俺が中2の時にひぐらしにハマって書いた痛い小説読みたい? ID:CiC45d3A

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:28:59.33 ID:CiC45d3A

読みたくないよねそんなもの

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:32:34.93 ID:CiC45d3A


 車窓から顔をのぞくと、11月の冬に入ろうと意気込む風が僕にぶつかってきた。
 カーナビを見るとZ県を指している。
「約束の地」までもうすぐだ。

「これは?」郵便受けに入っていた謎の住所の紙。

 そこには、「Z県田沼郡川本町坂木地区」と書かれてあった。
 もちろん僕はそんな住所も知るよしもなく、
 一度も家の中では話題に出る事はなかった。
 もともと寡黙なお父さんだからしょうがないか。

「今後のお前の住所だ」

 寡黙なお父さんは一言それだけを呟き、
 今日まで至ってしまった。

「着いたぞ」
 お父さんに肩を揺さぶられる。

  どうやら寝ていたようだ。
 ドアを開け、砂利を踏む。
 周りを見渡しても、家らしき物はなかった。

「家はここにある」
「あとで細かい荷物は届く。銀行口座は近くにある郵便局を使うといい」

 ここの地区の地図をくれた。

「わかった」

 一人暮らし、か。
 お父さんは車に乗り、もと来た道に戻ってしまった。

 家までの道のりは遠かった。
 目印となるものがなかったからだ。
 周りを見渡しても山、山、山。まるで自然の要塞だ。
  家は築4~50年くらいか。
 よくある民家だ。ただ恐ろしくボロい。
 窓はひび割れ、玄関の扉は腐りかけ。
 15の少女にはあまりにも不釣り合いだ。

 扉をガラガラと開け、家の中に入る。
 床がひんやりと冷たい。
 とりあえず肩に掛けておいた旅行用かばんを置いて、
 さまざまな場所を見てみよう。
 幸いにもトイレは改装されており、洋式だ。
 もう夕方にも近い頃だし、明日のごはんを調達せねば。
 来る途中にコンビニがあったはず。
 コンビニは日本中にどこにでもあるのだということを再確認した。

  コンビニはいたって普通で、どぎつい色の看板、「パーソンマート」の文字がまぶしい。
 入ってみたらカウンターで一人、店員がぼーっと突っ立っていた。
 僕はそんな店員を尻目に、パンのコーナーに向かおうとした途端、何者かがぶつかってきた!

5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:35:27.11 ID:CiC45d3A

「すみません!」
 ぺこり。女の人が突然に謝ってきた。

 僕より年上か?でも若くて綺麗な人だ。
 髪は僕とは対照的なさらっとした長髪。唇は薄ピンク。生命の息吹を感じさせるような人だ。

「は、はあ。こちらこそすいません」
 一応謝り返しておくか。

「あれ、例の麻耶さん?」
 僕はこんな知人を知らない。

「だ、誰ですか?」

「ごめんなさい。実は、こんな田舎に引っ越して来た人って、戦時中の疎開以来だから、ものすっごく珍しいの」
「だからもう、住民の全員が知っていると言っても過言ではないのよー」

「ええ!?」

「まあ、続きは私の家でしましょ」

 その少女の家は坂の上にあり、こじんまりとした洋風の家だった。
 2階には大きな窓があり、豪邸とは言えないが、僕のとこよりかは断然いいだろう。
 庭には、大型犬がスヤスヤと寝ている。

「はやく来てね」
 ドアを開けて少女はニッコリと笑った。

「じゃないと、大変なことに…」
「えっ?」

 僕は「えっ?」と呟いた後、「大変な事」というのが何なのかを悟った。
 黒い獰猛そうな大型犬が僕ににじりよって来たのだ!

「うひゃああああああああああああああっ!」

 僕は玄関まで走った。

 しかし時すでに遅し、大型犬は僕を突き飛ばしてペロペロ舐め始めたのだ!、ってあれれ・・・。
「ほーらアインシュタイン、人をペロペロ舐めないの」

 少女が犬と仲良く戯れている。
 あれれれれれ…?

