「アベノミクス景気」で輸出による製造業の売り上げ拡大はなかった #4

4番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2019/05/11(土) 13:20:02.36 ID:???

>>3の続き

● 鉱工業生産指数も伸びていない 輸出は量的拡大をもたらさなかった

 今回の景気拡大期で、輸出が量的拡大をもたらさなかったことは、図表7の鉱工業生産指数の推移を見ても確かめられる。
https://diamond.jp/mwimgs/5/8/670m/img_587abe9d723b2957cb6101bd6a1856e516986.jpg

 2000年代の景気拡大期では、鉱工業生産指数が顕著に増加した。しかし、今回はほとんど増加しなかったのだ。

 詳しく見ると、つぎのとおりだ。

 前々回の景気拡大期の鉱工業生産指数は、02年の97.5から07年の114.6まで、17.5%増加した。

 それに対して、今回は、12年の97.8から16年の97.7まで、ほとんど一定、ないしは若干の低下だった。17年には102になったが、それでも、12年から4.3%増加したにすぎない。

 つまり、前々回の景気拡大は、生産の増加という量的拡大を伴うものであったのに対して、今回の景気拡大では、量的拡大がなかったのだ。

 以上から得られる結論は、つぎのとおりだ。

 いざなみ景気と呼ばれる前々回の景気拡大期では、輸出の増加が製造業の売り上げを増加させた。これによって、経済の量的拡大効果が生じた。

 それに対して、今回の景気拡大期では、輸出の増加が製造業の売り上げを増加させた効果は認められない。

 ところで、以上で見たのは、売上高や売上原価である。一方、株価に影響を与えるのは、営業利益だ。

 この点については、さらに立ち入った分析が必要だ。

 (早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄)

(了)

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