント待ちで手控えムードが広がりそうだが、ドル円のボラティリティは高いままで日銀関連の観測報道・関係者発言などによる荒い動きが続く可能性もある。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値154.35円や26日の高値154.74円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値153.02円や25日安値151.94円が下値めど。
NY株見通し-今週はピークを迎える決算発表や7月雇用統計などの経済指標に注目
今週のNY市場は決算発表と経済指標に注目。先週はダウ平均が0.75%高と4週続伸し、小型株指数のラッセル2000は3.47%高と大幅に3週続伸した一方、S&P500が0.83%安、ナスダック総合が2.08%安とともに2週続落となった。決算が嫌気されたテスラやアルファベットが大幅安となりハイテク株が軟調に推移した一方、米国経済のソフトランディング期待や米連邦準備理事会(FRB)による年内3回の利下げ見通しを背景に小型株や景気循環株への資金ローテーションが続いた。金曜日に発表された6月個人消費支出 (PCE) 価格指数は前年比+2.5%と5月分の+2.6%から伸びが鈍化し、前月比でも+0.1%と予想と一致した。FRBがインフレ指標として注目するPCE 価格指数の鈍化を受けて利下げ期待が一段と上昇。CMEのフェド・ウォッチ・ツールの年内3回の利下げ確率は1週間前の52%から66%に上昇した。
今週は発表のピークを迎える第2四半期決算発表や7月雇用統計などの経済指標に注目が集まる。第2四半期決算はS&P500採用の160銘柄以上が発表予定で、火曜日引け後のマイクロソフト、水曜日引け後のメタ、木曜日引け後のアップル、アマゾンなどのメガキャップの発表が予定されるほか、マクドナルド、スターバックス、ボーイング、クアルコム、アムジェン、インテル、シェブロン、エクソン・モービルなど注目企業の発表が続く。経済指標では火曜日に6月JOLTS求人件数、水曜日に7月ADP民間部門雇用者数、木曜日に7月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)、金曜日に7月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、水曜日午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表される。FOMCでは政策金利の据え置きが確実視されているが、市場では9月、11月、12月の3回の利下げ見通しが強まっており、会合後に予定されるパウエルFRB議長の記者会見が注目される。
今晩の米経済指標・イベントは7月ダラス連銀製造業景況指数。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、マクドナルド、引け後にF5ネットワークス、ウェルタワーなどが発表予定。
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