円安基調を予想する専門家の間でも、15年末の予想水準については「125円」(田中泰輔・ドイツ証券チーフ為替ストラテジスト)、「128円」(佐々木融・JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部長)などとする見方が多く、過去2年間に比べると円の下落幅は縮小しそうだ。「米利上げ時の株価動揺や地政学的リスク顕在化などで、円がいったん買い戻される局面もありうる」(田中氏)という。
豪ドルやユーロに対しては、単純に円安が進むかどうか予断を許さない面がある。原油など商品市況の低迷は資源国通貨とされる豪ドルには逆風となるし、ECBがいよいよ量的緩和に踏み切るとなると、ユーロにも下落圧力がかかりそうだ。いずれも、円売り・外貨買いの持ち高が利益を生むとは限らないことを意味する。
14年の「好成績」に気を緩めることなく、各国・地域の経済情勢や金融政策をこれまで以上に細かいフォローする——。これが15年のミセス・ワタナベの課題といえそうだ。
(了)