加害者に対して約1億円の支払いが命じられたことも
9,521万円。9,266万円。この数字は、自転車での加害事故で、判決により加害者に対して支払いを命じられた金額です。
自転車事故の現状を知り、安全運転と万一への備えを考えてみませんか?
自動車事故のうち対人賠償事故については、原則として「自賠責保険」に加入が義務づけられています。
自賠責保険の保険金限度額は、1被害者あたり死亡3,000万円、傷害120万円。
ただし、自動車事故の対人賠償においては不十分であり、対物事故は対象外のため、多くの人は任意保険に加入しています。
その加入率は対人賠償保険、対物賠償保険で73.1%となっています(日本損害保険協会調べ2012年3月末)。
つまり、自転車運転中に自動車にぶつけられた場合、約4分の1の確率で、加害者は任意保険に加入していない、ということです。
一方、自転車については運転免許制度もなく、強制保険もありません。
しかし、手軽な乗り物である自転車も、いったん事故を起こすと、被害者だけでなく
加害者やその家族の生活も大きく変わってしまいます。冒頭の9,521万円の賠償事故の加害者は11歳の小学生
9,266万円の賠償事故の加害者は男子高校生でした。
未成年者といえども、加害者となった場合の損害賠償責任を免れることはできません。
損害賠償に備えるために有効な「個人賠償責任保険」
被害者に対する損害賠償に備えるために有効な保険は「個人賠償責任保険」です。
個人の日常生活において、他人の身体、財物に損害を与えた場合の損害賠償責任に備えるための保険で
火災保険、自動車保険、傷害保険などの特約で付保することが多く、保険金額上限1億円、保険期間1年程度の契約で
約1,000円~2,000円の保険料で備えることができます。
なお、自転車事故の加害者となった場合、自賠責保険や自動車保険では補償されません。