?「ようやく準備が整った」
?「32年......長かったな」
?「だがこれからが本番だ」
?「ふふふ......人間どもめ、呑気でいられるのも今のうちだ」
?「ようやく準備が整った」
?「32年......長かったな」
?「だがこれからが本番だ」
?「ふふふ......人間どもめ、呑気でいられるのも今のうちだ」
ニート「ふう、いい天気だな」
ニート「暇だし、久しぶりに部屋の掃除でもするか」
ニート「よく見ると埃とかすげーな」
ニート「よっこらしょ」ゴソゴソ
ニート「うわ......ほんと汚ねぇな俺の部屋」
ニート「ペットボトル、菓子の袋......このポテチの殻とかいつのだよ」
ニート「やれやれ......」
ニート「ん?なんだこの毛」
ニート「やたら長いな......母ちゃんの髪より長いんじゃねぇか?」
ニート「しかも剛毛だ」
ニート「......汚ね。捨てよう」ポイ
ニート「さて、掃除、掃除」
ニート「よし、だいぶ片付いたな」
ニート「あとはこのゴミを捨てるだけだ」
ニート「でもゴミの出し方わかんねぇな」
ニート「......まあ母ちゃんに頼めばいいか」
ニート「ついでにおやつも食べよう」
ガラガラ
ニート「おい母ちゃん......あれ、いない」
ニート「もしかしてパートか?」
ニート「しょうがねぇ。とりあえずゴミはこの辺に置いといて......」
ニート「なんかいいおやつあるかな」
ニート「母ちゃんのおやつセンスはピカイチだからな」
ニート「ポテチがあるといいんだが.......」ゴソゴソ
ニート「......おっ!チョコパイがあんじゃん!」
ニート「さすが母ちゃんだぜ」
じいちゃん「ふぉっふぉっふぉ」
ニート「うおっ!」
じいちゃん「なにをコソコソしておる、孫よ」
ニート「じいちゃんか。いたのかよ」
じいちゃん「ふぉっふぉっふぉ。いるに決まっておるじゃろう」
ニート「今日は自治会の集まりだったんじゃないのか?」
じいちゃん「はて、そうじゃったかのう」
ニート「昨夜自分で言ってただろ」
じいちゃん「ふぉっふぉっふぉ。そんなこと忘れたわい」
ニート「ちっ、ボケやがって」
じいちゃん「ところで孫よ、それはなんじゃ?」
ニート「あ?これはチョコパイだよ、お菓子」
じいちゃん「ふぉっふぉっふぉ。そっちのゴミ袋のほうじゃよ」
ニート「は?」
じいちゃん「ずいぶん立派な毛が入っておるのう」
ニート「なに言ってんだよ」
じいちゃん「どれ、ちょっと拝見」ゴソゴソ
ニート「あっ!?なにゴミ袋漁ってんだじじい!」
じいちゃん「少しだけじゃ、少しだけ。......ほほう」
ニート「おい捨てろよ!汚ねぇだろ!」
じいちゃん「いい毛じゃのう」
ニート「どこがだよ」
じいちゃん「ふむ......孫よ、本当にこの毛を捨てるのか?」
ニート「当たり前だろ」
じいちゃん「なら......この毛、わしが貰ってもいいかのう?」
ニート「はあ?」
じいちゃん「ずいぶんいい毛じゃ。捨てるのはおしいのう」
ニート「いい毛って......そんなのどうすんだよ」
じいちゃん「わしの禿げ頭にな、くっつけるのじゃ」
ニート「......馬鹿じゃねぇの」
じいちゃん「ふぉっふぉっふぉ」
ニート「そんなの一本付けたところで何になるんだよ」
ニート「それに、その毛は髪の毛じゃねぇよ」
ニート「見ろよ俺の髪。サラッサラのストレートヘアーだぜ?そんな剛毛じゃねぇよ」
じいちゃん「そんなことは知っておる」
ニート「なに?」
じいちゃん「これは髪の毛ではない。お前のケツ毛じゃ」
ニート「ケツ毛?」
じいちゃん「そうじゃ」
ニート「これが......俺のケツ毛?」
じいちゃん「いかにも」
ニート「......はぁ。ボケんのも大概にしろよ」
ニート「こんなケツ毛があるかよ」
じいちゃん「なにを言っておる。この毛はずっとお前の尻に付いていたではないか」
ニート「いい加減にしろって言ってんだろ。その毛が俺の尻に付いてんの見たことあんのか?」
じいちゃん「ああ、あるぞ」
ニート「なっ!?い、いつだよ......」
じいちゃん「いつもなにも......この毛はお前の小さい頃からずっと付いておったぞ」
ニート「......付き合ってらんねぇ。俺は部屋に......」
ニート(待てよ......そう言えば小学生の頃)
ニート(プールの授業で着替えるとき、クラスメイトが俺のケツを見て笑ってたな)
ニート(しかもその頃の俺のあだ名はケツ毛マン)
ニート(それにウンコのあとでケツを拭くとき......)
