芋をグレードアップさせていくスレ ID:E5uJQhpH

15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/10/17(月) 10:40:32.34 ID:E5uJQhpH

「買ってくるったっておめ、金持ってねえべしょ!まったく今日という今日は堪忍ならねえ!悪禁だべ!」

関李仁さんはますますヒートアップして村に伝わる恐ろしい刑罰を口にします。

「ひぃぃ!悪禁だけはやめてけろ!」

震えあがった寝譜男は、もう芋を持って逃げようと、ちらりと芋の方を見ました。

「あ、あれ……?なんだべ…?芋から芽が……」

「おめはまぁたそったら言い逃れを……本当だべ!」

不思議な事に、焚き火も消えてすっかり焼きあがったはずの芋から、芽がにょきにょきと生えてきていました。

「ど、どういう事だべ……オラ怖い……」

関李仁さんは怯えました。

「だ、大丈夫だべ!オラがついてるべさ!」

寝譜夫は虚勢をはりますが、まったく頼りになりません。

「で、でもなんだかいいにおいがしないだか?」

「あんれ!ほんとだべ!美味しそうなにおいがするだ!」

「食ってみるだか?」

「だどもおっかねえだよ……」

寝譜夫は無謀な事を言いますが、関李仁さんは尻込みです。

16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/10/17(月) 10:41:25.86 ID:E5uJQhpH

「大丈夫だべすた!そったらオラちっと味見してみるべ!」

そう言うと、寝譜夫は芽をちぎってすりつぶし、粉状にした物をぺろりと舐めました。

「しっぶ!にっが!かっら!ひぃい!」

すると寝譜夫の口内に複雑な刺激が広がり、残りの粉を落としてしまいました。

「ほれ見ろ!まったくおめはいつもいつも……あれ、なんだべ……」

見ると、寝譜夫の落とした粉が、燻っていた火で炙られ、煙をあげていました。

「あやや、消さねえと……でもなんだべ……オラなんだか幸せな気持ちになってきただ…」

「ほひひ、関李仁さんもだか、オラもだべ……そうだ、芋食わねえだか?」

寝譜夫は涎を垂らしながら、焦点の合わない目をしてヘラヘラしています。
関李仁さんは色々どうでもよくなってきて、芋を食べる事にしました。

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2016/10/17(月) 10:42:13.12 ID:E5uJQhpH

「あんれ!この芋中身緑色だぞ!腐ってるだか!?まあいっか、はむっ、おいしー!」

どうやら関李仁さんには幻覚が見え初めているようです。

「こら!おまえは悪い芋だべ!良い芋になるだ!お、やるってか!?おまえみたいな弱い芋に負けねえだぞ!
あてっ!意外に強い芋だな…だけどオラ負けねえ!どうだまいったか!臭っ!負け惜しみに臭い芋になっただな!
食ってやる!うん!こいつは甘い芋だ!」

寝譜夫は混乱している。

「オラなんだかおまたがネバネバしてきただ……」

「あっはっはっ!関李仁さんの股からどことなく人面の芋が生えてるだ!」

農村は今日も平和です。


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