切れもうた
>>1続き
フェッツ議員も付加価値税(消費税)の引き上げには反対だ。「だが、これは数ある提案の一つに過ぎない。財務取引にミニ 税金をかけるという意見も、ある程度支持されている。私もこれはいい案だと思う。 コンピュータに税金をかけるのもいい。労働がデジタル化していくという観点から議論が行われているのだから、財源もこの方向で探すべきだ」
先手を打つ。でもどうやって?
フェッツ議員はまた次のようにも述べ る。「今から財源について議論するのは間違いだ。ベーシック・インカムは今日や明日のためのものではない。問題は、伝統的 な収入が労働から得られなくなったときに社会が何をするか、ということだ。自動化や綿密に作られたコンピュータプログラムが、ごく単純な仕事から非常に優秀な能力 を必要とする仕事まで、すべての職業において雇用の大部分を不要にしてしまったら、私たちはいやが応でも答えを見つけ出 さなくてはならない。それなら守りに入るより先手を打った方がよいというのが私の意見だ」。
一方のクロットゥ議員は、「これは先手ではなく、本末転倒だ」と切り返す。「どうやって収入を作り出すかは、いずれはよく考えなければならないだろうが、偽ロボット化が進んでも、人の手はこれからもずっと必要とされる。コンピュータの後ろにいるのは原則的に人間だ。消滅してしまう職もあるだろうが、新しく生まれる職もあるはず。私にしてみれば、先手を打つというのであれば、教育と経済の関係を強化することだ。特に教育は、社会の変化を注 意深く見つめ、技術の発展や経済の要求と足並みをそろえたものにしなくてはならない」
左右両派から出ている批判もある。「これはスイスの社会制度全体にかかわってくる問題」という声だ。だがフェッツ議員 は、「ベーシック・インカムはすべての社会保険に取って代わるものではない」と抗弁する。「現在、社会保険はすべて合わせて13ある。その数を削減することになれば、それは社会制度を今後の新しい取り組みに適応させるよいチャンスになるかもしれない」。大きな変化の兆しがそこに見えているのに、完全雇用という原則に基づく制度を今後も続けていくには無理があるというのがフェッツ議員の考えだ。
対するクロットゥ議員は、次のようなリ スクを指摘する。「完璧ではないがとてもよく機能し、労働や継続教育への意欲をかき立てている制度を破壊してしまうかもしれない。そうならないように、この制度を改善し強化する必要がある。そして、給与をもらって生活している人や企業に大きな 負担をかけ、労働の意欲を失わせるような 給付の導入も阻止しなくてはならない」
以下ソース
http://www.swissinfo.ch/jpn/