シリーズ・世界の異境から ~触手スーツの村~ #4

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/12/10(木) 03:10:42.83 ID:Hpx1KGrp

 信じられない発言に驚いた我々の心を見透かすように、カチャンさんは続ける。

「不思議だよねえ。でも、私たちにとっちゃこれが当たり前なんだよ」

 子供の体を拭いてやると、カチャンさんはメラさんに赤ん坊を返す。

「立派な触手に育てておやり。名前は今晩、あたしのうちで決めよう。お祝いの準備はアチャラがしてくれるからさ」

 父親というものがいないこの村では、村長が全てを取り仕切っているのだ。

「おかあさーん。準備できたよ!」

 駆け込んできたのは、先ほどのアチャラさんだ。
先ほどと違い、触手は彼女の全身を鎧のような形になって覆っている。
手や肩に、武器らしき形さえ見える。

「ああ、立派な姿じゃないか。行っておいで。この人たちも連れてね」

 こうして我々は、アチャラさんたちの狩りを取材させてもらえることになった。

 

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