「そういう事なら早目に言ってくださいよ」

「いやあ、ごめんなさいね。あの子は小型犬として飼われてたんだけどスクスクとあそこまで大きく成長しちゃってね
 それで性格が今でも小型犬のままってわけ」
 僕でも小型犬と大型犬とは見分けがつくと思う。

「伝え忘れたけど私は森和美。君と同い年」

「知っての通り僕は崎田麻耶。よろしく」

「こちらこそ」
同い年なのか。しかし僕より確実に大人びている。

「お母さんとお父さんは?」
「仕事中なの」

 沈黙が続く。
 お茶菓子のクッキーの二袋目を開けた。

「ああ、そういえばこの町についてしらないよね?」

「ええ」

「よし、教えてあげたろー!」

 その後まるで呪文のように説明された。
 地元っ子しか知らないような秘密基地や、
 食品が安く買える場所、そして学校の場所。
 説明が終わったのは、夜の6時を越えていたと思う。

「それじゃ」「では、また学校で会いましょう」

 玄関先で彼女は手を振ってくれた。
 やはり笑顔というものはいいなぁ。
 家に着いたら、突如として眠気に襲われ、そのまま冷たい地面で寝てしまった。

7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:38:49.03 ID:CiC45d3A

 僕は夢を見た。
 星や、月、人までもが自分の心臓に吸収される夢。
 自分はいい気になっていた、そんな気がする。
 
 野鳥の声が大きすぎて飛び起きてしまった。体が少しこわばっている。
 とりあえず、昨日コンビニで買っておいたカレーパンを一口ほおばる。
 カレーのスパイスが口内に広がり、
 じゃがいも、にんじんがところ狭しと口の中に入ってくる。
 
おいひい。カレーパンは人類の味方だ。
 一息ついて、僕は身なりを整える事にした。
 リビングにはもちろん何もない。がらんどうだ。
 布団やらは数日後に届くと言っていたため、
 今日もまたゴザ寝になるかと思うと気が重くなる。

  ベルが鳴った。
 扉を開けたら、そこには和美ちゃんが立っていたのだ!

「な、何故僕の家を」
「家の場所とかも知れ渡っているわ」
「そして、何故ここに?」
「決まってるじゃない、今日学校よ」

 頭の中のカレンダーは見事に月曜を指していた。
 初日からか…

  僕達は学校に向かって走っていた。
 走っても歩いても遅刻は遅刻なのだが…
 じゃり道が僕らのスピードの邪魔をする。
 そうして目の前に古い学校が現れた。

  「ここがまだ坂木村だった頃、そのときの村長さんが教育熱心な方で、人口もそんなにいなかったのに学校を作ったのよ。
 今では市の文化財に登録されてるわ」
 そして、和美ちゃんは扉を開けた。
 
 「ようこそ、われわれの『大本営』へ」
 こうして、僕は足を踏み入れたのである。

8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:42:09.37 ID:CiC45d3A

  中は静かで人の気配は感じられなかった。
 しっかし古い建物だ。ふわり、と古い木の香りがしてくる。
 入り口には創立当初からあるんではないかという大きな古時計。
 入って奥には職員室、か。

『1-1』とかけられているクラスの前に立つ。
 今までの僕とはとは違う。
 新しい僕を見せつけるんだ!!

  僕は何故か濡れていた。一瞬の出来事だった。
「…何故こうなってしまっているのか説明してくれ」
「えへへ…ごめんね」
 ごめんねじゃないよ!!
 入って来た僕に目掛けて水鉄砲を浴びせかけたのだ!!
「まあ、このクラスの暗黙の了解だからねー。私も数年前やられたし」
 タオルを手渡され、体を拭く。
 女の子の優しいかおりだ…いい。

