ガキ「なんでわざわざ来たんだよ。家くそ遠いだろ」
ママ「……」
ババア「……」
ママ「ま、まあそれは後で話すわ。さあおばあちゃん、こちらへどうぞ」
ババア「悪いのう。お邪魔するぞい」
ガキ「……?」
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親父「母さん!随分と久しぶりだなあ」
ババア「おおお馬鹿息子、元気しとったかあ?」
親父「もうそろそろお迎え来てもいい頃なのに、さすが俺のママだ。しぶといはずだわ」
ババア「うるさいわい。お前も道連れにしたろかい」
ママ「まあまあ……」
ガキ「……」
ババア「……さて、わしが来た理由じゃがの。ガキよ、お前明日で18歳の誕生日じゃな?」
ガキ「……そうだけど」
ババア「我々の家系というか、風習ではの。男は18になったら成人の儀式を行う必要があるのじゃよ」
ガキ「……」
ババア「それを『フデオロシの儀式』と言うんじゃが。一般的な『筆下ろし』とは少し違う」
ガキ「筆下ろし?嘘だろ?まじ?」
ババア「……まあ、楽しみに待っておれ」
ママ「……」
親父「……」
ババア「さあ、わしをもてなしてくれ。長旅で全身が悲鳴をあげとる」
ママ「そ、そうですね。今準備しますね」
親父「……」
ガキ「よし、用件は終ったな。俺自分の部屋に戻るわ」