株価指数先物 【週間展望】 ―日米金融政策と米ハイテク決算に注目
今週の日経225先物は、日米金融政策の行方と米主要ハイテク企業の決算内容を見極める展開になりそうだ。足もとの日経225先物は1200円安となった7月12日以降、株安に歯止めがかからず、25日には1390円安と大きく売られた。支持線として期待された75日移動平均線を割り込み、週末には一時3万7330円と5月末以来の水準まで下落した。ボリンジャーバンドの-2σを下回る水準まで調整し、売られ過ぎ感が台頭する一方で、-3σと200日線が位置する3万6000円処が意識されやすい。
26日の米国市場では、主要な株価指数が上昇した。米当局がインフレ指標として注目する6月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.2%上昇と小幅な伸びで、予想に一致した。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を据え置くとの見方が大勢だか、9月にも利下げを開始するとの観測が強まった。
26日取引終了後の日経225先物ナイトセッションは、日中比510円高の3万8200円で終え、-2σを上回っている。週足の-1σを上回ってきており、3万8000円処での底堅さを見極める流れとなり、レンジとしては週足の-2σが位置する3万7000円から75日線、13週線水準の3万9000円によるレンジが意識されやすい。26日の米国市場が上昇したことで、まずは3万9000円辺りの戻りを試す展開になりそうだ。
先週は政治家による円安是正発言が相次ぐなか、日銀金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの観測が高まり、一時1ドル=152円台と円高が進行した。日米金利差の縮小に伴う持ち高調整が勢いを増し、下へのバイアスが強まる形となった。日銀会合では足もとの株安を受けて政策金利を据え置くと考えられる。日米ともに政策金利は据え置くとみられ、リバランスの動きが期待されやすい。
ただし、急ピッチの下落によって、センチメントは悪化している。これまで相場を牽引していたハイテク株の底入れを見極める必要もあり、積極的なリバウンド狙いのロングは手控えられよう。そのため、3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいほか、同水準を捉えられないと自律反発の域は脱せないだろう。
日米金融イベント前には買い戻しが入りやすいことに加え、月末のリバランス期待もあり、押し目狙いのロング対応としつつも、3万9000円に接近する局面ではニュートラルになりそうだ。また、週足では先週の下げによって4月半ばの急落局面以降、支持線として機能していた-1σを割り込んだ。ナイトセッションで同水準を回復しているものの、3万8000円を下回ってくると、持ち高調整が強まる可能性も意識しておきたい。
今週は米国で、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、インテル<INTC>、ラムリサーチ<LRCX>、クアルコム<QCOM>などハイテク企業の決算発表が予定されている。日米金融イベント待ちで積極的に動きにくいところだが、米ハイテク企業の決算が評価されるようだと、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株を見直す動きが強まる可能性もある。その場合はややロングが強まることになろう。