残念ながら、どれだけ人々が近親相姦やそれに伴う強姦・性的虐待と闘っていても、事件となってしまったケースは世界中から数多く報告される。
今年も新年を迎えてからたったの1カ月程で、ある性的虐待事件が大きく報道された。
アメリカはケンタッキー州、ルイビル在住の女(40)に、性的虐待・近親相姦・反社会的性行の罪で懲役16年の判決が言い渡されたというものだ。
女の名前はケリー・リン・サウス、逮捕当時は38歳。
なんと彼女の性の対象は自分の産んだ、まだ幼い息子だった。
サウスは2015年10月に逮捕されるまで、約3年間に渡り息子にオーラルセックスをしていたという。
虐待が始まった当時、息子はまだ4歳。
おおよそ身長100cm前後の幼児の下半身に母親が覆いかぶさっていた事実に、多くの人間が激怒した。
当然、ニュースサイトのコメント欄に寄せられた意見も辛辣なものがほとんどである。
「こんな女は絶対に外に出すな!」
「狂ってるだろ」
「こういうやつの顔と名前はどんどん晒せ!」
こんな怒りの声が集まったが、その中にこのような意見も投稿され、多くの同意が集まっていた。
「女にも近親相姦・性的虐待をやらかす奴がいる」
性的虐待の加害者は男性であることが多く、それは世界中で顕著な傾向だ。
だが、数は男性ほど多くないものの、女性にも近親相姦に伴う性的虐待の加害者がいるという現実を、どれだけの人が認識しているだろうか?
イギリスの有力紙「The Telegraph」(3月7日付)によれば、女性による性犯罪は我々の想像以上に多く報告されているという。
一般的に女性は男性と比べ「弱い性」、または男性の性欲の被害者なる存在として見なされやすい。
しかし、イギリスの児童保護活動団体「NSPCC」によれば、2004年~2009年の間にチャイルドライン(子供のための電話相談)に寄せられた女性による性的虐待は以前と比べ、なんと132%も増えているそうだ。
結局、男でも女でも自分の子供に手を出す人間がいる、ということになるが、男性と比べ、件数が少ないとされる女性の性犯罪の動機には一体どのようなものがあるのだろう。
過去の事例から4つ挙げてみよう。
・小児性愛者である(ペドファイル)
この言葉をいたるところで耳にするようになって久しいが、昔も今も世間から眉をひそめられている性的嗜好である。
「少年に向ける執着」と捉えるならば、「正太郎コンプレックス」(通称ショタコン)というべきだろうか。
小児性愛者は男性であることが多いが、少なからず女性にも小児性愛者がいる。
「息子を見ていたら欲情した」――。
非常に稀なケースだと思われるが、可能性としてなくはないだろう。
・恋愛感情を持っている
性的対象になりそうな子供だったら誰でもいい、ということではなく、あくまで子供に特別な感情(恋愛感情)を持っているパターン。
つい最近もアメリカ、ニューメキシコ州で実の息子と恋仲になった親子(母親37歳・息子20歳)が全米中で注目を集めたばかりだ。
この場合、息子の同意を伴っている関係だけに、一概に非難することは難しい。
さらには息子の年齢が年齢だけに、性的虐待とまでは言えない。
ただ、近親相姦関係であることは確かだ。
ところで、近親相姦ではないが、歳の離れた少年に恋をした成人女性の事例としては1997年に全米を驚愕させた小学校の女教師メアリー・ケイ・ルトーノーと13歳の教え子との騒動が有名だ。
なんとメアリーはこの教え子の子供を身ごもり、出産。
2人はメアリーが服役を終えた後、めでたく結婚している。
・加害者である母親が精神的に不安定
母親が何らかの理由で精神的に不安定になり、寂しさや恐怖・不安にかられて一番身近にいる異性=息子に性的によりかかることがある。
この場合、息子に性的な魅力を感じているというより、夫や恋人の代わりとしている場合が多い。
有名な例では、合成樹脂「べークライト」の発明で莫大な財産を築いた科学者、レオ・ベークランドの息子トニーと結婚したバーバラ・ベークランドが挙げられる。
夫との関係をはじめとする私生活が崩壊に向かっていく中、息子であるトニーの「同性愛を矯正する」などという名目でセックスを強要していたという。
・支配願望がある
過去に男性から何らかの被害を受けてそれが精神的打撃になり、「男という性」自体に激しい嫌悪感や不信感を持っている女性の中に、ときに「男を意のままにしたい」「男をとにかく痛めつけたい」などの感情を持つ女性がいる。
この感情が自分の息子へぶつけられると、どうなるかは想像に難くない。
以前、大阪府で20代の母親がカミソリで息子の下半身に重傷を負わせた事件があったが、この母親は警察の調べに対し、「自分は義父から虐待されていた。男性不信だった」と話していたという。「自分がされた通り、男たちには心身ともに傷ついてほしい」――。
そんな支配・攻撃願望がうかがえる。
以上、息子と近親相姦関係になる母親像のパターンをざっくりと紹介したが、冒頭に挙げたアメリカ、ケンタッキー州のケリー・リン・サウスはこのうちどれに分類されるだろう。
サウスの息子への性的虐待が始まったのは離婚後であるところをみると、「精神的に不安定ゆえ」にカテゴライズされるのではないだろうか。
どこの国の家庭でも、離婚は夫婦双方に精神的ストレスを与えるものだ。
特に経済的不安を抱える子持ちの母親にとって離婚は、それが一時的にであっても人生に黒い影を落とす。
だが、だからといって自分の子供をストレスのはけ口にすることは決して許されるものではない。
サウスに性的行為を強要された息子は事件発覚時、7歳。
ルイビル・メトロ警察の子ども保護ユニットによる調査で今回の事件が判明したというが、調査自体の発端となった出来事が先にあったはずだ。
たまたま見聞きしてしまった第三者による通報、もしくは息子本人が「ママの行動が変」と本能的に察知し、誰かに話したことが判明の発端かもしれない。
どちらにしても、彼は将来、自分の母親にされたことの意味を知る。
そのとき、彼が母親への嫌悪と女性全般への恨みを抱くようになっても、誰がこれを責めることができるだろうか。
さて、ケリー・リン・サウスは法に基づき、性犯罪者として登録された。
登録期間は一生。
「監視の目」「世間の冷たい視線」という決してほどかれることがない鎖につながれたまま今後の人生を過ごすことになる。
ttp://tocana.jp/2017/04/post_12897_entry.html
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