2015年2月に発表された第87回 アカデミー賞で
NSAによるスパイ工作を暴露したエドワード・スノーデン氏を描いたドキュメンタリー作品
「CitizenFour」が長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。
この受賞を受けてか、redditの名物コーナー「Ask Me Anything(AMA:質問ある?)」にスノーデン氏本人と関連する人物が登場して
一般人からのさまざまな質問に答えを返しています。
◆映画「CitizenFour」とは?
第87回アカデミー賞で「長編ドキュメンタリー賞」に輝いた作品「CitizenFour」は
エドワード・スノーデン氏がNSAによるスパイ工作を暴露した経緯を描いたドキュメンタリー作品。
トレーラームービーには本人へのインタビューが行われている様子も収められています。
暴露後には一時期は国連にかくまわれ、滞在先だった香港から
現在はロシアのモスクワにいるというスノーデン氏らが行った主なQ&Aは以下の通りです。
◆01:ロシア人ジャーナリストのアンドレイ・ソルダトフ氏によれば
あなたはモスクワで制限された生活を送っていると言うことですが
それは本当ですか?ロシアの安全保証機関や、政府の関係者との接触は?
スノーデン氏:
いい質問ですね。もちろんそのような事実はありません。
私について書かれた記事の多くは、主張が推測や疑念に取って代わられているものばかりです。
誰もそれを裏付ける証拠を示していませんし、勝手に私のことを「ロシアのスパイだ」と信じて疑っていないのです。
私はかつて、アメリカ国防情報局に対して「サイバー対諜報活動(cyber counterintelligence)」について教えていたことがあります。
でも、トータルで考えた場合、それがどんな意味を成すのでしょう?
仮に私がロシアのスパイだとしたら、なぜ一度香港に身を隠してリスクに身をさらすようなことを?
そしてさらに、なぜジャーナリストに全ての情報を公開する必要が?
(写真はスノーデン氏が香港で滞在していたというmiraホテル)
なぜモスクワの空港に1か月間も拘束されるようなことに?
もしスパイなのであれば、かわりに街あげてのパレードや勲章をもらってもおかしくはありません。
拘束されていた本当の理由は、私が政府と協力を行わず、誰も私の扱いについてどうしたらいいかわからなかったからです。
私は政府に対していかなる協力を行うことも拒否しており、それは今も変わっていません。
いま私がこうやって無事にいられるのは、おそらく私が有名になったからでしょう。
もし私の指が2~3本でも折れていたら、政府が何を行ったのかすぐに見抜かれるはずです。
◆02:モスクワでの暮らしはどうですか?
スノーデン氏:
みんな忘れているけど、モスクワはヨーロッパで最大の都市です。
東京を除けば、ここは私が住んだ中で最も大きな街です。
家には帰りたいですけれど、それも他の街と同じようなものです。
この回答に対し、質問者からは「冬は厳しいですか?
外出したいけれど、朝になったら雪に閉じ込められたり(snowed)しないのですか?」
と名前をもじった質問が返されたのですが、スノーデン氏は「カナダやスウェーデン、ノースダコタ州も冬は厳しいね。
ボストンだってそうだ」とサラリと回答。
しかしその後には質問の真意を理解したようで「ジョークを台無しにしちゃったね」と追記したところ
「スノーデンって、思ってるよりクールなヤツだな」というコメントが寄せられていました。
◆03:生命の危険に晒されると知りながら、それでもまだ重要な秘密を暴露したい人がいると信じる理由はありますか?
スノーデン氏:
内部告発した人を守る法律(日本で言えば公益通報者保護法のようなもの)や
技術的、法的に情報源とジャーナリストとのやり取りを保護する仕組みの整備がそれにあたります。
しかし、「告発者は苦しむべきだ」と考えている社会には、そのどちらも存在していないことに気付くことが多いという
悲しい現実が存在しています。
◆04:もし、同じような機会がもう一度あったとすると、次は違うやり方をとりますか?もしそうならば、どんな方法ですか?
スノーデン氏:
もっと早い段階で行動を起こしますね。
行動が早ければ、(政府のとっていた活動)が固定化されることも少なく、そのような行動をとることにも慣れてしまわず、
またそのような権力の行使を当たり前と受け入れてしまうようなことにならなかったと思います。
このようなことは中央政府だけでなく、政府のあらゆる細かい部門でも起こっている出来事です。
一度このような権力を与えてしまったら、そこから元に戻すことは非常に困難なので、これはとても重要なことです。
ここでスノーデン氏が引用していたのが、過去にベトナム戦争に関する秘密報告書のペンタゴン・ペーパーズを暴露した
ダニエル・エルスバーグ氏による言葉。
「私と同じような行動をとってはいけません。新しい戦争が始まるのを待っていてはいけません。
何千人という人々が殺されるのを待っていてはいけません。
そうなる前に、ウソや犯罪、そして外部には明らかにされない秘密の予算や被害額を白日の下にさらす文書をもとに
真実を伝えなければなりません」というエルスバーグ氏の言葉が書かれています。
スノーデン氏はさらに「このような状況を、あなたの国で引き起こしてはいけません」と読者に呼びかけるように語っていました。
画像等
http://i.gzn.jp/img/2015/02/25/snowden-ama/00-top.jpg
http://i.gzn.jp/img/2015/02/25/snowden-ama/mira.jpg
以下ソース
http://gigazine.net/news/20150225-snowden-ama/
このIDをNGリストに追加する
今後このIDの書き込みやスレッドを表示したくない場合、以下のボタンをクリックしてください。
NGリストに追加