香菜美「............チャン......?」
キイキイと奇怪な機械音を立てながら、"ソレ"は近づいて行く。
おっさん「俺......。なにか来るぞ」スッ
俺「......分かってる。またDrヘルメスの手先だろう」チャキッ
香菜美「アァ......ォレチャン......オレチャンダァ......」
俺「......!」
俺「まさか......。......香菜美?......香菜美なの......か?」
香菜美「ウン ヮタシ ......カナミ ダョ?」
おっさん「......なっ!香菜美ちゃんなのか......?」
そこに居たのは、変わり果てた姿の彼の恋人だった。
片側の目玉を抉られた生首、それを支える無機質な身体、所々から延びる管、錆び付いた車輪、血だらけの凶器を握る、球体関節のついた六本の腕。
彼の愛した女性は、悪趣味かつグロテスクな唐栗人形と成り果てていた。
香菜美「ウフフフ ウフフ オレチャン アソボゥヨ」
おっさん「......俺よ。ここは私が......」ヴォン
俺「......いや。いい」スッ
おっさん「!?......しかしアレは......いや、彼女は......」
俺「......ああ。香菜美は......香菜美は2度死ななきゃいけないんだな......そして2度目はヘルメスじゃない。......俺が殺すんだ」
おっさん「......くっ。ダメだ!やはり俺が!」
俺「......俺がっ!あのとき香菜美を守れなかったから......だからこうなってしまった......。香菜美を......あの優しかった香菜美をイカれた殺人人形にしてしまったんだっ......!!」ギギギギ
俺「......だから俺が救済う...。アイツを......香菜美を正しい魂の姿で送ってやらなきゃならないっ......!!」ゴキンッ
おっさん「待て!そんなことをしたらお前が.....お前が壊れてしまうっ!」バッ
俺「......おっさん」
俺「......心配してくれてありがとう。だけど。これは俺がやらなきゃ。俺のけじめなんだ。」スッ
おっさん「......俺......ッ」
俺「大丈夫。俺は壊れないさ。これ以上だれも犠牲にさせない。誰も泣かせやしないッ......!!」
香菜美「ギャギャギャ! オレチャンオレチャンオレチャン!」
俺「......ごめんな。一瞬で終わらせるからな。香菜美......」ゴゴゴゴ
俺「ハァァァァァァ!!!!」バッ
俺「-余延話拒了斬(チャットパッド・ブレイク)-!!!!!!」
ザァァァァン