「油拡散防止」ポンプ停止 大町町、国の要請で 被害拡大の一因か|【西日本新聞ニュース】
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佐賀県大町町が、佐賀鉄工所から流出した油が河川や海に流出するのを防ぐため、管理する5基の排水ポンプのうち1基の稼働を止めていたことが、30日分かった。排水が追いつかずに順天堂病院周辺は冠水。住民からは「全てのポンプを稼働させれば、被害は減らせたのではないか」と疑問の声も上がっている。
町によると、稼働を止めたのは病院近くの排水ポンプで、町が管理。農業用水路から、町内を流れる六角川に毎秒7・5トンを排水する能力がある。
町は28日午前11時ごろ、油の流出を確認した国交省武雄河川事務所から排水を止めるように申し入れを受け、ポンプの稼働を停止。有明海で始まる県産ノリの養殖への影響や、発火や感電の危険が広がることを考慮したという。
その後、稼働を停止したポンプは浸水で故障。油が流出していない場所にある町内のポンプ4基は稼働を続けた。町は「人命を最優先し、環境影響も考慮した判断だったが、想定外の雨量に見舞われ、排水能力が追いつかなかった」としている。