2020年☓☓月☓☓日(金曜日)
事務職の芳恵は職場のオフィスに残っていた。
「おーい、芳恵くん!そこの蛍光灯が切れそうなんだ。変えといてくれないか?君の可愛い顔もよく見えないしな ガハハハハハ」
上司の原は職場では”セク原”と呼ばれ嫌われていた。
そんな原の言うことなど聞きたくなかったが(これも仕事なのだ)と自分に言い聞かせ芳恵は倉庫に新しい蛍光灯を取りに行く。
(あれ!?もう蛍光灯無いんだ・・・買いに行かなきゃ)
原に電気屋に蛍光灯を買いに行くと伝え職場を出る。
全国チェーンのカマダ電気は職場から3分ほどのところにありすぐに着いた。
珍しくカマダ電気は人で溢れていて人混みを掻き分けながら蛍光灯を探す。
何やら「マショマルの白熱灯は無いのか!」と騒がしい男性がいて忙しいであろう店員を捕まえてブツクサ言っている。
(どうしてそんなにマショマルにこだわるのだ)と芳恵は少し可笑しくなった。
男性を横目に蛍光灯を探すがLEDタイプしか見つからない。
LED蛍光灯のパッケージには菅官房長官の顔写真が載っていて「LED蛍光灯 SORENIHA ATARANAI」と書いてある。
製造は日本帝国電気會社だ。
(値段が高いなぁ・・・原に怒られちゃうよ・・・)
芳恵は今までと同じ蛍光灯を探したがどうしても見つからないのでしょうがなくLED蛍光灯を買って職場に戻った。
「芳恵くん!どうしてこんなに高い蛍光灯を買ってきたんだ!このLED蛍光灯で君のお尻にお仕置きしちゃうぞ!」
芳恵は悔しさでたまらなかったが今は退職も出来ないので我慢した。
「安倍晋三許すまじ」
息子の誕生日プレゼントに買ったヤシオのビンラディンモデルで爆弾を作り国会に向かって歩き出した。
「サトシごめんね・・・。今日誕生日なのに。誕生日ケーキのロウソクの光はないけど変わりに国会から大きな光を灯すからね。」
ー完ー