チラシの裏 ID:U6tRoBY4
ガラスの仮面を読んだ
いいのはギリ「ふたりの王女」まで。あとはぐたぐだ。
生い立ちはあれで見た目も平凡、だけど友達も多く、実は演劇より男、の異能主人公・北島マヤと
そのライバル、生い立ち美貌パーフェクト、演劇バカで王道を行く孤高の天才・姫川 亜弓の物語。
月影先生の北島マヤに対する評価が「おそろしい子」であり、マヤは他の登場人物からも天才天才天才と連呼される。その演技も他の役者には思いつかないようなものである。「ヘレン・ケラー」での、マヤの演技に対する姫川歌子の反応など。
が、しかし、姫川 亜弓自身が喝破した通り、マヤの演技は誰と共演しどんな舞台で何を演じても、強烈な「北島マヤ」でしかない。
対して亜弓は、「ヘレン・ケラー」でも「ジュリエット」でも、凄まじい努力の上に常に完璧に役を作り上げ、舞台の上で完璧に演じる。
真の天才は姫川 亜弓である。
作中では北島マヤの演技に観客が飽きずに通う、とされているけれども、実際にはそんな演技は二度目で飽きられる。通いつめて二度三度と見てそのたびに新たな細部に驚かされる、のが姫川亜弓の演技なのだ。
初めての共演となる「ふたりの王女」は非常にシンボリックである。
オーディションと役作りの過程で、引っ張るだけ引っ張る。「ふたりの王女」というこの劇中劇は劇としてつまらない。アルディスもオリゲルドもたいした役ではない。後の「紅天女」のぐだぐたの前兆である。
劇中、マクベスのパクリのようなシーンもあったが、ギリシア以来の伝統を守ったシェイクスピアと違い、この劇では主人公が死なない。安っぽい、続編ご期待なのである。悲劇の伝統を守ってアルディスもオリゲルドも死なせるべきであった。
また、北島マヤ演じるアルディスは最後にいいとこ取りして自分ひとり快適な環境へ男と逃げる。アルディスを見逃し命を救ったオリゲルドは自らの運命へ独り歩み去る。この配役を推した月影先生の、人を見る目は的確といえよう。
ヘレン・ケラー、カーミラ、ジュリエット。姫川亜弓のこの3舞台が、「ガラスの仮面」の白眉である。
「カーミラの肖像」は、その為に親の七光りをはじめて借りてまで、自分のライバルを陥れた汚い役者を舞台の上で実力で完膚なきまでに叩きのめす、というカッコよさ。仇は討ったわよ。
「ふたりの王女」の後は、メンヘラお嬢様の出現とマヤちゃんの男好きも加わって昼ドラ化。「紅天女」も引っ張りすぎた挙句中身も何も全部バレ、その上たいした劇でもないし、ぐだぐだやってるうちに収拾つかず。読む価値ない。ずっと追ってきた読者の人たちはすでに高齢化、生きてるうちに最終回が見たいと悲痛な叫びが‥。
以下、個人的に考えた最終回
あまりのぐたぐだと引っ張りに、姫川亜弓ついにブチギレ。「私はいつまでもこんなところで足踏みしていたくありません。マヤ、私、今度、Old Vicに出演が決まったのよ。紅天女はあなたがやるといいわ。」
北島マヤ「えっそんな‥ありがとう亜弓さん、でも、私、演劇やめるの。」
「やめるですって?!あなたが?!」
「ええ。結婚するの。大都芸能の速水真澄さんと。でもOld Vicに出演だなんて、亜弓さん、本当に凄いわ。何をやるの?」
「ありがとう。オフィーリアよ。でも、ちょ、ちょっと待ってよ、速水真澄と結婚ていつのまにそんな。とにかく、おめでとうマヤ」
「ありがとう。」
「それから私の家でお話しないこと?時間あるかしら?」
「行きます!オフィーリアのお話も聞きたいし。結婚式には来てね亜弓さん」
「もちろん行くわよ!あなたも初日には来てね」
きゃいきゃい話しながら二人そろって退場
月影先生一人取り残され、呆然として幕。
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