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工場長「へー、また有名人が来たもんやなぁ」
唐澤「ははっ……どうも……」
工場長「まぁネットであーだこーだ言われて疲れたんやろ。気持ちはなんとなくわかるで」
工場長「でもうちらも仕事なんでな。前の経歴関係なしに、こっちはこっちできっちり働いてもらうで」
唐澤「が、がんばります……」
工場長「おう。なんか辛いことあったらワシに言いや。狭い工場やけど、お互い頑張っていこうや」
唐澤「はい……!」
工場長「じゃあ早速作業に移ってもらおか。ちょっと着いてき」
唐澤「……」
工場長「ここがワシらの養豚場やな。どうや?かわええやろ」
豚「ぶひひひひんんんひんひんひひひヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
工場長「こいつら一匹一匹に名前があんねん。ワシらも愛情注いで育ててん」
唐澤(きたねぇ……)
工場長「おい花子、こっちこい」
花子「ブヒヒヒン!!」
工場長「おーおー。えらいじゃれつくなあ。ほら、こっちこい」
花子「フィィィィィィィィン」
唐澤「工場長、どこへ……?」
工場長「ん?」
ドアガチャ
唐澤「うっ……」
『拷問部屋』
その部屋を見た瞬間、そう思った
血が壁に張り付き固まっている
それに……
唐澤「臭いが……」
工場長「あぁこれにははよ慣れな、ここではやっていけへんで」
唐澤「はぁ……」
工場長「おら、花子。どうした?こっちにこい」
花子「ブッブッブッヒヒヒッ」ダダダダッ
工場長「こら花子!!ちょ、兄ちゃんなにボケっとしてんねん!花子捕まえ!!」
唐澤「あっ!はい!」ガシッ
工場長「よーしよし花子ぉ。抵抗せんと、大人しくしよな」
花子「ブヒヒンヒンンィィ……」
唐澤「あ、あの……」
工場長「なんや。まぁ、気持ちはわかる。わかるが、これは仕事や。仕方ないんや」
工場長「よし、花子、こっちこい…… 」
花子「ブブブブブン」
ドアバタン
工場長「オラアアアアアアァァ!!」
グシュッ
花子「ビビビビュュュヒ!!!」
唐澤「……ッ」
工場長「おら死ねや!!はよ死ねやあああ!!」
グシュッグシュッザシュッ
花子「ビクンビクン……」
工場長「はぁはぁ……」
唐澤「……ひどい」
工場長「……これがワシらの仕事や。こうして日本の奴らは豚汁を食ってるんじゃ……」
工場長「……」
グシャッネヂョッ
唐澤「……」
工場長「こうして!解体っ!してからなっ!」
ネヂョッザクッ
工場長「腸や心臓も!こうして!ちゃんと分けてな!」
ブチッブチッザシュッ
工場長「あっちの工場に持っていくんや。兄さんにはここで豚殺しを主に仕事としてもらうで」
唐澤「そ、そんな……」
工場長「豚の気持ちがわかるように、すぐそばで寝泊まりしてもらうで。ここまでなにか質問は?」
唐澤「質問っていうか……」
工場長「なんや。前の仕事と同じくらい金が欲しいんやろ?ならこういう汚い仕事せな、金はもらえへん」
唐澤「……」
工場長「わかったんなら、あと二匹やってもらうで。ひとつだけアドバイスするなら感情を持つな。ええか?無心でやれ」
唐澤「……はい」
工場長「それじゃ、あとは任せた。兄さんの居室は隣の部屋やから」
唐澤「……」
ドアバタン
唐澤「はぁ……。ワーキンに載ってた内容と全然違うじゃねぇか……」
唐澤「仕事……。仕事だ。これも仕事……」
ドアガチャ
豚「ブヒヒヒヒンヒヒヒヒヒヒ!!」
唐澤「きたねぇなぁ……」
豚「ヒンヒンヒンヒン!!」
唐澤「ん?注意書き……」
『檻には1~3の数字があり、数字が若いほど豚の年齢も若い。作業をする際は3の豚にしましょう』
