AI スマホに指当たる音で文字推測可能に 対策必要か
スマートフォンで文字を入力する際に、画面と指が当たるごくわずかな音をAIで解析すると入力された文字を高い精度で推測できることが静岡大学のグループの研究で分かりました。グループでは新たなセキュリティー対策が必要になる可能性があるとしています。
これは静岡大学の西垣正勝教授らのグループが28日、高知市で開かれた学会で発表しました。
グループでは、スマートフォンに文字を入力する際に指や爪が画面に当たってわずかに音が鳴ることに注目し、実際のスマートフォンで「0」から「9」までの数字をそれぞれ100回ずつ入力して、その際に出る音をAIに学習させました。
そして、実際に画面をタップしてその音から、どの数字を入力したのかAIに解析させたところ、95%以上の精度で正しい数字を推測することができたということです。
グループによりますと、スマートフォンの画面は内部の部品の取り付け方などで場所により音質や反響にわずかな違いがあり、AIはその違いからタップした位置を推測しているとみられるということです。
グループでは、こうした技術がさらに進むと、入力の際の音からスマートフォンの暗証番号などを読み取られるおそれがあると指摘しています。
西垣教授は「画面をたたく音だけでここまで高い精度で推測できるとは思っておらず、結果には驚いた。どの程度リスクになるのか、しっかりと評価して、有効なセキュリティー対策を検討していく必要がある」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200129/k10012262981000.html?utm_int=news_contents_news-main_007