3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/10(木) 03:01:42.68 ID:Hpx1KGrp そういえば…と、周りを見回した。
確かに、ここには小さな子も大人も、女性しかいない。
「どうしてなのか、不思議かい?」
カチャンさんは悪戯っぽく目を輝かせる。
「教えてあげようか… 丁度今、メラの家がお産だね」
カチャンさんに案内された家に入る。
「んーっ…! んんーーっ…! はぁ、はぁ…んっ…!」
寝台の真ん中でいきみ、脱力する女性。
丁度出産を終えたのだろうか、産婆らしき女性が産んだばかりの子供を抱えて寄ってくる。
「村長様。この子は立派な触手になりますよ!」
そう言って差し出したのは、ごく普通の男の子だ。
「…そういうことさ。この村で生まれた男の子は、成長するとみんな触手になっちまうんだよ」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/10(木) 03:10:42.83 ID:Hpx1KGrp 信じられない発言に驚いた我々の心を見透かすように、カチャンさんは続ける。
「不思議だよねえ。でも、私たちにとっちゃこれが当たり前なんだよ」
子供の体を拭いてやると、カチャンさんはメラさんに赤ん坊を返す。
「立派な触手に育てておやり。名前は今晩、あたしのうちで決めよう。お祝いの準備はアチャラがしてくれるからさ」
父親というものがいないこの村では、村長が全てを取り仕切っているのだ。
「おかあさーん。準備できたよ!」
駆け込んできたのは、先ほどのアチャラさんだ。
先ほどと違い、触手は彼女の全身を鎧のような形になって覆っている。
手や肩に、武器らしき形さえ見える。
「ああ、立派な姿じゃないか。行っておいで。この人たちも連れてね」
こうして我々は、アチャラさんたちの狩りを取材させてもらえることになった。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/10(木) 03:18:15.58 ID:Hpx1KGrp 再びバギーでアチャラさんたちに着いていくと、
そこは大きな山の麓に広がる荒れ野だった。
しかし、そこに我々の見知った生物の姿はない。
「ほら、見える?」
アチャラさんが指をさす。
天を衝くほどの大きな山。その中腹に、クレバスのようなものが見える。
「あの裂け目からね、化け物がいっぱい出てくるんだ。あたしたち、それを狩って生活しているの…… ほら出た!」
クレバスからひゅっと影が飛び出す。
と、その生き物は恐ろしい速さで我々に接近し、ものの10秒も立たないうちに我々の前に降り立った。
まるで漫画に出てくるような、醜悪な生き物だ。豚のような姿にコウモリの羽らしきものがついているが、
その体躯は牧場で見る豚の何倍も大きい。
「危ないから、あなたたちはここで見ててね…… 行くよみんな!」
鬨の声をあげて、怪物に飛び掛かるアチャラさんたち。
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/10(木) 04:20:11.18 ID:Hpx1KGrp
書きかけたのが消えてやる気なくした
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