そういえば…と、周りを見回した。
確かに、ここには小さな子も大人も、女性しかいない。
「どうしてなのか、不思議かい?」
カチャンさんは悪戯っぽく目を輝かせる。
「教えてあげようか… 丁度今、メラの家がお産だね」
カチャンさんに案内された家に入る。
「んーっ…! んんーーっ…! はぁ、はぁ…んっ…!」
寝台の真ん中でいきみ、脱力する女性。
丁度出産を終えたのだろうか、産婆らしき女性が産んだばかりの子供を抱えて寄ってくる。
「村長様。この子は立派な触手になりますよ!」
そう言って差し出したのは、ごく普通の男の子だ。
「…そういうことさ。この村で生まれた男の子は、成長するとみんな触手になっちまうんだよ」