(一部抜粋)
運動を続ければ、ダイエットになるのだろうか。医学博士のジェイソン・ファン氏は「運動で燃やせる脂肪は5%が限界だ。食べた以上に動けばやせるというのは科学的に間違っている」という――。
■毎日4時間運動してもやせない理由
ピーター・アッティア医師は〈ニュートリション・サイエンス・イニシアティブ〉の共同設立者だ。この組織は、栄養や肥満の研究における科学的分析の質を向上させることを目的として設立された。数年前まで、彼は長距離を得意とする水泳選手で、ロサンゼルスからサンタカタリナ島まで、およそ40キロ泳ぎきった十数人のうちのひとりだった。
彼は、運動選手にとってはごく一般的な高炭水化物の食事を摂り、毎日3、4時間の練習を丹念に行っていた。それなのに、当時の彼は自分が最適だと思う体重を18キロオーバーし、BMIは29で体脂肪率は25%だったという。
だが、運動をしていれば体重が減るはずではないのか?
カロリーのバランスがとれていないこと――摂取カロリーの増加と消費カロリーの減少――が肥満になる原因だとされている。だから、私たちは、体重を減らすには運動が最も大切だと信じてきた。運動量を増やせば、摂り過ぎたカロリーを燃やせるはずだ、と。
■「運動人口が増えても、太った人は減らない」統計データ
1950年代になると、心臓病への懸念が広がり始めたこともあって、身体活動や運動についての関心が高まり始めた。
運動をする人が増えたことで、肥満率は当然、減少するだろうと思われた。
ところが、問題があった。運動する人が増えても、肥満率の減少にはまったく効果がなかったのである。
■イタリア人の肥満率はトレーニングに励むアメリカ人の3分の1
肥満率の上昇は世界的な傾向だ。最近実施された8カ国を対象にした調査では、年間の運動日数は世界平均で112日だったところ、アメリカ人は最多の135日だった。
オランダ人が最も少なく、93日(※3)。どこの国でも、人が運動をする主な目的は体重を減らすことだ。
こうして運動をした結果、肥満率の減少につながったかって?
よくぞ聞いてくれた。年間の運動日数が少なかったオランダ人とイタリア人についていえば、ダンベルを使ってトレーニングに励んでいるアメリカ人に比べて、肥満率は3分の1にとどまっている。
米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを見ても、問題は明らかだ。2001年から2011年にかけて、運動量は総じて増えている
だが、むごい真実がここにある。運動量の増減にいっさい関係なく、肥満は増えている。運動量を増やしても、肥満は減らなかったのだ。
では、視点を変えて子どもの肥満を減らすのに、運動は有効だろうか?
端的に答えれば、有効ではない。2013年に発表された論文では、3歳から5歳までの子どもの運動量(活動量計を用いて計測された)となぜうまくいかないのだろう?
体重が比較されている(※5)。執筆者は、「運動と肥満の間には何ら関連が見られない」と結論づけた。
(全文はソースで)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3eadcb4b8e53869c10621e62fe901ffa684fb158
11/11(木) 9:16配信 プレジデントオンライン