>>2,3,45
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モグモグモグモグ…
男(うーんこの菓子パンは外れかな)
ガチャンッッ!!ガチャガチャン
男(!!?)ビクッッ
男子生徒「おいマジかよ…誰か入ってるし勘弁してくれよ~」
男子生徒2「ここの旧校舎のボロトイレひとつしかないし不便だよな~」
男子生徒「汚いし誰も使わねーから放置されてるんじゃね」ギャハハハハ
男(……俺はこの不良特有の金切り声が苦手だ)
男子生徒2「誰が便所飯してるんじゃねwwwww」
男(!?)
男子生徒「ワロタwwwwwwww美味しいでしゅかー?wwww」ドンドンドン
男()プルプルプルプル
男子生徒2「おいそろそろ時間だし行かないと先輩がキレるぞ」
男子生徒「おうそうだったあの先輩マジ怖いからな急ごうぜ」
男子生徒2「お前がうんこしたいって言うからだぞまったく」ドタドタ
ガチャン
男(……行ったのか?)
俺の名前は男
両親の転勤で転校を余儀なくされた
俺は高校からこの辺鄙な土地に住むことになった
中学時代から友人関係に恵まれたわけじゃなかった俺は
案の定こっちに来てからは友達どころか知り合いと呼べるような奴は
今のところ…一人もいない
こうして昼休みは人影の少ない旧校舎で便所飯をしている
けどここで過ごす時間は正直嫌いじゃない
ブリブリブリブリ!!!!ブチュチュッバ!!!
男(最初は汚い所で食べるのは気が引くが慣れればそうでもない)モグモグ
男(今では脱糞しながら飯を喰う図太い神経を手に入れた)モグモグ
男(そういえば今日の5限目は…なんの教科だっけ)
……い…おい……
男(!!?誰かいるのか!!?まさかさっきの不良…)
………だ………こ……ここだ…
男(……下から響いて聞こえるような……古い建物だし軋む音かな?)
おい…!!ここだ!ここお前の下の!!!
男(誰かが俺を呼んでいる声…?)
男「……ここの?」
俺はなにやら体に寒気を覚える不気味な感覚に襲われた
俺はその不気味な奴を俯瞰するように頭を下げてそいつを見た
そいつは俺のうんこだった
「俺は……うんこだッッッッ!!!!!」ドン
うんこ「やっとオラに気づいてくれたな男」
男「」
うんこ「ん?どうした?」
男(これは俺の妄想だろう普通に考えればうんこは喋るわけがない)
男(だがなぜかこいつには親近感を覚える…俺が産んだからこの汚い汚物に母性愛に目覚めたらとでも言うのだろうか…)
うんこ「驚いてるみてぇだな当たり前か」
うんこ「オラの名前はうんこ!そろしく頼むぞ!!!」
男「あっおっ俺は…」
うんこ「自己紹介なんてしなくていいぞ!!!お前のことならなんでも知っているからな!!」
うんこ「唐突にこんなこと言うのもあれだけどおめぇコミュ障ってやつだろ?」
男「えっあっはい」
うんこ「おめぇも自覚してるだろ?それじゃ友達どころか人間社会生きていけねぇぞ」
男(正直うんこに諭されて不愉快だ…クソが…うんこなだけに)
うんこ「よく聞け男!!」
男「うるせぇ浄化しろうんこ野郎!!!」
レバーガチャ
うんこ「ぎゃあああああ崩れるぅ」
まだオラの話…終わ……
うんこの断末魔が旧校舎のトイレに響き渡った
この時俺はまだ気づいていないが
このうんこと長い付き合いになるとは思ってもいなかった
時は進み5限目数学
俺は数十分前の昼休みのことを考えていた
誰かに相談しようも友人おろか話せる知り合いがいないし
したらしたで頭の病気を疑われるのがオチだろう
俺は空の頭で現実的に考え統合失調病なのではないかと疑っていた
数学教師「では最後の応用問題を…男君!いける?」
男「」ウーン
数学教師「寝てるのか?おい男!!」
男「えっはっはい!!」
ギャハハウフフガヤガヤクサクサ
男(クラスメイトの笑い声が嘲笑に聞こえる俺はぼっちの弊害なんだろうか)
数学教師「この問題ちょっと難しいが分かるか?」
男「あっはい…さ…3分の4です」
数学教師「はい正解!じゃあ次は……」
男(よかった…あの先生よく生徒に答案させるからな…間違えたら恥をかくし勉強しておいてよかった)
数学教師「じゃあ女!!いけるか?」
女「……はっはい!!」
クスクスガヤガヤ
男(なぜ笑われているんだ?俺みたいにヘマをしたわけでもあるまいし)
女「えーとその…分かりません」
ギャハハハハ
男(この不愉快な金切り声には聞き覚えがあった)
女「…ご、ごめんなさい」
数学教師「こら!笑うな!!お前も解けないだろうが!!」
男子生徒→不良「え~解けますよえーと……やべぇわかんねえ」
男子生徒2→不良2「1」ボソッ
不良「わかりました1です!!!」
数学教師「ちがうわバカタレが!!」
男(彼らはこのクラスのカーストトップの不良)
男(みてくれから分かるように頭は良くないがこう見えて二人はサッカー部の優秀な人材らしい…)
男(気さくな性格だと自称しているが俺は一度も話したことがない)
女「…」
