5/9(木) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190509-00201686-diamond-bus_all
● 純輸出の増加が牽引したのは 「いざなみ」と同じだが
2012年末から始まった景気拡大は、02~08年の前々回の景気拡大(「いざなみ景気」)に匹敵する長さになり、最長を超えた可能性もいわれている。
前々回の景気拡大は、輸出主導経済成長といわれた。今回の景気回復でも、円安や輸出が経済成長を牽引したという見方がある。
確かに、金融緩和や大規模な為替介入が円安加速のきっかけになったという点では似ている。しかし、データを見ると、前々回と今回の間には大きな差がある。
前々回は、輸出の伸びが製造業の売上高を増加させ、経済は量的に拡大した。
ところが、今回の景気拡大期では、輸出が製造業の売り上げや鉱工業生産を伸ばした効果は認められない。
純輸出が黒字になり、それが成長促進要因になったことは前々回と同じだが、それは原油価格の低下によって輸入が減少した効果が大きかった。
原油価格下落が止まったので、このような成長は、今後は期待できない。
図表1はGDP統計の名目純輸出の推移だ。
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いざなみ景気のもとでの景気拡大期には、純輸出は、08年7~9月期まで(つまり、リーマンショックの直前まで)継続的に黒字を続けた。それがGDP増加の主たる要因になった。
また、図表2に示すように、輸出は、08年7~9月期まで(08年1~3月期に若干減少したことを除けば)増加を続けた。
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このときには、自動車を中心に対米輸出が増えた。また一方で製造業の国内回帰があり、シャープの亀山工場などの大規模な工場の建設が行なわれた。
このように、リーマンショックまでの経済成長は、確かに輸出がリードする外需主導型成長だったのだ。
>>2以降へ続く