再びバギーでアチャラさんたちに着いていくと、
そこは大きな山の麓に広がる荒れ野だった。
しかし、そこに我々の見知った生物の姿はない。
「ほら、見える?」
アチャラさんが指をさす。
天を衝くほどの大きな山。その中腹に、クレバスのようなものが見える。
「あの裂け目からね、化け物がいっぱい出てくるんだ。あたしたち、それを狩って生活しているの…… ほら出た!」
クレバスからひゅっと影が飛び出す。
と、その生き物は恐ろしい速さで我々に接近し、ものの10秒も立たないうちに我々の前に降り立った。
まるで漫画に出てくるような、醜悪な生き物だ。豚のような姿にコウモリの羽らしきものがついているが、
その体躯は牧場で見る豚の何倍も大きい。
「危ないから、あなたたちはここで見ててね…… 行くよみんな!」
鬨の声をあげて、怪物に飛び掛かるアチャラさんたち。