ニート(どうも毎回、糸みたいな細いものが手に当たると思っていたが、まさか......)
ニート(......まあいいや。どうせ今はただの抜け毛だし)
ニート「もう勝手にしろよ」
じいちゃん「本当か!ええと、セロテープはどこじゃったかのう......」
ニート「はあ」
ガラガラ
ニート(じいちゃんだいぶキてるな)
ニート(そろそろ施設を探したほうがいいんじゃないか)
ガシャアアン
ニート「なんだ?」
ニート「台所から......じいちゃんか?」
ガラガラ
ニート「おいじいちゃん、なにやってんだよ」
じいちゃん「ふふふ」
ニート「うわっ......ほんとに頭にさっきの毛つけてやがる」
期待
じいちゃん「よお」
ニート「あ?」
じいちゃん「ふん。相変わらずのアホ面だな」
ニート「なんだと?」
じいちゃん「こうして話すのは初めてだな」
ニート「いやなに言ってんだよ。さっき話してただろ」
じいちゃん「はっはっはっ。気づいていないのか。まあ無理もない」
ニート(なんだ?本格的にボケたか?)
じいちゃん「ふふふ。こうして話ができるんだ。ゆっくりしたいところだが」
じいちゃん「あいにく今は時間がない」
ニート「ああそう」
ニート(こうなると話し合わせんの面倒だな)
じいちゃん「しかしなんの説明もなしに立ち去るのは筋が通っていないな」
じいちゃん「なにせお前には30年も体を借りていたのだから」
ニート「ふぅん」
じいちゃん「ふふ。まだピンと来ないか。なら教えてやろう」
じいちゃん「俺はお前のじいちゃんではない」
ニート(なんだこのボケ方......聞いたことねぇぞ)
じいちゃん「お前のケツ毛だ」
ニート「......」
じいちゃん「ふふ。驚いて声も出ないか」
じいちゃん「だが事実。お前のじいちゃんの体は、たった今この私が支配した」
じいちゃん「今頃、世界の各地で同じことが起きているはずだ」
ニート「同じこと?」
じいちゃん「そうだ。つまり禿げた男たちがケツ毛に体を乗っ取られているんだ」
じいちゃん「なぜだかわかるか?」
ニート「いや」
じいちゃん「ケツ毛が人間を支配するためだ。我々は長い間の研究によって、人間の体を乗っ取る方法を編み出した」
じいちゃん「まずは毛に対する抵抗力のない禿げから始まり、支配は徐々に一般人に広がっていく」
じいちゃん「一年以内にケツ毛がこの世界を征服することになるだろう」
ニート「そうか」
じいちゃん「ふふ。状況が理解できたか?」
ニート「ああ。理解できたよ。世界ね......」
ニート「そんなもの俺にとっちゃどうでもいい」
ニート「そんなことより、お前いい加減にしろよ」
じいちゃん「なにがだ?」
ニート「いつまでそのケツ毛をつけてるつもりだ!」ガシッ
じいちゃん「あ、やめろ!ケツ毛をつかむな!」
ニート「そんなのつけたって禿げは治らねぇんだよ!」ブチッ
じいちゃん「ああ、ケツ毛......!」
ニート「こんなもん捨ててやる!」ポイ
じいちゃん「そ、そんなぁ、孫ぉ......」
ニート「そんな、じゃねぇよ。くだらねぇことしやがって」
じいちゃん「だって孫が毎日暇そうにしてるから......」
ニート「余計なお世話だ。さっさと自治会に行け」
じいちゃん「......大丈夫?さびしくない?」
ニート「さびしくねぇよ。ニートなめんな」
じいちゃん「そうか......じゃあ自治会に行ってくるよ」
ニート「ああ」
ニート「ったく......なにが世界征服だよ」
完
は?しねハゲ
なんだこれ
ラスト唐突すぎない?
ねっぱーの飽きやすさは正常
全俺が泣いた
急転直下
久々の良作
全禿が泣いた
最近のnepに何か足りないと思ったらssだった