物語とか書いてみる #41

41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/08(日) 20:35:34.24 ID:7K8h533b

 倖田來未はいつ来るのかとステージを見つめながら待つ。そのまましばらく立っていると、突然ステージの横から倖田來未がマイクを片手に小走りで出てきた。同時に人だかりが大きくどよめく。彼女はステージの中央に立つと、マイクを構えてもう一方の手を大きく上げ

「みんなー!倖田來未がネプランドに帰ってきたでー!」

 と言った。それに答えるようにステージの前の観客も「おおおおお!」と歓声を上げる。成田も「わあすごい!本物だ本物だ!」と言っている。観客の歓声に満足したように倖田來未は満面の笑みを浮かべ

「もうネプランドってウチの故郷やねん!そんなワケで今日も盛り上がってくんでヨロシク!ネプランドFuu↑!」

 と声を張り上げる。観客の歓声は先ほどよりも大きくなり、倖田來未に続けて「Fuu!」と答える。ステージ上の本人は興奮して落ち着かないのか、しばらくステージの中央あたりをうろうろ歩いていたが、やがて観客の方を向いて立ち止まった。そして大きく息を吸い

「そろそろ時間やでー!また会おうなー!」

 と言った。一瞬、時間が止まったのかと思った。観客は今度は誰も声を上げない。間の抜けたような沈黙が辺りを包んだ。初夏の陽射しがやけにまぶしく感じる。倖田來未は相変わらず満面の笑みをこちらに向けたまま、手を振りながらゆっくりステージの横に消えていった。

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