>>147
受話器越しにパのマシンガンのような語りを聞きながら、時折平静を装ってあいづちをうつが、
ブは顔が火照っていた。
……変な夢を見た。
パとラブホテルで抱き合う夢。
どうせ夢ならもっとお洒落なホテルに入っておけば良いのに、なんでよりによってあんな…とブは思った。
…今日は夕方まで相方とネタの相談をして、別れて、帰宅して晩御飯を食べて、
自室でちょっと休むつもりで横になったらそのまま寝てしまったらしい。
最近、パからこんな恋の悩み相談の電話をうけているから、だから、おかしな夢をみたんだろうか…。
でも、なんであんな…。
あのような夢をみてしまうなんて、いくら夢とはいえ、ドキドキする。
受話器の向こうのパと、キスする直前だった。
そんなこと現実には勿論したことないのに。
受話器の向こうのパは恋の悩みを真剣に涙まじりに語っている。
その言葉がふと、途切れた。沈黙が、続く。
「…どうしたの?」
とブが聞く。
「あのさあ」
と、受話器の向こうから、ちょっと緊張したパの声が聞こえる。
「…おで、その女より、今は、お前の方が好きになったかもしれない」
……おでとコンビを組んでくれないか。
と、涙声のパが言った。
おわり。