>>2の続き
上で見たのは、製造業の全規模についてのものだが、製造業の中でも、輸出に直接関連しているのは大企業だと考えられる。
そこで、輸出が売上高に影響しなかったことを確かめるために、資本金10億円以上の大企業について売上高と売上原価の推移を見ると、図表5のとおりだ。
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このカテゴリーで見ても、売上高は顕著な増加を示していない。16年頃まではむしろ減少気味だ。増加に転じたのは、17年以降のことだ。12年1~3月期の61.6兆円と18年1~3月期の60.2兆円を比べると、2.3%ほど減少している。
製造業と非製造業との比較で見ても、輸出が売上高に影響していないことが確かめられる。
仮に輸出が顕著に伸び、それが売上高に影響したのであれば、製造業の売り上げ増加率のほうが、非製造業のそれより高くなるはずである。
図表6に示すように、2000年代では、確かにそうだった。6年間の製造業の売り上げの伸びは30.7%であり、これは、非製造業の伸び率12.6%を上回った。
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ところが、今回の景気拡大期は、非製造業の売り上げの伸びが6.9%なのに対して、製造業の伸び率はマイナス1.9%となっている。