  「では、自己紹介をしてもらいます。麻耶さん、よろしくね」
 先生が僕に目配せをする。
「はい。僕は崎田麻耶です。よろしく」
「いや、それだけじゃなくて」
「あ、はい。趣味はナシ、特技もナシ。好きな食べ物は嫌いな食べもの以外の物です
ちなみに嫌いな食べ物は肉の脂身とジャンクフードです、よろしくー」
「はいよろしくねー」
 あまりにもつまらなかったのか先生はそういって切り上げてしまった。
 ぶう。

  「席は森さんの隣ね」
 和美ちゃんは空を眺めていた。
 座って周りを見渡す。
 下は小1、上は中3と幅広く在籍している。
 過疎だからしょうがないのか。
 個別指導の塾みたいだ。先生もつらそうだなぁ。
 そんな事をもんもんと考えていたら、
 肩をポンポンと叩かれた。
 その手は和美ちゃんだった。
「ん?」「教えて。ここ、できる?」
 数学の問題を見せてきた。
 もうこの範囲は前の学校では一年前に習い終わった場所だった。
 適当にかいつまんで教える。
 教えた後、和美ちゃんは目を輝かせて僕をみていた。
「スゴイ…」
「でも今の3年生なら、もう知ってなきゃだめだぜ?」
「え、そうなの?」
 これはお先が真っ暗だ・・・。
「仕方ない、僕が最後までおしえるよ」

「ふう、これでいいかな」
 範囲を終わらせたのは、夕方も暮れそうな時間だった。
 僕より和美ちゃんの方が疲れているようだ。
 和美ちゃんはふらふらになって教室をでていった。
 僕も帰ろうかな。
 しかし、走って片道五〇分はかかる道か。
 田舎とは凄いものだ。

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:43:02.24 ID:CiC45d3A

 帰宅すると、大きな箱が二つ置いてあった。
 ずしん。これはたぶん布団かな。
 やっと布団のうえで寝ることができる。
 今一度布団の大切さを考えさせられた。
 夜食のカップラーメンをほおばる。
 全国共通の味という安定さが僕の心を落ち着かせた。

「ピンポーン」。不安定さ抜群のベルが鳴る。
 新聞ならお断りだ。
 僕は麺をすする手を止め、最後の砦、ふとんにもぐり込んだ。
 しかし、不安定な音はとめどなく鳴り続ける。
 新聞勧誘ならここまではしない。
 ならば、犯罪者か…!
 と思った矢先、ドアを開ける音が!
 しまった!カギを掛け忘れたか!
 ゲームオーバー!僕の冒険はここで終わってしまった!
 んなわけないない!
 僕はフライパンを手にとった。
 敵まで後数メートル、まだ姿は見えてこない。
 気配が動いたら、敵の頭を打つ!打つ!打つ!
 シミュレーションを繰り返した。
 よし、できる!

 敵の正体は和美ちゃんだった。
 作り置きの夕飯の皿を置いているところだった。
 そんな彼女の前に発狂して飛んでくる僕。
 端から見れば非常に滑稽かつカオスな場面だが、
 当の本人から見ればまったくもって恐怖の瞬間である。
 彼女はそそくさと皿を置き、挨拶もなしに帰ってしまった。
 美味しそうな焼き魚がこの場面の悲壮さを増長させる。
 僕は何も言えず、凶器のフライパンを持ったまま立ち尽くしてしまった。

  昨日は和美ちゃんに何て弁明しようかと頭をめぐらせていて、眠ることができなかった。
 ボーッとしつつ学校までの道を辿る。
 道を楽に覚えられる才能は両親に感謝しないといけないな。
 1-1のドアを開く。変わらない。掟通り、か。
 先日と同じように、て、あれ、和美ちゃんはいない。
 どうしたことか。
「先生、森さんがいません」
 先生は何事かと考え、思い出したように言った。
「ああ、そうだ。森さん今年のササゲミだったね」
  ササゲミ?初めて聞いた言葉だ。
 しかし、危なそうな事だけは分かる。

「ササゲミって、何ですか?」
「ああ、ササゲミっていうのは、古代からここに伝わるならわしでな、おっと授業開始だ。放課後に職員室に来てくれ。続きを教えてあげよう」
 いいところで切られてしまった。
 授業という名の自習時間をこの「ササゲミ」について考えていた。

