物語とか書いてみる #44

44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/08(日) 20:50:43.07 ID:7K8h533b

 倖田來未のゲリラライブの衝撃を引きずりながら歩いていると、成田が突然「あ!」と声を上げた。思わず成田の向いている方向に目をやると、人が3,4人は乗れそうな大きなコーヒーカップがいくつも置いてあるアトラクションがあった。コーヒーカップがどうしたのかと見ていると、成田が

「ちょっとあそこの喫茶店に寄って行こうよ」と言った。

 目線を少しずらすと、コーヒーカップから少し離れたところに建物がある。成田はその建物を見ていたらしい。あの喫茶店は俺も子供のころ何度か入ったことがある。午前中に読んでいた雑誌でも、ネプランド内のおすすめの休憩場所として紹介されていた。なんでも季節が変わるごとに新しいメニューが追加されるらしい。

「喫茶店?」と言うと

「そう。ここの新しいパンケーキがおいしいんだって」と答えた。

 時計を見ると、おやつの時間には少し遅いくらいだった。だが、そのくらいの方が店内が空いているだろうから調度いいかもしれない。

「じゃあ休憩がてら寄るか」と喫茶店に足を向ける。店内に入ると、窓際の席に案内された。

 ウェイターがやって来て水を置いて戻っていった。テーブルの上にメニューを開いてめくる。この喫茶店には軽食からちゃんとした食事までいろいろな料理がある。

「あ、これだ」デザートのページを見て成田が言った。「ネプランド特製ケーキ」という文字の下に、ホイップクリームやら果物やらが乗ったパンケーキの写真があった。

「私これにする。須藤は?」

 ざっとメニューを見たが特に食べたいと思ったものはなかった。あまり空腹を感じていない。

「俺はコーヒーでいいや」

「じゃあ決まりね」と言うと、成田はテーブルに置いてある店員を呼ぶボタンを押した。ほどなくしてウェイターがやってきて、注文を聞いてから再び厨房の方へ戻っていった。

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