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なぜ、出口を語れないのか――。1つは、トランプやドラギECB総裁ににらまれていることだ。金融緩和解除を進める欧米は、日本に緩和継続を強く要求している。日本まで引き締められると、世界経済を一気に冷え込ませる恐れがあるからだ。
もう1つは、その場しのぎの金融政策のツケだ。井上学氏が続ける。
「株価が頼りの安倍政権は、日銀とGPIFが買い支えて株価を維持してきました。『金融緩和をやめる』と言った瞬間、株価は大暴落します。国債の金利も上がるので、財政も破綻に向かいます。金融緩和はやめたくてもやめられない。出口を語ることもできないのです。北朝鮮との戦争でごまかすのではないかと、まことしやかに言われていましたが、米朝融和で戦争も遠のいた。まさに打つ手なしです」
黒田総裁はきのうの会見で「現時点で正常化や出口の手法を語るのは時期尚早」と語った。アベ・クロはどう落とし前をつけるつもりなのか。