黒染め強要、ツーブロ禁止、下着の色は指定…日本の学校の「理不尽な校則」がなくならない理由
(一部抜粋)
「政府がダメだと言っている」
髪色はもちろん、頭髪の形にもこだわる学校が多い。
ボサボサにせずに常に整えるようにという話や、男子生徒の長髪禁止というだけなら、まぁ分からなくもない。ただし、ボサボサでだらしないとは言えないはずの、ツーブロックは禁止にする学校が多いようだ。
この記事を書くために校則にまつわる様々な報道や記事をチェックしたが、なぜツーブロックがダメなのかという理由で一番振るっていたのが「ツーブロックは政府がダメだと言っている」というものだった。
ただ、東京都教育委員会の教育長が予算特別委員会の中でツーブロック禁止の理由を「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがあるため」と答えることもあったので、政府とは異なるものの、こうした「上が禁止している」というのは一部の教師がその場しのぎで適当な事を言ったのではないようだ。
僕は校則には全般的に「浮いた存在にならない」「目を付けられない」という考え方があるように思う。
髪色にしても、ツーブロックにしても、下着の色にしても、他人とは違う格好をすることで浮いてしまうことを防いでいるように思える。
しかしそれは一方で、こうした矛盾もはらむ。
浮くと攻撃されるから、生徒が周囲から浮かないような校則を作る。しかし校則で浮くことを罰することによって、より浮くことが悪いこと、間違ったことであるかのような認識が生徒に生まれてしまい、ますます浮くことを理由にした攻撃が発生しやすくなってしまうのである。
そして時には教師自身が浮いた生徒に対し、校則を理由に攻撃し不登校に追いやることまで行ってしまうのである。
そんなものは教育ではない。
浮いた子供でも、その個性をみんなで認めて、受け入れたり、多少の距離を取ったりしながら、うまくやっていくのが真っ当な社会である。子供たちに社会性を学ばせるためには、他人との違いを受け入れる方向性のある校則が必要なのである。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89200
赤木 智弘