物語とか書いてみる #19

19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/06(金) 20:44:21.98 ID:EuTDqe7L

「ごめんごめん。待った?」

「いや」

 つい返事がおざなりになる。学校の外で彼女と会うのは今日が初めてだった。走ってきたためか少し息が乱れているが、彼女は微笑んでいた。その表情に思わず気を取られていた。

「そっか。いやぁ今日は晴れて良かったね。最高のネプランド日和だよ」

「そうだな」と答えたものの後が続かない。何か言わなければと言葉を捻り出す。「昨日うちの前で変なおっさんが晴れ乞いの儀式をしてたから、多分そのおかげで晴れたんだろ」

「は。意味わかんない。なに言ってんの?」怪訝な顔で返された。しかし、若干怖いその顔もすぐさま笑顔に変わり、「さ、早く行こ」と入場口の方へと足を向けた。

 入場券を買って園内に入ると、休日だけあってネプランドはそこそこ混んでいた。子連れや学生の集団やらが右へ左へ流れていく。横では成田が「結構人いるねぇ」ときょろきょろしている。俺は入り口でもらった園内の案内図を広げていた。ネプランドは特別広いわけではないが、それでも半日で全てのアトラクションを回ることはできないだろう。

「とりあえずどうしようか」と聞くと

「ジェットコースター!ジェットコースターに乗ろう!景気付けに!」と勢いよく彼女は答えた。

 ネプランドに来れば誰だってテンションは上がる。景気付けもなにも必要ないだろと思いながら案内図を見ると、ジェットコースターはここから東の方にある。顔を上げて見回すと、ジェットコースターのレールのようなものが見える。「じゃああっちだな」と歩き出した。

このスレッドを全て表示


このスレッドは過去ログです。