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公開日:2019/08/29 17:00 ニッカンゲンダイ
匿名の日本海軍の将官は、本当は日本は戦争を止めることができた。しかしそのような人物は存在しなかった、と証言する。その上で「真相箱」のナレーションは、
「陸海軍は政治に関与してはならぬ、政治と軍隊がひとつの器に帰することから良い結果は生まれない、というのが、この将官の確信でありましたが、日本の陸軍はこれに共鳴しませんでした」
と解説するのである。海軍の中には非戦派もいたと言って、次のように説く。
「日本国民の生活の中に深い根を張った陸軍の圧倒的勢力の前に果たして、海軍の戦争を阻まんとする努力が功を奏したかどうかは、甚だ疑わしいのであります」
たとえ海軍の人物に批判の余地があるにせよ、全体としては「海軍びいき」であることを考えてもこの世論づくりは露骨である。太平洋戦争をより具体的に検証していく上で天皇をも論ずるのだが、「真相箱」は天皇を免責する方向に進んでいく。
(続く)