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:52:22.62 ID:CiC45d3A

なお今現在文章力は著しく退化している模様

14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:55:48.00 ID:CiC45d3A

 授業が終わって夕日が穏やかに照りつけている頃、職員室の前に僕は立っていた。
 急に雷を含んだ雨が降ってきた。夕立だ。
 地球温暖化もここに極まれり、か。
 窓を開けっぱなしにしていたので、窓を閉める。
 窓の外に人影がいた。傘もささないとは、まあ、忘れたんだろう。
 しかし、なら何故雨宿りをしないんだ?
 実に不思議だ。
 
 ふと目を離した隙に人影は消えてしまった。
 幻覚なんだろうか。

 職員室というプレートが掛かっているドアノブに手をかける。
 が、まったくもって活動していない。生き物の気配すら無い。
 普段(昨日だけだが)はコピー機やら何やらがせわしなく動き、
 外からでも先生としての職務をまっとうしている様子だった。
 しかし今は・・・
 イヤな予感がした。
 僕は勢い良くドアを開け、突撃した!

 遅かった。僕はあまりにも悲惨な現場に呆然と立ちすくんでしまった。
 文書の書類は辺り一面に散乱し、
 物が投げられた跡、そして黒板にある手形の血痕。死体は・・・ない!
 真面目そうなあの先生がそんな事をするはずがない。

『何者かに連れ去られた?』

 僕はぞっとした。

 何故先生を?
 そんな馬鹿な、大の男を消すなんて、誰にでもできることではない。

 その時、人影が!
 僕は机の中に逃げ込んだ。
 二つの人影が見えた。部屋の中に入ってきたらしい。
 なにやら会話をしているようだ。
 耳をそば立てる。

「奴の記憶消去は、できているな?」
 こんな田舎では聞くはずもない、人工機械の声だ!

「ああ。もちろん。今後もそうやっていくんだろうに」こっちはしゃがれた肉声だ。
「一人目がこれなら、まあまあ今後も上手くやっていけるだろう。期待しているぞ」
「ああ」

 そうして奴らは部屋を出て行った。

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/11/30(月) 23:59:34.20 ID:CiC45d3A

 心臓の鼓動が鳴り止むまで二時間以上あった気がする。
僕は急いで立ち上がった。逃げなきゃ殺される!
 廊下に出てみると、もう人影はいなかった。
 急いで家に帰った。尾行されている気配はない。
 幸運だった。

 僕は事件の整理をした。
 ①、僕が来る前に夕立が降っていた。5時10分くらいか?人影がいた。
 ②、入ったら誰も居らず、荒らされた形跡があった。
 ③、そして謎の二人の声。(一人は機械の声。)
 よし、これでOK。
 ああ、ここには電話は無かったな。
 公衆電話があったはず…犯人達は僕のことも見ていなかった。
 つまり、公衆電話で通報してもバレないはずだ。
 僕はコンビニに急いだ。電話ボックスが隣にあるはずだ。

 いつもは押してはならないボタンを押す。非常時だ。
「もしもし!!」
「はい、こちらは川本町交番。どうされました?」

 僕は事細かに状況を説明した。
 先生が消えたこと、室内が散乱していたこと、そして謎の人、血痕のこと。

「…ですから、できるだけ早くお願いします!」
「はい、分かりました。今から行きますので」
 よかった。これで犯人は捕まえられるだろう。
 僕は一息ついて、家に帰った。

 翌朝、学校に行った。
 いつも通りの学校だった。
 
 …いつも通り?嘘だ、絶対そんな事!
 僕は走って教室に殴りこむ。
 遅刻か!授業をしていた。
 
 ?若い女の先生と一緒に?
 先生はどうなったのか?
 僕は女の先生に突如聞いてみた。
「先生、前の先生は?」
「え?前から先生は私よ?先生の顔、忘れちゃった?」
 ―そんな馬鹿な…。
 僕は崩れ落ちた。
 
 事件はそもそも無かったようにされたのだ!


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