中央大学の山田昌弘教授(家族社会学)は「日本では一定の経済水準が見込めなければ結婚しないという意識が強い。働き方や家族の姿は多様化しているのに、制度も意識も『正社員と専業主婦』いう昭和の家族モデルを前提にしたままだ。どんな働き方、暮らし方だろうと、若者が希望を持てる仕組みに変える必要がある」と指摘します。
20年以降、コロナで人との接触や密を避ける生活が続いています。男女共同参画白書によると、20代独身者のうち、中学を卒業してからこれまでにデートをしたことがない男性は40%、女性は25%いました。
日常生活を取り戻すなかで出会いの機会は増えるでしょう。しかし、経済環境が厳しいままでは家族を持つことへの期待や意欲自体が減退しかねません。
昭和の時代の1980年、50歳時未婚率は男性2.6%、女性4.5%でした。いま日本は全く違う地平に立っています。社会の変化に対応した新たな制度設計が求められています。
(編集委員 辻本浩子)
<おわり>