科学の危機が映し出す社会の危機――マートン規範と宮崎・早野論文 #2

2番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2021/05/28(金) 22:19:02.54 ID:JHQvoLoH

 今年2月に早野龍五著『「科学的」は武器になる』(新潮社)という本が出版された。早野氏は,福島県伊達市民のガラスバッジによる外部被曝線量測定データを用いて作成されJournal of Radiological Protection誌に2016年12月と2017年7月に発表された2本の論文,いわゆる宮崎・早野論文の著者の一人である。この論文は,データ提供に同意していない市民のデータを研究に使用したという理由で2020年7月に撤回されている。この2つの論文に対しては,4つのLetter to the Editor(同じ論文誌に発表された論文についてコメントする論文)が投稿され,いずれも正式なacceptまたはprovisionally accept(著者の応答を求め応答と一緒に出版すること)になっていた。4つのLetter to the Editorは論文における数十の不整合を指摘しているが,とりわけ重大なものとして,著者には渡っていない期間のデータに対応する図が論文中に複数掲載されていることがあげられる。早野氏と宮崎氏は,伊達市から提供されたデータを第2論文が出版されてから1年強で廃棄している。また著者たちはこの4つのLetter to the Editorに一切の応答をしていない。また,応答しない理由の一つは早野氏によればデータがないことである。
(続)

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