【秋葉原事件】の本のアマゾンのレビューを読むスレッド #18

18番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2024/06/23(日) 17:42:26.02 ID:???

これは、2008年の秋葉原事件の加害者の書いた手記である。
事件に至る経過や加害者の心理・人格の自己分析がなされている。
内容は自己中心的であるが、この種の事件に関する
加害者の手記としては珍しい。
 
加害者は、精神医学的には人格障害者に分類されるだろう。
しかし、そのような分類をしたところで、
何かがわかるわかるわけではなく、
「普通の人間とは違うところがある」というだけのことである。
 
この本の中で印象的なことは、加害者に「他人はどうでもよい」と
いう感覚が強い点である。自分とは関わりのない人間に
対する感情がほとんどないか、あっても機械的である。
人を殺すことも万引きをすることも、
加害者は「してはないけないこと」と考えるが、
それは、そのように決められているからしてはいけないのであって、
それ以上の価値観は加害者にはない。

他人に対する情愛や感情が欠落しているのは、人格の欠陥であるが、
それは社会との関係にも表れる。
加害者の社会との関係は極めて稀薄、貧弱である。
他人に対する感情がなければ、他人をモノのように扱い、
自ら人間であることをやめてしまうことになる。
しかし、事件の状況を語る場面では、ほんの僅かだが人間と
しての気持ちもあったようである。
 
人を殺してはいけないのは、社会がそのように決めている
からであり、戦争や死刑の執行時には殺人が許容されたことは、
歴史的事実である。
しかし、被害を受ける者の痛みや気持ち、
苦痛を感じる感受性のあることが、他人への危害を
防止することも事実である。ほとんどの者は
そのような気持ちを感じることができるからこそ、
犯罪を行わないのであり、それが人間の人間たる所以である。

他人の痛みや気持ちを理解し、それを配慮する感情がなければ、
健全な社会は成り立たない。
 
加害者に人間的な情愛が欠けているのは、
成育過程、気質、社会環境等が関係しているのだろう。
加害者は、母親の行った躾について再三触れているが、
その影響は無視できないにしても、それが事件の「原因」ではない。

誰もが、最初は、親子関係を通して人間性を学ぶ。
親子関係がゆがんでいれば、他人に対する情愛が生まれにくい。
この種の厳格な親や変わった親はけっして珍しいものではないが、
ダメな親のもとでもりっぱに育つ人間はいくらでもいる。
 
加害者には被害者に対する真剣な反省の気持ちや罪悪感がない。
加害者は、言葉のうえでは、「申し訳ないことをした」と述べるが、
その気持ちが伝わってことない。

加害者の自己分析は、まるで他人事のような印象を受ける。
「人間の欠陥」と言ってしまえばそれまでだが、
このような人間を生み出さないためには、
どうすればよいのかを考えさせられる。


スパムを通報

このレスがスパム・荒らしである場合は以下のボタンをクリックして通報してください。
(同意できない意見などに反対票を投じる機能ではありません)
通報

このスレッドを全て表示


レスを書き込む

このスレッドはID非表示です。