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金融緩和継続 欧米と金利差拡大で円&国債大暴落の現実味|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231383
「円安! いいね」のレベルじゃない――。日銀は15日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和策の「現状維持」を決めた。長期金利ゼロ%やマイナス金利、株や国債の大量買い入れを継続する。金利を上げ、引き締めを加速する米国に続き、欧州も金融緩和の年内終了を決定。日本だけが金融緩和の出口すら見いだせない。拡大する欧米との金利差は“適度な円安”を通り過ぎて、円や日本国債の大暴落を招きかねない。年内にも、日本だけの大恐慌がやってくるかもしれない。
米連邦準備制度理事会(FRB)は13日、2015年12月にゼロ金利政策を解除して以来、7回目の利上げを決め、年内にあと2回、来年も3回の利上げを行う。また、欧州中央銀行(ECB)も14日、3年前から行ってきた量的緩和について年内で終了する方針を決めた。
「米国に続き、欧州も緩和をやめることになると、日本のゼロ金利がいっそう際立ちます。急激かつ大幅な円安が進行してもおかしくありません。年内150~200円のレンジも考えられます。トランプ大統領も、自国産業保護は、ドル高・円安誘導よりも、手柄が目に見える関税政策にシフトしています。米国も急激な円安を容認するとみられているのです」(兜町関係者)
トヨタやソニー、ホンダなどは今年度の為替レートを1ドル=105円と想定している。トヨタは1円の円安で400億円の利益といわれる。円安の進行は、輸出企業はウハウハなはずだ。
「120~130円までならウエルカムですが、150円を超えて200円に近づくのは、信用を失墜した日本売りの局面です。喜んでいられません」(輸出産業関係者)
1ドル=200円とはもはや大暴落だ。原油など輸入品の物価は大幅に上昇し、庶民の生活を直撃する。日本の金融機関の預金は、金利の高い外資へのシフトが進み、信用を失った日本国債も大暴落――。まさに大恐慌の光景である。打つ手はないのか。
「日本も、ゼロ金利、量的緩和という異常事態を脱し、正常化の道筋を描いているという出口を見せれば、日本売りにブレーキがかけられます。問題は、安倍政権も日銀もこの出口戦略を語れないということです」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
(続く)