プロパガンダ工作企業に潜入した記者が語る「どのようにして世論を形成するのか」
ポーランドのインターネットプロパガンダ工作企業「Cat@Net」に6カ月間の潜入取材を行った記者が、「架空のSNSアカウントを作成し、左翼と右翼の両方になりすまして世論を形成する」といった、プロパガンダ工作の実態を明らかにしています。
Undercover reporter reveals life in a Polish troll farm | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2019/nov/01/undercover-reporter-reveals-life-in-a-polish-troll-farm
ポーランドのジャーナリストに関するNGO団体Reporters Foundationに所属するKatarzyna Pruszkiewiczさんが6カ月間の潜入取材を行ったのは、ソーシャルメディアを中心として企業・個人・公共機関のイメージを構築する事業を手がけるというPR会社「Cat@Net」です。Pruszkiewiczさんによると、Cat@Netの社員は上司の指示に従って「右翼向け」と「左翼向け」、それぞれのアカウント計12個を巧みに使い分けていたとのこと。
By geralt
右翼向けと左翼向けの両方のアカウントを用意する理由は、右翼向けアカウントと左翼向けアカウントで議論を戦い合わせることで、右派・左派それぞれを支持するユーザーの信頼と注目を集められるからだそうです。そうして獲得したユーザーを誘導することで、Cat@Netは右派・左派両方の顧客の要望に応えていました。
実際にPruszkiewiczさんが請け負った業務の1つが、極端な右派的発言やマイノリティグループに対するヘイトスピーチで批判が殺到していたポーランドの公共テレビ局「ポーランド・テレビ(TVP)」に有利な世論を形成するというもの。Pruszkiewiczさんが上司から受けた業務指令は、「TVPに対する政府の補助金とテレビのライセンス料に関して肯定的な意見を投稿する」というものだったそうです。
By Sven Scheuermeier
>>2以降へ続く
https://gigazine.net/amp/20191106-undercover-reporter-in-troll-farm
By Clem Onojeghuo - Gigazine
2019年11月06日 07時00分00秒