その上の部分で、阿字観っぽい修法への言及もある
・真言の密意(2/3)
「般若理趣経」に言う。――仏は、「密教における、梵字を観想する修法」の一つである、字輪を転ずる智慧の教えをお説きになった。
「般若理趣釈」に言う。――これは、文殊師利菩薩の別名である。「字輪を転ずる」とは、字輪の瞑想を意味する。
――「もろもろの存在は光明である、智慧によって、さとりを完成することが清らかであるから」というのは、一切義成就曼荼羅のなかの、宝利菩薩の瞑想である。
だから、「六波羅蜜経」に言う。――文殊菩薩をして、仏の説かれた智慧の教えを保持せしめる。