評価
砂層型については基本計画にある「平成 30 年度を目途に、商業化の実
現に向けた技術の整備を行う」を目標に次回の長期産出試験の実施に
向けて研究開発を工程表に基づき実施されており、当初の計画通りに
着実に前進させることを期待する。特にこれ迄明らかになった技術課
題の克服には、我が国の民間企業や大学・研究機関の幅広い協力が不可欠である。
砂層型について、第 1 回海洋産出試験及び今後の技術検討等において
も民間企業の参加が増大していることは評価できる。これは、世界で
Only One の技術、R&D の要素が多分に含まれる技術であるにも拘わ
らず、幅広い情報開示をおこなってきた成果だと言える。
同計画の中で、民間企業が連携してメタンハイドレート開発の民間会
社が作られたことは、計画全体を着実に前進させ民間に引き継がせる
上で重要な出来事である。今後とも官民が連携し、海洋産出試験(第二
次や中長期)等を着実に進めることで、技術的な知見の共有を図り、産
業化を進められるよう、国は早急に、短期・中期の具体的な作業計画と
官民の役割を明確に提示し協力体制を構築することが必要である。
いずれにせよ、メタンハイドレート開発において最も重要なことは、貯
留層の管理、生産に係る技術であり、これには現在実施している調査を
民間の協力を得つつ着実に前進させるとともに産業化の主体となる民
間企業の主体的な参加を促す施策が重要である。