物語とか書いてみる #12

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/01/06(金) 19:54:32.03 ID:EuTDqe7L

「ていうか1人?山下くんたちは?」歩いていると成田が訊ねた。

「俺が準備に手間取ったから先に行かせた」

「ふーん」

「成田は何してたの」

 「教科書忘れたから別のクラスのえりちゃんに借りてたの。クラスが離れて残念だったけど、こういうときは助かるなぁ。久しぶりに会ったから、話がはずんじゃってこんな時間になっちゃった」

 なにやらご機嫌だ。

「それにしても須藤たちはいいよね。去年も同じクラスだったんでしょ?」

「正確には中2の頃から同じだな」

「そんなに長いんだ。仲良さそうだしね」

 そう言うと、成田は少し考えるような間を開けてから「でもさあ」と続けた。少し明るい口調だった。

「仲が良すぎるのもどうかと思うよ?須藤、昼休みに根岸くんに抱きついてたでしょ」

「は?」なに言ってんだこいつ。

 思わず成田を見ると、やれやれと大袈裟に頭を振りながら「まさか須藤にあんな趣味があったとはねぇ」と言っていた。

「いやいや違う違う。あれは罰ゲームの成り行きでしかたなかったんだ。好きであんなことしてたんじゃない。」と急いで答えると

「罰ゲーム?あれが?」

 と明らかにおもしろがっている表情をこちらに向けた。「どんな内容よ。言ってみなさい」

 どうやら俺を笑い飛ばす準備は万端らしい。こうなるとやっかいだ。答えによっては、今後これをネタにからかわれる可能性がある。しかし本当のことを言うわけにもいかないので、とりあえずはぐらかすことにした。

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