栄養ドリンクのCMから「疲労回復」の言葉が消えた深いワケ
https://diamond.jp/articles/-/284501?page=5
われわれは疲労の負荷をかけたマウスに抗酸化物質を与え、心臓、腎臓、肝臓、肺など全身の組織の疲労因子を測定してみました。すると、消えていたのは肝臓の疲労因子だけで、他の臓器の疲労因子は全て残っていました。
「疲労感」を脳に伝える役割を果たす炎症性サイトカインのほとんどは、肝臓で作られることが分かっています。そして、抗酸化物質で消すことができたのは、肝臓の疲労因子だけでした。他の臓器の疲労因子は消えていない。
 つまり、抗酸化物質によって抑えることができるのは疲労感だけで、体中の「疲労」はそのまま残る。
それなのに、抗酸化物質で疲労感を抑えたまま働いたり、運動し続けたりしたらどうなると思いますか。無自覚なまま全身に疲労がたまり、ある日ぱったり倒れてしまう。最悪過労死に至ります。疲労感は、われわれの体を守るために「休め」と命じる大切な生体アラームですからね。