男(彼女は虐められているわけではないのだが今日は不良2人も女もなんだかおかしかった)
男(しかし一番おかしいのは俺かもしれない)
~~~
男の家
男「今日はうんこ野郎のせいで勉強に手がつかない…」
男「うっ急に便意がッッ…」
男「うんこの悪口を言ったせいかな」
ブリブリブリブリブリュレ
男「おい返事しろようんこ野郎」
シーン
男「お…おい」
シーン
男「どういうことだ?……俺の頭が正常になったということなのか!?」
男「杞憂で終わってよかったよかった」フキフキ
男(でもなんだか寂しいな)
男(俺は話相手が欲しいのかもしれないな……たとえそれが汚物であっても)
母「ねぇ貴方男がトイレでぶつぶつ…大丈夫かしら」
父「電話じゃないのか?」
~~二日後~~
男(次の授業は…なんだっけ)モグモグ
男(うっ便意がッッ…最近多いな…便秘だろうか)モグモグ
ブリブリブリブリブリュブュブッブッ……ブリュ
男(おー大漁大漁)モグモグ
うんこ「オッスオラうんこ!!ひさしぶりだな男!!」
男「」
俺はこの不気味な感覚に見に覚えがあった
俺はその不気味な奴を俯瞰するように頭を下げてそいつを見た
そいつはやっぱり俺のうんこだった
うんこ「おめぇがオラを産んでくれるのをまってたぞ!!!」
俺は一歩踏み出しこの異物との文化交流をはかることにした
男「汚物のくせにその悟空テンションやめてくれよお前なんなんだよ」
うんこ「オラやめねぇぞ!!!!!」
男「俺はお前のことを頭の病気からきた幻覚だと思ったんだが」
うんこ「確かに信じられねえかも知れねぇ……オラはうんこだからな」
男「……」
うんこ「オラはお前と親しくなりたいと思っている」
うんこ「おめぇコミュ障だから友達いねぇもんな」
男「……うるせぇうんこ」
うんこ「まあ次の授業まで時間あるから話そうぜ!!!」
男「お前にも聞きたいことがたくさんあるからな」
男(俺はうんこに聞きたいことが山ほどある)
男(幻覚なのかそれとも本当にこいつは意思を持っているのか)
男(なぜ俺のことを知っているのかなぜうんこなのか…)
男(一番気になるのはこいつは先日綺麗さっぱり流したのに目の前のこの固体は俺のことを記憶している…)
男「俺は自宅、新校舎で排便したがお前は出てこなかった…」
男「そしてここ旧校舎トイレで俺たちは運命の再会を果たしている」
男「お前はいったいなんなんだ?」
うんこ「オラはうんこの形をしているがうんこじゃねーんだ」
うんこ「おめぇ見てえなバカでも分かるように言うとオラの意識、思考はうんこじゃねぇ」
うんこ「おめぇはなぜオラがおめぇのことを知っているのか気にしていたが」
うんこ「それはおめぇの体から産まれたからじゃねぇ」
男「はぁ!?じゃあお前はどこから俺をことを…」
うんこ「うんこはオラの意思を人間に届くように伝達しているに過ぎない」
うんこ「オラの意識はこのオンボロ旧校舎だ」
俺「つまり俺はお前を見下ろして話しているが…実はお前が俺を俯瞰していたということか」
うんこ「そうだぞ」
男「そんな壮大なことを唐突に言われても正直反応に困る…」
うんこ「お前のことはいつも見てたぞ!!旧校舎使う奴あまりいないからな!!!」
男「お陰で便所飯ライフを送れてるけどな…だが人気(け)が少ないとはいえ
旧校舎で職員に会ったことないぞ…
火災責任者とか大丈夫だろうか」
うんこ「まぁ確かにそのせいでヤンキーの溜まり場になっているのは否めないぞ」
男「ヤンキーの溜まり場だと?俺はそんな危険な場所で飯を食べていたのか…」
うんこ「ヤンキーといってもだいたいいつもの3人だし旧校舎は大きいから鉢合わせすることはあまりないぞ」
うんこ「今のところ旧校舎に立ち入るのは便所飯するお前とその3人くらいだぞ」
うんこ「あっオラ思いだしたぞ!!!」
男「えっ?なんだよ藪から棒に」
うんこ「この間こっちの旧校舎に女子生徒が来てたぞ」
男「その反応じゃ珍しいみたいだな」
うんこ「女子生徒は近づきさえしないからな!!可愛い子だったぞ!!告白されるわけだぞ!!」
男「告白?…あぁ旧校舎は人気が少ないからラブメッセージにぴったりだな…で告白した勇者は誰なんだよ」
うんこ「それがヤンキーだったんだぞ」
男「えっ?」
男(俺と同じクラスの不良のどっちかってことか?)
うんこ「あいつはたしか……去年から見かけるからお前より上級生だぞ!!」
男(そういえば不良たちは怖い先輩がいると言っていたな…)
男「もしかしてそのヤンキーってサッカー部だったりするんじゃないか?」
うんこ「そういえばサッカーのユニホーム着て3人でサボっている所は見たことあるぞ」
男「ふーんで結局告白の結果はどうだったんだ?」
うんこ「振られてたぞ」
男「マジかよ…」
うんこ「その告白された可愛い子は他に好きな人がいるからって降ったんだぞ!!」
うんこ「正直大人しいタイプの子だったしあのヤンキーもまさか振られるとは思っていなかったみたいだから…」
うんこ「あの子が酷い目にあってないかちょと心配だぞ」
男「……」