ジェットコースターはネプランドの名物アトラクションであり、それなりに大きい。高さは40m、乗車時間は2分に及ぶ。最高時速は80kmだとあの雑誌に書いてあった。ジェットコースターに乗ったことのない俺にはちょっと想像できない。
「ネプランドに来たらジェットコースターだよね」隣で成田が言った。
「結構有名だよな、ここのジェットコースター」
「うん。他所の遊園地のより好きだな、私。速くて、ぐわんぐわん揺られて、ぐるんて回るの」くるっと人差し指を回して成田が言う。
「そうなのか。俺乗ったことないんだよな、ジェットコースター」
「えっ!そうなの?なんで?」
「なんでって……。遊園地に通ったのなんて小さい頃の話だし、その頃は背も小さくて乗れなかったんだよ」
「へぇ、そうなの。じゃあ初ジェットコースターがネプランドなんだ。かわいそう」
「なんだよ、かわいそうって」
「だって、ネプランドのジェットコースター怖いよ?それで有名なんだから。須藤、泣いちゃうんじゃない?」
「泣かねぇわ。泣くわけねぇだろ、あんなんで」
「どうだか」