『豚にはそれぞれ番号と名前があります。みんなの名前を覚え、愛情を持って育てましょう』
唐澤「愛情、ってもな……。いつか殺すんだもんなぁ……」
豚「ブヒイイイイイイイ!!」
唐澤「まぁ、あと二匹。頑張ろう」
『3の檻』
豚「フッフッフッンンフッ」
唐澤「えーと名前名前……」
豚「ブブンブリュブリュリュチッチ!」
唐澤「なんかこいつだけきったねぇ豚だなぁ。名前はなんだ?」
『リョウタ』
唐澤「……」
リョウタ「フブブブチュチブチャッ」
唐澤「おら、こっちこいや」
リョウタ「ブチチブチッ!!ブチチブチブチツッ!!」
唐澤「暴れるな。今すぐ殺してやる」
ドアガチャ
リョウタ「ブブンブリュブリュリュチッチフブブブチュチブチャッブチチュチヌュブリュッブリュブチッ!!」
唐澤「クソガッ!!」
グシュッ
リョウタ「ウウウンウンウン!!」
唐澤「てめーのせいで!俺の人生が!」
リョウタ「アジョオオオオオオオオ」
唐澤「クソクソクソガッ!!」
ズシュッネチャッ
唐澤「……はぁはぁ」
リョウタ「チーン」
唐澤「あとは、解体……!」
ーーーーーーーーーー
グチャッグチョッ
唐澤「あー終わった……。これかなり疲れるな……」
唐澤「この肉塊を台車に乗せて……」
唐澤「……」
唐澤「こんな仕事……」
ーーーーーーーーーー
工場長「おう、終わったか。あとの仕事はワシらに……」
唐澤「すみません、自分この仕事……」
工場長「……」
唐澤「……」
工場長「まぁ、最初はそうや。誰だって辛いものがある。けど、こういうことも誰かしらやらなあかんねん」
唐澤「でも……」
工場長「……本当に無理なら、やめてもええ。ワシは無理強いはせん」
唐澤「……」
工場長「一度居室でゆっくり考えたったらええで。それで本当に辞めたいなら、もう一度ワシの場所にこい。今日のノルマはこれで終わりにしとくからな」
唐澤「すみません……」
バイト「ん?工場長誰と話してるんや……?」
唐澤「……」
バイト「あいつはまさか……!!」
ーーーーーーーーーー
唐澤(確かに仕事内容は異常だ……)
唐澤(だが慣れれば……そうすれば前と同じくらいの金が入ってくる……)
唐澤(工場長も良い人そうだし、はやく慣れよう……)
豚「ブヒッヒッヒイイ」
唐澤「……」
豚「ウウウウウブブブ」
唐澤「……くそ、壁一枚隔てたくらいじゃ、防音効果は薄いか」
ドアガチャ
豚「ブヒイイイイイイイブッブッ!!」
唐澤「はあ……」テクテク
『1の檻』
唐澤「1の檻は子豚ばっかだな。良かったなお前ら。まだまだ時間あるうちに、楽しんどけよ」
子豚「ヒィヒィ!」
唐澤「よく見ればかわいいな……」ナデナデ
子豚「ブッブッヒイイ」
唐澤「こいつは、まだ名前がないんだな。よし、俺がつけてやろう」
子豚「ぶひひひひんんんひんひんひひひ」
唐澤「お前はトン子だ。今日からよろしくな、トン子」ナデナデ
トン子「ウウウンヒイイイ」
唐澤「……」
ーーなんJ
【朗報】ワイのバイト先に唐澤出現
J民『うそやろ』『場所どこや』
バイト「うひひ教えるわけないやん。まあヒントくらいはだしたろ」
バイト『ヒント①工場 ②豚や』
J民『豚?』『養豚場とか?』
J民『わかった。○○養豚工場やな』
バイト「ビクッ!な、なんで……」
バイト『んなわけあるか。じゃあ、ワイは消えるで』
ーーーーーーーーーー
唐澤「……」
それから俺は、豚を殺し続けた
人とは不思議なもので、この異常な作業にも何も感じなくなってしまう
豚「ブギャアアアアアアア!!」
グシャグシャネチョッ
唐澤「……」
豚「ブッブゥ……」
グチョッグチョグチョ
唐澤「……」
ーーーーーーーーーー
すまん眠い