米Twitterは現地時間の21日、独自の調査でアルゴリズムを研究した結果、右派の政党に関連したツイートについて、左派からのツイートよりも増幅しがちだとわかったと述べた。
Twitter社は世界7カ国の政治家によるツイートやニュースメディアのコンテンツを調査。すると、自社の推奨アルゴリズムによって、右派のアカウントによるツイートが左派のツイートよりも増幅されていたという。つまり、右派のコンテンツほどアルゴリズムが“推す”傾向にあったとしている。
現在Twitterでは、利用者のホーム画面に表示されるツイートについて、最新ツイートが上に表示される時系列順か、自社アルゴリズム順か利用者が選べるようになっている。AIの力を利用したアルゴリズム順では「トップツイート」や「おすすめツイート」を優先的に表示。知らないうちに目に止まりやすい構造になっている。
Twitter社によると、7カ国中6カ国で、政治的右派がより増幅されている結果が出たという今回の調査。Twitter社は今年5月にも、サムネイルの切り出しシステムについて「黒人よりも白人を優先的に表示する問題を抱えている」と発表。AIは中立ではないのだろうか。
ニュース番組に出演した桜美林大学教授でジャーナリストの平和博氏は「AIが“中立”は幻想だ」と語る。
「AIというのは、最初にたくさんのデータを読み込ませて、学習をしていきます。データはすでに世の中にあるデータで、世の中に何か“歪み”や“偏り”があれば、それもAIが学習します。そもそも“AIは中立”ではないんです」(平和博氏・以下同)
この問題について、Twitter社のソフトウェアエンジニアリングディレクターのラマン・チョードリー氏は「それが『起きている』のは判明したが、なぜそうなるのかはわからない」とコメント。「ユーザーの意図による面もあり、プラットフォーム上の人々の行動による面もあるが、その原因はわからない」とした上で「ただこの情報を人々に共有することが重要だと考えた」と明かしている。
https://times.abema.tv/articles/-/10004414