折しも日本では新しい少額投資非課税制度(NISA)の導入を決め、資産運用立国に向けて地ならしをしていくタイミングだった。その後も日本の順位は下がり、23年9月の第34回調査では20位となっている。
「代わりになる指標が必要だ」。危機感を抱いた金融庁が国内外の調査会社にあたったところ、森記念財団が従来発表してきた都市の総合力ランキングに合わせて、国際金融都市をテーマにしたランキングを準備していることに行き着いた。日本経済新聞社が主催した10月の「金融ニッポン」のシンポジウムでは、鈴木俊一金融大臣が新しいランキングへの期待を述べる一幕もあった。
大臣発言から1カ月後の11月、森記念財団は独自の国際金融都市ランキングを初公表した。1位ニューヨーク、2位ロンドンはZ/Yenと変わらないが、3位に入ったのは東京だった。